全国知事会議(平成26年7月15日~16日)に係る知事コメント

於:唐津シーサイドホテル(佐賀県唐津市)

会議の概要
 ・15日午前は、地方税財源の確保・充実、地方分権改革の推進について協議
 ・午後からは、地域経済の再生に向けた提言、人口減少問題等について意見交換
 ・16日午前は、平成27年度国の施策並びに予算に関する提案・要望等について協議

荒井知事の発言要旨

 <地方分権改革の推進-農地制度のあり方-について>
   農地の総量確保、マクロ管理の考え方に賛同する。そのときに国全体でマクロ管理するのか、県でするのか、市町村でするのかで随分違う。県全体で管理するということが大事。奈良県は耕作放棄地率が2割もある。実効農地の確保を基本にしたとき、県の果たす役割は大きい。
   また、同じ農地でも生産額、効率性が違う。農業生産額では奈良県は437億円で、東京、大阪に次いで全国で下から3番目。ところが農地の量は神奈川県と同じであり、奈良県の437億円に対して神奈川県は805億円を生産する。奈良県では、神奈川県をベンチマークして追い着こうとしている。地方によって作付けはいろいろ違うので、農地の量を目標にするのか、産出額なのかは、農政の課題だと思う。
   農地の確保については、国土の保全という観点が大事だと思うが、経済の観点からは産出額確保、耕作放棄地の減少というのも大きな課題。これらの観点から、農地の転用について弾力的であっても、農業産出額と農地の総量確保、しかも実効農地の確保ということについて県の役割は大きい。県と市町村が協議をして、地方の実情にあったやり方で決めるという手法もあるのではないかと思う。
 
 <地域経済の再生に向けた提言について>
   国主導の開発ではなしに、内発的に地方の経済を発展させるという地域経済振興のパターンが日本にはまだ定着していない。地域の経済発展のあり方については、地域によって産業構造が違い、産業の主役、脇役が違う。国は一般論で地域経済振興と言っているだけで各論がない。それをどのように克服するか考えたときに、地域の経済統計がないことが問題。統計データはたくさんあるが、国は分析しないので、県で細々とやっている。地方の産業構造の将来のあり方を考えるときに統計は大きな武器になる。地域の細分析をすると地域がそれぞれ発想が豊かになり、発展するのではないかと思う。地域経済の統計分析を重視することを考えていただきたい。
 
 <少子化対策について>
   東京が発展したのは、地下鉄の整備のおかげではないかと考えている。地下鉄があると夜遅くまで女性がいろんなところで活躍できて、夜遅くでも帰られる。田舎は自動車で帰らなくてはいけないから、なかなか難しい。
   ヨーロッパのように、20万~30万人の都市でも簡便な地下鉄があれば、街の落ち着きが全然違うとかねてから思っている。田舎はJRが走っているので、都心の地下鉄からJRで郊外へ乗り入れるということになれば、通勤圏が随分広がる。
 
 <社会保障改革(国保)について>
   国民健康保険料は市町村によって差があるが、県内でどのような理由で差があるのか調べはじめている。県内では、市町村の間で医療費の差が1.8倍ぐらいあるが、医療費の差は高齢化率の差だけではないと思うが、その理由が何か、まだよく分からない。医療費の差が実は保険料にそのまま反映されていなくて、調整交付金等で随分調整されている。その調整交付金等の思想が分からない。継ぎ足し継ぎ足しの制度でやっているので、トータルな調整の考え方が分からないというのが今の状況。新しい制度でそれを県内で調整するとすれば、どのような考え方があるのか。
   私は後期高齢者医療広域連合に副広域連合長で入らせていただいて、運営する立場として参加して研究しようとしており、いろんなことが分かってきた。保険は制度なので、もう少しエビデンスがあれば、もう少し合理的な議論が進むのではないかという期待を持っている。県内で保険料が統一できて、同一所得なら同一保険料ということになれば、いろいろな調整金をどのような思想で入れるかということになると思う。県内の考えを立てていかなければいけないという状況にある。