ネコブセンチュウ対策

 「農作物の根を引き抜いたら、無数のコブがついていた」そんな経験はないでしょうか?農作物の根にコブが生じる原因には、根こぶ病とネコブセンチュウによる寄生があります。前者はアブラナ科だけに発生し、地際に大きなコブを作ることから後者と区別できます。今回は野菜や花き類に幅広く寄生し、防除の難しいネコブセンチュウとその対策についてご紹介いたします。
 ネコブセンチュウによる被害は、その名の通り根に無数のコブが現れます。500種以上の植物に寄生しますが、農作物では特にナス科のナス、トマト、ピーマン、ウリ科のキュウリ、メロン、スイカなどで被害が大きくなります。このセンチュウに寄生された植物の根は、数珠のようにコブが膨れ、栄養の吸収が阻害されます。そのため、地上部はしおれ、収量が低下します。ひどいと枯死する場合もあります。またニンジンやゴボウ等の根菜類は根の奇形や枝分かれとなります。
 センチュウの防除は土壌くん蒸剤などによる化学農薬が主流ですが、近隣への配慮から特に市街地では使い難くなっています。これに替わる方法として、栽培することによってセンチュウの密度を減らす「対抗植物」があり、マメ科のクロタラリアやイネ科のギニアグラス、キク科のマリーゴールドなどが利用されています。ただ、センチュウの種類によって対抗植物やその効果の異なる場合があり、注意が必要です。センチュウの活動が盛んな6月~10月に栽培すると効果的です。対抗植物の栽培中は農作物を栽培できませんが、クロタラリアやマリーゴールドはきれいな花を咲かせるので、目で楽しむことができます。また、クロタラリアは栽培後にすき込むことによって、緑肥としての効果も期待できます。ネコブセンチュウでお困りの場合は、花の鑑賞も兼ねて、これらの植物を植えられてはいかがでしょうか。

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【豆知識】「簡単なネコブセンチュウの検定法」
 センチュウによる農作物の被害を予測するためには、土の中にセンチュウがいるかどうかを確認することが重要です。しかし、センチュウは体が小さく(長さ0.5mm以下)、土の中に住んでいるため、肉眼での確認は困難です。そこで、簡単なネコブセンチュウの検定法をご紹介いたします。
 用意するものはホウセンカの種と3号程度の素焼き鉢です。ホウセンカはネコブセンチュウが増えやすく、根の生育も良いため検定に適しています。調べたい畑の土を鉢に詰め、ホウセンカを栽培します。4月頃が播種適期です。約30~40日後に根を掘り出してコブの付き具合を調べます。ホウセンカの根にコブが多く付いていた場合、その畑にナス科やウリ科野菜を栽培すると、被害が出る可能性が高くなります。前述の防除や作物の変更など対策を考えましょう。



奈良新聞で第1日曜日に連載中の「農を楽しむ」に掲載されたものです。
(平成20年まで「みどりのミニ百科」)
※過去に掲載されたトピックスは時間が経過し、現下と異なる点もございますのでご了承下さい。