新・柿の健康七絶

今から千二百年ほど昔の中国・唐の書物「酉陽雑俎(ゆうようざっそ)」に、「柿に七絶有り」と言う言葉が出てきます。寿命が長く、日影を作り、鳥の巣が無く、虫がつかず、紅葉が綺麗で、果実がおいしく、落ち葉が肥料になる、という柿の七つの優れた点のことですが、今ならば、「身体に良い」というだけで七つ挙げることができるでしょう。果物最大級のビタミンC含量、最近注目のβクリプトキサンチン、豊富な食物繊維やミネラル、低カロリー、葉やヘタなど果実以外にも色々ありますが、中でもイチオシは、柿の渋味の成分「柿タンニン」です。「柿タンニン」は、「柿渋」の主成分として古くから様々に利用されてきましたが、最近、その効能の一部が科学的に証明され、かつて無いほど利用が広がってきています。例えばノロウイルスなどに顕著な効果を示す殺菌剤、 加齢臭などに効く消臭剤、悪酔いを抑える二日酔い予防など、生活に役立つ様々な商品が出回っています。奈良県でも、農業研究開発センターで生み出された高純度の柿タンニン「奈良式柿タンニン」をベースに、県内の大学や企業と組んで糖の吸収抑制機能について研究を実施し、ヒトでも有効であることを確認しました。そこで、機能性サプリメントとして実用化を進めているところです。更に他にも健康に役立つ新たな機能が発見され、その機能の解明や有効な活用方法の研究に取り組み始めているところです。
 このように、奈良時代より親しまれてきた奈良県特産の「柿」は今、新たな魅力を開花させ、奈良県民をはじめ皆さんに役立つ時を迎えています。

新・柿の健康七絶
1.果物トップクラスのビタミンC含量
2.意外と低いカロリー
3.カリウムなど豊富なミネラル
4.果物でダントツの食物繊維
5.新たな機能性 βクリプトキサンチン
6.柿葉、柿霜(しそう)、柿蒂(してい)など昔から知られる薬効
7.温故知新の万能製剤 カキタンニン


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【豆知識】「絞りなど模様付けも」
 「柿渋」で手軽に美しい染色が楽しめる、「柿渋染め」を紹介しましょう。材料は柿渋と布(ハンカチーフ、スカーフ、靴下など。素材は絹が望ましい)、アルカリ性洗剤、酢、ヘアコンディショナーです。まず40℃に温めた水にアルカリ洗剤を適量加え30分間布を浸し、しっかり流水で洗って洗剤を落とします。続けて水1Lに酢2mlを加え40℃に温めた液に、布を10分間浸し、再度水洗します。次に柿渋を60℃に熱して30分間布を浸し染色します。染色終了後、布の余分な柿渋を水で洗い流し、軽く絞って、適量のヘアコンディショナーを溶かした水に漬け、よくもんで全体になじませます。最後に水で十分にすすいで脱水し、乾燥したら出来上がりです。より濃い色が良ければ、更に繰り返して二度染めすると良いでしょう。輪ゴムで縛って絞りを入れたり、牛乳で模様を描くなどすると、様々な模様付けもできます。是非オリジナルの柿渋染めをお楽しみ下さい。



奈良新聞で第1日曜日に連載中の「農を楽しむ」に掲載されたものです。
(平成20年まで「みどりのミニ百科」)
※過去に掲載されたトピックスは時間が経過し、現下と異なる点もございますのでご了承下さい。