アライグマの作物被害

 アライグマと聞けば、1977年にテレビ放映された「あらいぐまラスカル」を思い出される方が多いでしょう。「キューキュー」と鳴いてかわいかったですね。アライグマは元々北アメリカに住んでいましたが、日本に輸入されて、ペットとして飼われました。しかし、気性が荒く、爪が鋭く、大きく成長するので、飼えなくなって放逐されたものが野生化しました。近年、奈良県でもアライグマ被害の情報がたくさん寄せられています。平成23年の農林業集落アンケートでは、県内の広い範囲で生息が確認されました。
 アライグマは雑食性です。カエルや魚・昆虫も食べますが、農作物も好んで食べます。木登りが得意なので、ブドウや梨などの果樹も狙われます。スイカ・トウモロコシ・イチゴも好んで食べます。イチゴ栽培が行われるビニールハウスのビニールは、爪が鋭いので簡単に破られます。墓のお供えが餌になっていたり、ゴミ捨て場が餌場になっていることもあります。
 タヌキとの違いは、尾に5~7本の黒い輪があり、耳が尖っていて、目の周りがパンダのように黒くなっています。水辺を好み、平野部から山間地まで幅広く生息可能です。廃屋や倉庫・神社などで休息したりすることもあります。雌は1年に1回3~6頭の子を産み、1年で、体重10kgぐらいになります。現在、アライグマは特定外来生物に指定されており、農作物への被害などを軽減するため、捕獲などが行われています。捕獲には、ネズミ獲りの10倍ぐらいの箱わなが使用されます。箱わなの捕獲餌としては、揚げパンやブドウパンのほかコーン菓子や鶏肉の唐揚げなども使われ、餌の好みは地域によってちがうようです。
 捕獲には許可が必要です。
 必ず、市町村役場に相談してください。

araiguma
 県内の広い範囲で生息が確認されているアライグマ

【豆知識】「違反すると厳しい罰」
 特定外来生物に指定されると、次の項目が規制され、違反すると個人の場合懲役3年以下もしくは300万円以下の罰金/法人の場合1億円以下の罰金が課せられます。
  ・飼育、保管することができません。研究目的などの特別な場合は許可されます。
 ・移動することができません。野外で捕まえた場合に、持って帰ることは移動に該当します。
 ・輸入することができません。飼育等の許可を受けている者は除きます。
 ・許可を受けて飼育等する者が、その許可を持っていない者に対して、譲渡、引き渡しなどをすることが禁止されます。これには、販売することも含まれます。
 ・許可を受けて飼育等する場合、その個体等にマイクロチップを埋め込むなどの個体識別等の処置を講じる義務があります。



奈良新聞で第1日曜日に連載中の「農を楽しむ」に掲載されたものです。
(平成20年まで「みどりのミニ百科」)
※過去に掲載されたトピックスは時間が経過し、現下と異なる点もございますのでご了承下さい。