イチジクの栄養と加工

これから旬を迎えるイチジク。
世界には、数百種類以上のイチジクがありますが、日本で主に栽培されている品種は、大果で収量の多い「桝井ドーフィン」という品種です。奈良県はイチジクの生産量が全国7位(平成25年特産果樹生産動態等調査)で、主に大和郡山市を中心に栽培されています。
イチジクの栄養成分ですが、糖分は15%前後で主にブドウ糖と果糖からなり、酸は少ない方です。また、カルシウムやマグネシウムなどのミネラルが豊富で、ペクチンなどの食物繊維も多く含まれているため、整腸作用が期待できます。果実の皮と内部の赤色はアントシアニンという色素で抗酸化作用のあるポリフェノールの一種です。
イチジクは、果肉が柔らかいため、日持ちはあまり良くありません。食べきれないときは、加工がお勧めです。イチジクの加工には、ジャムを始めとしてシロップ漬けや甘露煮などがあります。果実にはペクチンが豊富に含まれるという特長を持っているため、ジャム加工に適しています。しかし、酸が少ないため、加工の際には、レモン果汁やクエン酸を加えましょう。そうすることで、味のバランスが良くなり、さらには、アントシアニンの赤色がきれいに発色して安定します。

itijiku
jamu
今回は色がきれいでおいしいイチジクジャムの作り方をご紹介します。
【原材料】
イチジク(良く熟したもの) 500g
グラニュー糖        200g(原材料の4割程度)
クエン酸          2.5g(レモン果汁なら40cc程度)
【作り方】
イチジクは皮をむいて適当な大きさに切って鍋に入れ、グラニュー糖を3回に分けて加え、煮詰めます。アクが出たら取り、最後にクエン酸(レモン汁)を入れてできあがり。長く煮すぎると色が悪くなったりペクチンが分解して固まりにくくなるので、煮詰めの時間は20~30分とします。必要に応じて瓶詰めし、煮沸殺菌して冷暗所で保存してください。

【豆知識】「低温保存で退色抑制」
みなさんは、イチジクジャムを室内に置いているうちに、赤色が茶色に退色してしまったことはありませんか。
アントシアニンは、低温で保存することによって退色をおさえることができます。
当センターにおいて、瓶詰めしたイチジクジャムの保存温度を検討した試験結果をご紹介します。
イチジクジャムを2種類の保存温度(40℃と5℃)に置き、アントシアニンの残存率を調査しました。40℃保存では、4週間後に製造時の40%、16週間後には20%となり、茶色く退色してしまいましたが、5℃保存では、16週間後でも85%で、赤色は保たれていました。このことから、低温での保存により赤色を保持できることがわかりました。
イチジクジャムは、できるだけ涼しい場所で保管して、きれいな赤色を楽しみましょう。



奈良新聞で第1日曜日に連載中の「農を楽しむ」に掲載されたものです。
(平成20年まで「みどりのミニ百科」)
※過去に掲載されたトピックスは時間が経過し、現下と異なる点もございますのでご了承下さい。