奈良新聞掲載記事集

令和6年度 奈良新聞掲載「農を楽しむ」

令和5年度 奈良新聞掲載「農を楽しむ」

令和4年度 奈良新聞掲載「農を楽しむ」

令和3年度 奈良新聞掲載「農を楽しむ」

令和2年度 奈良新聞掲載「農を楽しむ」

平成31年度 奈良新聞掲載「農を楽しむ」

平成30年度 奈良新聞掲載「農を楽しむ」

お正月の祝だいこん

  新年あけましておめでとうございます。お正月と言えば、お雑煮を食べられるご家庭が多いと思います。お雑煮に欠かせない野菜のひとつに、大和の伝統野菜である「祝(いわい)だいこん」があります。皆さんは、大和の伝統野菜についてご存じですか。大和の伝統野菜は地域の歴史・文化を受け継いだ独特の栽培方法により「味、香り、形態、来歴」などに特徴を持つもので、現在、奈良県では祝だいこんのほかに大和まな、結崎ネブカなど20品目を認定しています。その中で、祝だいこんは、直径が約3cm、長さが約20~30cmの細いダイコンで、その形状と、輪切りにすると切り口が丸いことから家庭や夫婦の円満につながるとされ、このようなおめでたい名がつけられたといわれています。歯ごたえがあり、肉質がしっかりしていて煮崩れしにくいのが特徴です。また、他のダイコンと比べて、根の部分が白いのも特徴です。雑煮のほか煮物や味噌汁、漬け物などにも利用することができますが、お正月の雑煮に使われることが多いため、年末(12月下旬)の数日以外はスーパーなどではほとんどみかけることはありません。
 県内では奈良市、宇陀市、明日香村などで栽培されています。その年の気温を考慮し、10月上中旬頃に種がまかれます。その後、追肥や間引きなど様々な作業が行われ、年末に収穫されます。収穫する時期は寒く土が凍っていることが多いため、葉が折れないように細心の注意を払います。 しかし、冬の寒さによる害(凍霜害:とうそうがい)によって根の部分が褐色になり、商品化率の低くなることが大きな問題となっています。
 そこで、大和野菜研究センターでは、凍霜害を軽減するための技術開発に取り組んでいます。それによって、商品化率を向上させ、生産者の皆さんの経営改善につなげたいと考えています。

 

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              祝だいこんの収穫風景

 

【豆知識】

お正月に雑煮を食べる人が最近減ってきていると聞いていますが、皆さんはお正月に雑煮を食べられますか。
 大和(奈良県)に伝わる雑煮は白味噌や自家製の味噌で味付けされ、雑煮に入ったお餅をきな粉につけて食べるのが特徴です。次に祝だいこんを使った雑煮の作り方を記載しますので、参考にしてください。
 (材料:4人分)白味噌:80g、だし汁:5カップ、丸餅:1~2個/人、祝だいこん:1月2日本、金時人参:1月2日本、里芋:4個、豆腐:半丁、砂糖入りきな粉:適量
  (1)祝だいこん、人参を5mmの厚さに切り、里芋は皮をむく。(2)だし汁を鍋に入れ、野菜を入れて煮る。野菜が柔らかくなったら豆腐を加え、一煮立ちさせる。(3)次に白味噌を煮汁で溶き入れ、一煮立ちさせる。(4)丸餅を焼く。(5)お椀に具と汁、丸餅を入れる。丸餅を取り出して、きな粉をつけて食べます。



奈良新聞で第2日曜日に連載中の「農を楽しむ」に掲載されたものです。
(平成20年まで「みどりのミニ百科」)
※過去に掲載されたトピックスは時間が経過し、現下と異なる点もございますのでご了承下さい。