「カキの葉」の魅力

 奈良県の特産果物であるカキは、果実だけではなく、ヘタを漢方薬にしたり樹の材を工芸に利用するなど、色々な部分が利用されています。中でもカキの葉は、奈良県の特産品「柿の葉すし」や健康飲料「柿の葉茶」として、また古くは歌などを書きつける短冊にも利用されてきました。そんなカキの葉の魅力を、3つご紹介しましょう。
1)ポリフェノール
 最近注目の成分に、ポリフェノールがあります。チャのカテキンやブルーベリーのアントシアニンなど様々なポリフェノールが知られていますが、カキの葉も豊富にポリフェノールを含んでおり、古くから利用されてきました。例えばポリフェノールは強い抗菌性を示しますが、これを活用したものが、柿の葉すしの包み葉です。
 また、カキの葉のポリフェノールは、花粉症や糖尿病に効果があると言われています。
2)ビタミンC
 品種や季節によってその含有量は変動しますが、カキの葉には非常に多くのビタミンCが含まれています。例えば6月の「刀根早生」の葉ですと、100gの葉に1.5gもあり、これは果実の20倍近い量になります。柿の葉茶は健康飲料として知られていますが、その理由の一つがこの高含有のビタミンCにあります。
3)紅葉
 カキは秋になると赤く色づきます。カキ畑が一面紅葉と果実で赤色に染まる様子は、カエデとはまた違う美しさがあります。また、カキの紅葉は、料亭などで料理の飾りとして利用されるツマものとして高値で取引されています。室町時代には、カキの紅葉に恋の歌を書き付けて水に浮かべることを詠んだ歌が記録されており、歴史背景やその大きな葉を活かして、クラフト利用などでも需要があると見込まれています。
 赤い色の本体はアントシアニンという色素であまり長持ちしませんが、農業研究開発センターでは、ビタミンCと食塩の保存液に漬けることで、最長1年間その美しさを保存する技術を開発しています。

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【豆知識】健康飲料「柿の葉茶」を作ろう。
 これから夏にかけては、柿の葉茶を作るのに良い時期です。庭にカキの樹を植えておられたりして葉を入手できるようでしたら、ぜひ一度お試し下さい。
 まず葉の採取ですが、果実を作っておられる方は、採り過ぎると果実の生育に影響しますので、注意して下さい。果実の付いていない徒長枝などから採るのが理想的です。収獲した葉を幅1センチ程度に適度に裁断した後、1度蒸し器で蒸して酵素を失活させます。その後、風通しの良い場所で広げて、数日間乾燥させます。パリパリになるまで乾燥したら、湿気を通さない缶などに入れて、保存しましょう。飲み方は、乾燥した葉をひとつまみ急須に入れて、熱湯を注いで下さい。ほのかに甘く、独得の香りが立つ美味しいお茶が楽しめます。また、魔法瓶に入れ、熱湯を注ぎしばらく置くか、少し時間をかけて煎じて濃く出すようにすると、風味の違う美しい琥珀色のお茶になります。



奈良新聞で第1日曜日に連載中の「農を楽しむ」に掲載されたものです。
(平成20年まで「みどりのミニ百科」)
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