「プリムラ」はその種類が多く、原種は500種以上もあるとされ、日本でも20種類程度が自生しています。よく園芸店で鉢などで売られているものでは、プリムラ・ポリアンサ、プリムラ・マラコイデス、プリムラ・オブコニカなどがあげられます。プリムラ類はサクラソウ科に属し、その多くは北半球の温帯~亜熱帯、ヨーロッパからアジアにかけて広く分布し、日本でもニホンサクラソウが江戸時代から栽培されています。本来は宿根草ですが、一般に5~6月に種を播き、1~4月に花が咲くため栽培上は1年草として扱われることが多いです。寒さには比較的強いですが、暑さには弱く、15℃前後で良好な生育をします。発芽時に光を必要とする種子(好光性種子)なので、種を播く時は上から土をかぶせないよう気をつけます。暑さに弱いため、7~8月の夏越し時に日光の良く当たる場所で管理する場合は、きっちりとした日よけ(60~70%の遮光)が必要になります。
 前述した種類の各々の特徴としては、ポリアンサは特に寒さに強く、-3℃ぐらいまで耐えることができ、直径5~8cmにもなる花をたくさんつけ、早春から戸外で楽しむことができます。マラコイデスは中国雲南省の原産で、ポリアンサに比べると少し寒さに弱いですが、葉群から多くの茎が出てその先端に直径2cmぐらいの花をたくさん咲かせます。オブコニカは品種も多く、葉の間から茎を伸ばし、頂部に直径3cmぐらいの花を多数つけます。葉などから、人によっては触れると「かぶれ」をおこすプリミンを分泌し、敬遠されたこともありましたが、最近ではプリミンを保有しない「プリミンフリー種」のオブコニカも育成されています。
 プリムラ類は自分で交配して種とり可能なものが多く、4~5月に交配すると7月頃に種がとれます。プリムラの花には、雌しべが雄しべよりも短い「短花柱花」と雌しべが雄しべより長い「長花柱花」があり、「短花柱花」どうしや「長花柱花」どうしでは交配させても種子が出来にくいため、人為的に交配させる時には「短花柱花」と「長花柱花」を交配させます。市販されているプリムラには「短花柱花」と「長花柱花」の個体が混ざっているので、交配にチャレンジする場合は花の雌しべ、雄しべの位置を確認して交配させてみてください。

プリムラ


 

奈良県農業総合センター 
普及技術課
花き指導係 主査 藤井祐子

掲載日:2007年6月9日