看護学生へのインタビュー <大学院>
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看護学生へのインタビュー <大学院>

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看護学生 <大学院>
プロフィール

奈良県葛城市出身。

卒業後、助産師として12年間勤務する。
現在、奈良県内の看護師養成所で20年に渡り教鞭を取り続けている。
平成23年(2011年)に奈良県内の大学院に入学し、現在1年次に在籍。

--看護師を目指したきっかけを教えてください。
 看護師は資格を得て働く仕事であり、女性が一生続けられる職業だと思ったからです。
--看護師のメリットを教えてください。

 看護師になれば、病院、診療所、施設、認定看護師、学校の教員、研究者など、多くの職場やキャリアの選択肢があります。色々な選択肢があるという部分では看護師が一番お勧めできる職業です。

 もちろん、ゼネラリストとして出世もできます。自分が成長できる職業です。成長するには自分を振り返ることが必要ですが、それも日々の仕事の中でできるのが看護師だと思います。
--大学院に進学しようと思った理由を教えてください。
 4、5年前から進学したいと考えていましたが、年齢のこともあり、研修程度の勉強を続けられればいいかなと諦めてもいました。ところが、県内の大学に大学院が新設されるという話を聞き、チャンスだと思いました。
--現在の学校を選んだ理由を教えてください。
 看護教育という分野があったことが大きいです。私は看護教育に携わっていますので、そういうカリキュラムに魅力を感じました。
--大学院の受験勉強は大変でしたか。
 基本的には小論文と面接です。面接はともかく、小論文はどのような内容が出るのか分からなかったので不安でした。合格したと分かったときは嬉しかったです。
--学校の雰囲気を教えてください。

 教室ごとの垣根が低く、情報交換も可能で、とても斬新で明るくオープンな雰囲気です。一般に大学院というと、すぐ隣の教室であってもどんなことをしているのかをお互いに知らないようなイメージですが、本学は全てにおいて開放的ですので、知ろうと思えば知ることができる雰囲気を持っています。

 学生も皆礼儀正しい方が多く、気持ちのいいキャンパスです。
--当学のカリキュラムの特徴を教えてください。

 すでに資格を得てその分野で活躍している方々を対象として、もう一段上の教育を行うことを目的としています。それぞれの職場でリーダーとなり、やがては後輩の指導に当たることができる人たちを育てるプログラムとなっています。

 また、実務を経験して自分の持っている知識に不足を感じている方々、新たな疑問を感じてその解決に取り組もうとしている方々を対象としたプログラムもあります。
--大学院生活で辛かったことを教えてください。
 大学院は自主的に学ぶべき場ですので、入学してしばらくの間は、自分が何から手をつけていいのか分からず、先が見えなくて悶々としていた時期がありました。トンネルの中で迷って、出口が見えないような感じでした。しかし、今は自分が進むべき方向も決まりましたので、毎日が本当に楽しいです。
--大学院で勉強になっていることを教えてください。

 学校で日々重ねて学ぶことは、継続性の少ない研修とは全く違います。自己研鑽の場でありながら新たな発見もあり、学ぶことは楽しいですね。

 私が教鞭を取っている看護師養成所とは学生に対する接し方や勉強に対するスタイルが違いますので、取り入れられる部分は積極的に取り入れてみようと思います。
--先生方は厳しいですか。
 優しいです。温かく見守ってくれていますし、学生や院生の大人としての主体性を尊重してもらっています。
--先生方からの教えで印象に残っていることはありますか。

 60歳で定年になった後で大学院に入学されて、修士を取って大学の先生になられた方がいます。その方の存在に感動しました。学問を始めるにあたって、年齢は関係ないということです。私のこれからの人生に希望が出てきました。

 また、「あなたは看護学校の教員だから、看護学生に対して大きな影響を与えることができるのよ」と言われたことも印象に残っています。
--大学院に通う中で一番大変なことを教えてください。
 時間を作ることに尽きますね。夜の6時から授業開始なのですが、仕事の都合で間に合わないこともあります。
--研究テーマについて教えてください。
 実習の看護学生に対する共通的な評価基準のようなものがまだ見当たりませんので、「基礎看護学実習の客観的評価」が研究テーマです。学生の実習に対する評価基準を作ってみたいと思っています。
--楽しみにしている大学院の行事はありますか。
 修士の2年生が発表する研究発表会を聴くことです。一般公開もしています。
--仕事と学問との両立は大変ですか。
 どうしても仕事優先ですので、研究の時間を作るためにも定時内の効率アップを目指しています。本学は働きながら通う方も多い大学院なので、在宅でもパソコンを通じて講義を受けられるなど、履修しやすいカリキュラムになっていることもありがたいです。
--看護師養成所で、教員として学生に指導する際に気をつけていることを教えてください。
 今まで、私は自分の授業が上手くできていると思ったことがないです。しかし、学生にわかりやすい言葉で話したり、学生の目線に合わせる努力はしているつもりです。
--大学院で学んだ経験を職場にどうフィードバックしていきたいですか。

 看護学校の教育制度が4年制に移行していく中で、3年制の養成所の質の向上に寄与できれば嬉しいです。教鞭をとっている関係上、学生との接点も多く、私の大学院での経験談をすることで、学生たちのひとつの「気づき」になればありがたいと思っています。
 看護師養成所は大学と違い、施設も設備も整っていないことが多く、また、講師も少なく、院外講師に頼ることも少なくありません。しかし、教員は変わることができ、自分で成長していくことができます。したがって、教育レベルを上げていくことは可能なはずです。

 もちろん、学生達との関わり方を見直さなくてはいけません。養成所の学生も成人が多いので、高校生の延長線上で学生を見るのではなく、大学院で学んだことを活かし、主体性を持った大人の学び方を教えていきたいと思っています。
--大学院修了後の進路について教えてください。
 特に変化することはありません。このまま教員の仕事を続けていきます。
--大学院進学を考えている看護職へメッセージをお願いします。

 私が大学院に行っていると言うと、「向学心があるね」などと皆に驚かれます。でも、実際には一歩踏み込んでみると、特別な所では決してありません。日常の仕事の中で発生した問題がどうしても解決できない場合、大学院に行くと解決方法を考えるヒントがある場合があります。形から入ることも悪くはありません。大学院に入学してしまえば、やらざるを得ない部分もあるので、日常に流されにくくなることは事実です。

 大学院に通うことはとても楽しいです。機会があれば、学ぶ楽しさを実感してみてください。
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