奈良県では、奈良公園周辺において、ハード対策・ソフト対策を組み合わせて渋滞緩和を図ることとしており、今後更なる交通集中も見込まれることから、観光バスによる渋滞への対策として「(仮称)登大路バスターミナル」の整備を進めるとともに、利用者の協力によるマイカー対策も強化しています。
5月3日(木曜日)~5日(土曜日)の3日間において、 奈良公園周辺のマイカー流入抑制を目的として、新たに「木簡型バス一日フリー乗車券」を乗車人数分配布することで、 観光シーズンでも余裕のある市営JR奈良駅駐車場の利用促進効果を確認する社会実験を行いました。
このたび、その結果がまとまりましたので報告いたします。
社会実験への参加状況【参考資料1】
3日間で約560台が参加され、 「木簡型バス一日フリー乗車券」を約1,700名の方に進呈しました。市営JR奈良駅駐車場は、昨年はピーク時でも駐車率は5割以下でしたが、5月4日・5日には200台以上が利用され、通常の利用者も含めて 駐車率が9割近くとなり、一定の効果が発現しました。
参考資料1(pdf 153KB)
奈良公園周辺の渋滞状況(5月4日(金曜日)計測)【参考資料2】
市営JR奈良駅駐車場の駐車率がほぼ倍増し、大阪方面からのアクセスルートである 大宮通りの交通量が約5%減少しました。
その結果、大宮通りでは、 約8割の時間帯で昨年より渋滞が緩和し、 500m以上の渋滞発生時間は160分から50分に減少しました。
参考資料2(pdf 701KB)
アンケート結果
社会実験参加者【参考資料3】
社会実験参加者に記入いただいたアンケートから、以下を把握できました。(562人)
- 社会実験で市営JR奈良駅駐車場利用者の 約6割が、当初予定していた奈良公園周辺の駐車場から、この駐車場に変更。
- 社会実験の実施については、 34%の方が案内看板、15%が道路表示板、27%がインターネット、14%がテレビで 認知。
- 市営JR奈良駅駐車場を利用した理由は、 「奈良公園周辺の混雑」が約4割強、 「バス乗車券が無料でもらえる」が約4割。
参考資料3(pdf 263KB)
奈良公園来訪者 【参考資料4】
奈良公園内で実施したアンケートから、以下を把握できました。(179人)
- アンケート回答者の 25%が社会実験を認識しており、そのうち約3分の1(9%)が実験に参加。
- 社会実験を 認識しているが参加しない理由
・ 約4割は「駐車後のバス乗り継ぎをしたくない」
・ 約2割は「駐車料金が高い」
・ 残る4割は「ホテルの駐車場を利用した」など
参考資料4(pdf 179KB)
今回の社会実験の効果
今回の実験を通じて、 混雑する奈良公園周辺の駐車場から、市営JR奈良駅駐車場へ駐車先を変更いただき、 奈良公園周辺の渋滞が昨年より緩和していることが確認されました。これより、本社会実験は、 観光シーズンの休日における奈良公園周辺への マイカー流入抑制に一定の効果があったと考えています。
今後の取り組み
奈良公園周辺では、 6月の平日においても、 修学旅行などの観光バスを中心とする 約1,400mに及ぶ渋滞が生じることもあり(6月13日)、ハード対策を進めるとともに、 ソフト対策の柱であるパーク&ライドについては、今回の社会実験に関する評価、検証を踏まえ、 より効果的な対策を検討してまいります。