第335回定例県議会の知事提出議案説明要旨を掲載しました。

 第335回定例県議会(平成31年2月19日)
 知事提出議案説明要旨

 本日、平成31年度当初予算案をはじめ、平成30年度補正予算案など多数の議案を提出して、県議会のご審議をお願いするに当たり、議員各位をはじめ、県民の皆様のご理解とご協力を賜りたく、新年度の重点施策を中心に所信を申し上げます。

 私は、知事就任以来、「地域の自立を図り、くらしやすい奈良を創る」ことを県政の目指すべき姿とし、知恵と工夫を凝らして、直面する県政諸課題に全力で取り組んでまいりました。

 幸いなことに、がん死亡率の減少や就業地別有効求人倍率の上昇など、取組の成果が数字となって現れてまいりました。また、奈良県総合医療センターの移転開院や平城宮跡歴史公園「朱雀門ひろば」の開園など、成果が形でも見えるようになりました。これからも、現在進行中のプロジェクトが次々と姿を現し、奈良県はますます良くなっていくと思います。県議会、県民の皆様のご理解、ご協力、並びに職員の奮闘努力のおかげだと心から感謝しております。

 しかしながら、奈良県をもっと良くするためには、まだまだ力を入れなければならない課題も数多くあります。

 このため、引き続き、地域経済を元気にするプロジェクトや、地域医療・介護・福祉の充実、観光振興、農林業の振興、南部地域・東部地域の振興、インフラ整備などを推進し、各分野の課題が解決できるよう、積極果敢に取り組んでまいります。

 また、活用可能な財源を最も効果的・効率的な形で必要な施策に充当するとの観点から、県債残高を減らすための取組を継続し、将来の公債費負担を軽減するなど、財政の健全性の維持にも努めます。

 このような考え方で新年度の予算編成を行ったところですが、4月に実施される知事選挙及び県議会議員選挙を念頭に置き、いわゆる骨格予算といたしました。

 したがって、当初予算案には、行政サービスが遅延・停滞することがないよう、義務的な経費や、執行計画上年度当初からの取組が必要な事業などを計上し、その他の経費については、選挙後の判断に委ねることとしました。

 その結果、一般会計の総額は5,016億9,800万円、前年度に比べて1.0%の減となりました。この主たる要因は、公債費や社会保障関係経費等の義務的な経費が増加するものの、公共事業の新規箇所等については、選挙後の補正予算による対応を想定したことなどにより投資的経費が減少したためであります。

 この新年度予算案と併せて、財源として有利な国の補正予算を積極的に活用し、道路や河川の防災・減災対策などを進めるため、一般会計で30年度補正予算案129億4,100万円余を編成いたしました。

 以下、予算案の主な取組につきまして、施策の項目ごとに簡潔に説明いたします。

 まず、1点目は、「健康寿命日本一を目指した、高齢者や障害者を含む誰もが健やかに暮らせる地域づくり」です。

 健康寿命日本一を達成するため、生活習慣病をはじめとする疾病の予防や早期発見、重症化の予防を目的として、食生活の改善や運動の習慣化のほか、がん検診や特定健診の受診促進などの取組を、市町村、国保事務支援センター、保険者等と連携・協働し、広く県内に普及・定着させてまいります。

 また、だれもが、いつでも、どこでも、スポーツに親しめる環境づくりのため、総合型地域スポーツクラブの活動支援などを通じて、地域でのスポーツの活性化を図るとともに、豊かな自然や歴史的景観などの地域資源を活かしたスポーツイベントの開催や、東京オリンピック・パラリンピックの事前キャンプ地の招致などに取り組みます。

 次に、県民が健やかに安心して暮らせるよう、高度急性期から慢性期、在宅医療・介護までの一連のサービスを適切に受けられる、効率的で質の高い医療・介護の提供体制を構築するとともに、幅広い関係者と連携して、医療費及び介護給付の適正化への取組を進めてまいります。

 このほか、障害のある人への就労支援や社会参加の一層の促進を図るとともに、市町村や関係団体とともに、「福祉の奈良モデル」の取組を進め、困っている人をもれなく支える「地域共生社会」の実現を目指します。

 2点目は、「県民が安全で安心して快適に暮らし続けられる奈良県づくり」です。

 女性の活躍を促進するため、就労継続や再就職をはじめ、キャリアアップや起業など、多様な働き方への支援を県内企業と連携して進めてまいります。

 また、子育て支援を充実させるため、市町村等と連携し、保育所等の整備や保育士の確保・定着など保育の受け皿の拡大を図るとともに、未就学児の医療費助成について、本年8月から、窓口での定額負担金の支払いのみで受診できる現物給付方式を導入することといたしました。

 このほか、児童虐待の未然防止や早期発見・早期対応、こども食堂の拡充や朝ごはんの提供などによるこどもの居場所づくり、DV等暴力被害者への支援の充実などに取り組んでまいります。

 地域防災力・消防救急体制の充実と犯罪抑止及び交通事故防止対策としては、平成30年7月豪雨災害等を教訓に、県民の命を守るための「緊急防災大綱」を取りまとめ、「県地域防災計画」への反映や、住民の避難行動につながる実践に即した訓練などを実施します。

 また、「自助」「共助」の意識の醸成や、自主防災組織の結成と活性化、消防団員の加入促進を図るとともに、国と連携した直轄遊水地などの治水対策を推進します。

 さらに、「安全・安心の確保のための奈良県基本計画」に基づき、包括的・横断的な犯罪抑止や交通事故防止対策を推進します。

 このほか、愛着と誇りの持てる「きれいな奈良県」の実現のため、なら四季彩の庭づくりの推進や、奈良らしい沿道景観の形成、大和川の清流復活などに取り組むとともに、今年度策定する「第3次奈良県エネルギービジョン」に基づき、環境にやさしいエネルギーの利活用や緊急時のエネルギー対策を推進します。

 3点目は、「奈良県経済の好循環を促進し、働きやすく、良く学べる地域社会をつくること」です。

 まず、企業誘致を更に促進するため、京奈和自動車道、西名阪自動車道など幹線道路周辺における産業用地を確保する取組を進めます。

 また、県産品のブランド力向上と販売促進、意欲ある起業家の支援などに取り組むとともに、県内企業の域外交易力を強化するため、新たなバイヤーの発掘や商談サポートなど首都圏での販路拡大を一層推進します。

 さらに、日本貿易振興機構(ジェトロ)奈良貿易情報センターと連携し、海外への販路拡大や奈良県への投資促進に取り組みます。

 次に、就業に関しては、若者や女性、障害者、高齢者などの就労促進や職業訓練の充実による人材養成に努めるとともに、効果的なマッチングを通じて就業率の向上と県内企業における人手不足の解消に取り組みます。

 また、県内における働き方改革の取組を積極的に支援してまいります。

 すべての人が生涯良く学び続けられる地域社会づくりについては、「奈良県教育振興大綱」に基づき、総合教育会議や奈良県教育サミットを推進力として、職業観を養う実学教育や、いじめ・不登校対策など、本県の実情に即した教育を進めてまいります。

 また、「県立高等学校適正化実施計画」に基づく取組を推進するとともに、県立高等学校の耐震化や空調設備の整備、公立小中学校の空調設備を設置する市町村への緊急的な財政支援など、安全・安心な教育環境の整備を進めてまいります。

 4点目は、「農・畜産・水産業の振興と農村活性化、及び林業・木材産業の振興と新たな森林環境管理体制の構築」です。

 農・畜産・水産業の振興と農村の活性化として、奈良の美味しい「食」を提供するため首都圏及び海外等への販路拡大や、意欲ある担い手への農地集積、耕作放棄地の解消による農地の有効活用、生産性の高い農業の育成などに取り組みます。

 また、多様な担い手が農業参入できるよう支援を進めてまいります。

 林業・木材産業の振興と新たな森林環境管理体制の構築については、A・B・C材全てを搬出し多用途に利用するため、施業の集約化や、作業道の整備、機械化と併せ、販路拡大などに取り組みます。

 また、森林が本来有する機能である「生産・防災・生物多様性・レクリエーション」を一元的に管理する「奈良らしい新たな森林環境管理体制」の導入を進めるとともに、新年度より「森林経営管理法」が施行され、「森林環境譲与税」が県にも譲与されることから、これを活用し市町村を支援してまいります。

 5点目は、「奈良が有する観光資源や歴史・文化資源を活用した県内への誘客の促進、観光産業の振興」です。 

 インバウンド誘客を一層促進するとともに、本年10月に予定されている消費税率引き上げに関し、他の地域の消費を減少させることなく、奈良が有する資源を活かしながら地域活力の低下を最大限防ぐため、外国人観光客に対する宿泊キャンペーンを実施いたします。

 また、急増しているインバウンド観光需要に対応するため、上質なホテルや民泊サービスなど、宿泊施設の質と量の充実を引き続き図るとともに、Wi-Fi環境、キャッシュレス環境、観光地への移動円滑化など、受け入れ環境の整備を加速させてまいります。

 さらに、2020年の東京オリンピック・パラリンピックや、2025年の大阪・関西万博の開催を見据え、奈良の奥深い魅力を海外へ発信するとともに、首都圏を中心とした国内プロモーションにも取り組みます。

 このほか、JWマリオットホテル奈良に隣接するコンベンション施設の整備や、本年4月にオープンする奈良公園バスターミナルの運営、吉城園周辺地区や高畑町裁判所跡地における歴史的資源を活かした空間の整備、平城宮跡歴史公園朱雀大路東側地区と南側地区の整備検討など、平城宮跡から奈良公園に至る大宮通りプロジェクトを推進いたします。

  次に、質の高いイベントの実施と県の文化力向上を図るため、奈良県大芸術祭と奈良県障害者大芸術祭を一体開催するとともに、「ムジークフェストなら2019」など上質な文化芸術に触れる機会を充実いたします。

 また、イギリス大英博物館での奈良の仏像展示や東京国立博物館での特別展「出雲と大和」を開催し、奈良県の存在感を国内外に発信します。

 さらに、歴史文化資源を活用した文化芸術振興の拠点として、なら歴史芸術文化村の整備を推進いたします。

 なお、文化財の保存と活用の施策を一体的に推進するため、「文化財保存課」と「文化財保存事務所」を教育委員会事務局から地域振興部に移管することといたしました。

 6点目は、「県土マネジメントの推進と、住みよいまちづくり」です。

 「奈良県道路整備基本計画」に基づく県経済の進展に寄与する骨格幹線道路ネットワークの形成や、道路・河川の防災・減災対策、老朽化対策など、効率的・効果的な基盤整備と県土マネジメントの推進に引き続き取り組みます。また、地域性を活かした、賑わいのある、くらしやすいまちづくりを進めるため、「奈良県公共交通基本計画」に基づき、移動ニーズに対応する交通サービスの実現などに取り組んでまいります。

 7点目は、「南部地域・東部地域を、頻繁に訪れてもらえる、住み続けられる地域にすること」です。

  奥大和の特色を活かしたイベントやプロモーションの展開により、奥大和地域に特別な想いと繋がりを持っていただける人々を増やすとともに、奥大和地域の魅力ある仕事づくりと雇用の創出を図るため、地域で製作された木製品等の販売や、起業人材の育成などに取り組みます。

 8点目は、「県と市町村の連携・協働による『奈良モデル』の推進」です。

  連携協定に基づき、市町村との協働によるまちづくりを推進するとともに、ごみ処理広域化や県域水道一体化などの「奈良モデル」により市町村を支援し、行政効率化を図ってまいります。

 新年度予算案等における主な取組の概要は以上でございますが、予算案提出と併せて、予算外議案として20の議案を提出しました。これらは主として、今申し上げた予算案に関連して、当面必要とする条例の制定及び改正案等であり、個々の説明は省略させていただきます。

 このほか、予算案の詳細につきましては、関係部局からの説明と予算概要など別途関係資料によりご承知いただきたいと存じます。

 平成の時代が終わりを告げ、5月には新しい元号が始まります。この30年間で、国と地方の関係は大きく変わり、地方分権の時代に入りました。奈良県には、まだまだ発展する力が秘められています。奈良県をもっと良くするため、県庁自らが、考え、実行することを基本に、これからも努力してまいりたいと思っています。

 本日、提出いたしました各議案につきまして、議員各位のご賢察とご理解を賜り、慎重にご審議のうえ、ご議決いただきますようよろしくお願いいたします。

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