全国知事会議(H25年7月8日~7月9日)に係る知事コメント
                                                於:ひめぎんホール (愛媛県松山市)

会議の概要
 ・8日午前は、地方分権改革の推進について協議された。
 ・8日午後は、地方税財源、東日本大震災からの復興の促進、地震・津波防災対策の充実強化、原子力発電所の安全対策、道州制基本法案、医療改革、少子化対策等について協議された。
 ・9日午前は、平成26年度国の施策並びに予算に関する提案・要望等について協議された。
 
荒井知事の発言要旨
<道州制基本法案について>
  日本の国の礎が築かれたときは律令国家であった。地方豪族を牽制する中央国家ではあるが、多様な地方を許容していた。以来、我が国では、多様な地方がずっとあったのが、最近は多様ではなくなっているのではないかという危機感がある。分権論で、国一律か地方自由か、あるいは中央集権か地方分権かと言うが、「か」ではなく「と」、「統合多様」と考えたい。
  今一つは、自立した役割を持つ各統治機構の間のチームワークをどう作るかということが大事であり、佐賀県知事がまとめられた「地方分権改革の推進について」は評価したい。地方分権は手段であり、目標があって舵があってエンジンがないといい方向に進まない。地方分権には、脈絡、ストーリーが必要である。国出先機関のまるごと移管はストーリー性がない点、消極的に評価している。
  我が国は多様な地方がずっとあって、明治時代に約71,000の市町村があったが、今は1,700と約40分の1になった。ところが都道府県の数は変わらず、広域行政組織は戦中の一時期を除いてできたことがなく、もし道州が出来ると歴史始まって以来の統治機構となるのでよく考えないといけないと思う。議論に際しては、統合を外してもいけないし、多様を外してもいけない。
 
※ 道州制基本法案への対応については、現在の課題を明確にし、具体論を盛り込んだ形で意見をまとめることとなった。
 
<教育委員会制度の見直しについて>
  教育の成果目標は、学力だけでなく、体力、規範意識などというものがある。体力や規範意識は、奈良はとても低く、関西は総じて低い。藩校のあったところや寺子屋が充実していたところは規範意識が高い。
  地域教育力の向上は、学校だけではできない。学校と家庭と地域、三位一体で守らなければならない。その観点から考えると、首長の責任はとても重い。権限と責任の明確化が必要だと思う。そのときに、教育委員会は何をするのか。私見だが、評価・監視の役目が大事だと思う。
  教育では統計やエビデンスが非常に大事であるが、日本には統計に基づき評価、監視する機関がない。ヨーロッパやアメリカは充実している。今この差が教育力の差として現れていると思う。基本方針を諮問するのと評価、監視するのは機能が異なるので、基本方針を諮問する中教審みたいなものが地方にあってもいいと思うが、教育委員会の機能で重要なことは評価・監視する機能を付与することである。
  そのためには、統計とか資料の整備が必要だと思う。選択制でなく新しい教育委員会を作る一歩を踏み出すべきである。国は何をすべきかというと、まずは財源保証である。また日本の教育の基本的な方針は、あまり押しつけがましくなく作ってもらいたい。多様な教育、地域の個性あふれる教育は、江戸時代から明治維新を作った原動力であったので、地域の多様な教育を目指すという知事会の方針を確立していただきたい。