教育長メッセージ

 吉田教育長のメッセージ
  
 皆さん、こんにちは。このページでは、奈良県教育の現状や課題、それらに対しての取組や今後の方向性などについての思いを、県民の皆さんにご紹介いたします。

平成29年度奈良県市町村教育委員長・教育長会挨拶

   平成29年度 市町村教育委員長・教育長会 吉田教育長挨拶
                                        
                                                                           
                                  平成29年5月31日
                                                                                                           県立教育研究所

1 はじめに
 おはようございます。本日は、平成29年度の市町村教育委員長・教育長会にご出席いただきありがとうございます。教育委員会制度が改正されて3年目となり、教育委員長さんの職に就かれている方もずいぶん減ってまいりました。全国都道府県教育委員会連合会は、教育委員の代表者の方と教育長の連合会という形に変わっていますが、この会も、来年度に向けて新たな持ち方を考えていきたいと思っているところであります。
 私も教育長として今年で4年目を迎えることになりました。旧制度下で教育委員の代表の教育長として1年、新制度下での教育長として3年目、合計4年目を迎えております。
 就任当初から、特に「へき地教育の充実」という目標を掲げて推進をしてまいりました。平成27年度より、教育研究所学校教育アドバイザリー係でへき地の学校支援を行う体制づくりを行いました。免許外教科担任については、3年間での解消を目標に取り組んでまいりました。今後、技術科の教員の確保や複数校担当教員を含めた学校での勤務の在り方などを検討課題としていきたいと考えております。過日、奈良教育大学の技術の教員養成の中心となっておられる谷口教授とお話をする機会がありました。福井市などでは、実技教科を非常に大切にしておられるそうですが、本県においても、技術の授業を行うに当たって、誇りをもって指導することができる、そんな教員を大学でも育成していただきたいし、我々教育委員会もそのような授業を大事にするような施策を今後とも考えていきたいというような話をさせていただきました。


2 教育委員会事務局組織について
  本日は、教育研究所、事務局各課・室長が県の施策について説明をさせていただく予定で出席させていただいております。今年度、事務局組織についても改正を行いました。教育振興大綱推進課を新しく設置し、知事が策定した教育振興大綱を着実に推進するという方向で臨んでいきたいと思っております。
 また、事務局に、女性の課長・室長が二人、任用されております。現在、国をあげて「女性が活躍する社会」に向けた取組が進められています。私も教育委員会に15年以上おりますが、事務局で理事者側に女性が担当するというのは初めてのことです。今後も、教育委員会事務局や管理職に女性を登用していきたいと考えておりますので
よろしくお願いします。


3 教職員の資質・能力の向上について
 さて、去る5月29日に、教育研究所で「教育セミナー2017」を開催いたしました。「学びをつなぐ~深い学びの実現を目指して~」をテーマとして、アクティブ・ラーニングの第一人者である京都大学の溝上慎一教授にご講演をいただきました。約600名という非常に多くの方々に参加いただき、ありがたく思っております。その際に溝上先生と懇談をする機会をいただきましたが、先生も、「今後10年後、20年後の学校の授業は、おそらく大きく変化するであろう」と言っておられました。今、予備校などでは、衛星放送で授業を受けるということが日常的に行われていますが、講義方式の授業なら、場合によってはAIでもできるのではないか、分かりやすい先生が一人いれば可能なのではないかということでした。また、いわゆるアクティブ・ラーニングの実践ができない教員は、これから必要ではなくなっていくのではないかということもお話されていました。今後、授業において、主体的・対話的な活動ができるような、さらに、より深い学びへと子どもを導いていくことができるような教員を育成していくことが非常に大切になってくると考えています。
 教員の育成についてですが、教職大学院への新たな派遣制度も進めておりますし、若手教員の育成に関しては、初任者研修という1年だけの研修ではなくて、3年をかけて初任者を育てていこうというシステムの構築も行っております。また、ディア・ティーチャー・プログラムという大学3年生からの教員養成の講座も実施しております。今後は、アクティブ・ラーニングができる小学校教員の養成を目指して、このような講座を高校2年生から実施していく計画をもっております。それから、中堅教諭等資質向上研修については、一部見直す予定をしております。見直しの観点は2つあります。
 1つ目の観点は、中堅教諭等資質向上研修を免許更新講習と一部兼ねることができないかということです。既に実践をされている都道府県もあります。免許更新講習というのは、免許状終了確認期限の2年2ヶ月前から受講できるものであり、6時間×5講座の30時間の講座を履修認定された場合、手続きの後、免許更新となりますが、そのうちの一部を教育研究所で実施することができないかと考えています。教育研究所で免許更新講習が実施できるよう、今年度に文部科学省に対する手続きを行い、来年度からの実施を目指して、教員の負担軽減を図っていきたいと思っています。10年目の教員が免許更新のタイミングに重なったときに24時間の講座が軽減されるようなシステムを制度化した都道府県もありますが、我々は、対象者を限定せずに、免許更新講習に代わる講習を実施する計画を立てています。例えば、小学校の先生方は英語の指導に関する不安感をかなりもっておられると聞いています。実際には、ALTの活用や専科教員の配置などの方策も考えられますが、担任が授業を行うということが基本的な考え方でありますので、英語を担当する担任の指導力を向上させるために、英語の指導に関するコースを検討しています。教育研究所で研修・講習を行い、中堅教諭がそれを受講して修了された場合には免許更新講習を一部減じるといったことを計画しているということです。
 2つ目の観点は、教科等研究会との連携を図っていくということです。中堅教諭の研修については幅広い裁量権が県に与えられておりますので、私の個人的な考えですが、中堅教員が、自主的・主体的に、教科等研究会で何年間か活動をしているようであれば、それは中堅教員の研修として認めてもいいのではないかと、そんな思いをもっております。小学校、中学校、高等学校の各教科の研究会の活性化にもつながっていくことから、このような制度を通して、自主的・自発的な研究会活動に教員自らが積極的に参加できるようにしたいと考えています。
 これら2つの観点から、中堅教諭の研修要綱の見直しをして、来年度には新たな研修システムとしてスタートさせていきたいと思っております。


4 学力・学習状況調査の分析について
 本年度も県独自の学力・学習状況調査を小学校4年生と中学校1年生で実施をさせていただきました。今回で3年目になりますので、1年目に実施した小学校4年生、中学校1年生が、今年度小学校6年生、中学校3年生になって全国学力・学習状況調査を受けました。これらのデータを用いて、今年度は、大学と連携をして大学の知見を活用しながら、かなり詳細な分析を行いたいと考えており、そのプロジェクトチームを教育委員会に立ち上げたところであります。今回の分析結果は、従来のように学校長や教員に対して発信をするだけではなく、まず、教育長の皆様と共有させていただきたいと考えております。分析を終える時期は、おそらく来年早々ぐらいになろうかと思います。共有させていただく機会としては県教育サミットか、サミットの日程と合わない場合には、私と教育長の皆様方とで独自に会議を開催して、今回の学力・学習状況調査の分析について共有し、今後の奈良県教育に生かしていただくというようなことも考えております。ご予定のほどよろしくお願いいたします。


5 おわりに
 最後になりましたが、各教育委員会の益々の発展を私も期待しておりますし、今までどおり、県との連携・協力をしていただけますようお願い申し上げて、私の挨拶を終わらせていただきます。本日はどうぞよろしくお願い申し上げます。