済生会中和病院

溝越泰壽先生

済生会中和病院
ジュニアレジデント
溝越 泰壽(みぞこし やすひさ)先生

研修期間:2010年4月~2012年3月
出身:和歌山県和歌山市
出身大学:奈良県立医科大学
卒業年度:2009年度
(※所属は2012年3月インタビュー当時)

〒633-0054 奈良県桜井市阿部323番地
TEL:0744-43-5001(内線242)
FAX:0744-42-4430
病院URL:http://www.chuwa-hp.jp/

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  • 精神科の医師を目指したきっかけを教えてください。
     高校生の時に「人の役に立てる仕事に就きたいな」と思っていました。読書家である英語の先生に紹介され、精神科領域の本を読んだことがきっかけで、精神科の分野に興味を持ちました。
  • 精神科の医師になりたいという気持ちは、研修を受けてみて変わりませんでしたか。
     大学に入るまでは、精神科の分野に興味があるというレベルでした。5年生の時にポリクリで各科を回った時は精神科以外にも興味を持ったのですが、精神科に進みたいという気持ちは変わりませんでした。その後、済生会中和病院の研修で色々な診療科を回ったことで、脳神経外科をはじめ色々な診療科に興味を持ちました。また、協力型研修病院である御所市の鴻池病院では3ヶ月間精神科の研修を受けました。指導して頂いた先生から色々と貴重な事柄を学び、大きな影響を受けました。中でも精神科の治療の中心は薬物治療でありとてもデリケートだということを知りました。本来、薬というのはその症状に対してきちんと効く事がほとんどですが、精神科においては少し事情が違います。残念ながら患者さんによっては、処方した薬が症状に合わず、結果として患者さんのQOLを下げてしまうこともあります。それは、患者さんにとってとても辛い事です。そのデリケートな現実に触れた時に、「患者さんのQOLを上げるために自分が何かしたい」と強く思い、少し迷いはしましたが改めて精神科の医師になることを決意しました。
  • 研修プログラムの概要について。
     1年目は内科を6ヶ月、消化器外科を2ヶ月、麻酔科を1ヶ月、救急を3ヶ月取り、2年目は地域医療を1ヶ月必修として取りました。残りの11ヶ月は、自由選択として精神科に3ヶ月、眼科、耳鼻科、泌尿器科、放射線科を1ヶ月ずつ回りました。脳神経外科には興味があったので、1年次と2年次で都合2度回りました。うちの病院のカリキュラムの2年目は、かなり自由度が高く、それを活かして沢山の科で色々な事を体験することができました。
  • 研修の良いところと改善して欲しいところがあれば教えてください。
     医局がひとつなので色々な意味で風通しが良く、融通が効くところが一番良いところだと思います。僕のように多数の診療科を回ることも出来ますし、特定の診療科に長い期間を割り振り、じっくり深く回ることもできます。
     症例は十分過ぎるほど経験できますし、他科の先生からもお声をかけて頂けます。また、地域の患者さんも良い方ばかりです。
     唯一、弱いと思うのは救急ですね。一般的な救急の症例は経験できますが、救急対応できない患者さんについては、3次救急の病院に搬送しています。うちは大きな病院ではないので仕方ないのですが、救急に軸足を置いている方には、物足りないかもしれません。
  • 研修の中で勉強になったことを教えてください。
     とても基本的なことですが、学生時代にポリクリの実習で回るのとは違い、患者さんへの接し方や治療に関する方針の立て方などの実務は、実際に自分がその中に入り込まないと見えてきません。それが分かったことが大きいですね。
     患者さんは複数の疾患を抱えていることも多く、どの疾患を優先的に対処するべきかを考える必要があります。ある先生がおっしゃった「医者は物事の本質を見極めないと、患者さんにとって良い治療はできない」という言葉を深く覚えています。
  • 失敗談をお聞かせください。
     うっかり朝寝過ごしたことがあります。カンファレンスが朝8時半からだったのですが、9時ぐらいに病院に着いたことがありました。何とか許していただきました(笑)。
  • 医学生に向けてメッセージをお願いします。
     実際に自分でやってみないと分からない事が多いので、自分から進んで前に出て何かをやらせてもらうことが大事だと思います。僕自身もこの2年間を振り返ると、積極的になりきれなくて損をした部分もあったように思います。自分が興味のある手技であれば、積極的に「やらせて下さい」と指導医の先生にお願いする方が良いと思います。とにかくまずは自分で動くことが大事だと思います。
  • 研修医や他職種とのコミュニケーションについてはいかがですか。
     カンファレンスの様な意見交換だけではなく、病棟での普段の業務の中で周りの方々に「先生こうしたらどうですか?」とか指導してもらったり、こちらも意見を言ったりというのはよくあります。結構フレンドリーに話せますし、色々なことを教えてもらえましたから、良い関係を築けたと思います。
  • 指導医の先生について。
     指導医の先生によって様々ですね。積極的に声をかけて下さる指導医の先生もいらっしゃいますし、こちらからお聞きする方が良い指導医の先生もいらっしゃいます。
     当直は週一回程度で、研修医に各科指導医の先生がついて、患者さんを診る形になっています。
  • どんな医者になりたいですか。
     患者さんの話を親身に聞ける先生になりたいと思います。私はまだ研修医なので患者さんも話しやすいらしく、私も患者さんのことを身近に感じることができます。難しいかもしれませんが、今後も患者さんとの距離感を大事にしていきたいと考えています。
  • 研修先として当院を選んで良かったところについて教えてください。
     研修医としてかなり大事にしてもらいました(笑)。自分の好きなように診療科を回りながら色々なことを経験させて頂き、色々な知識を身に付けることができて本当に良かったと思います。
     正直、どこの病院を選んだから良い医者になれるということではなく、その病院で自分がどれだけ頑張れたかということが大事だと思います。
     手技の経験だけでなく、医者としてどうあるべきかも教わりました。そして、今後自分が進むべき道も研修を通してはっきりと見定めることができました。
     私は、済生会中和病院の研修をお勧めします。

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