奈良新聞掲載記事集

令和6年度 奈良新聞掲載「農を楽しむ」

令和5年度 奈良新聞掲載「農を楽しむ」

令和4年度 奈良新聞掲載「農を楽しむ」

令和3年度 奈良新聞掲載「農を楽しむ」

令和2年度 奈良新聞掲載「農を楽しむ」

種から花を育てる

 新型コロナウイルス感染症が流行してから私たちの生活は大きく変化し、家で過ごす時間が増えました。その中で、自宅の庭やプランター等で花を育てる人が増えています。花を育てる場合、園芸店やホームセンターで苗を購入し、庭やプランター等へ植え替える方法が手軽で一般的ですが、種から育てることは花をより楽しむ方法の一つです。少々面倒で難しいと感じるかもしれませんが、基本的なポイントを押さえれば誰にでも簡単にできます。
最初のポイントは、種播きの時期です。一般的に寒さに弱いものは春、強いものは秋に播きますが、種袋に記載されている播種適期や発芽適温などの情報を参考にして時期や適温域を大きく外れないようにすることが大切です。特に秋播きでは、播く時期が遅れないよう注意します。
次に、種の播き方についてです。主な播き方として、「直播き」と「箱播き」があります。直播きは花壇やプランター等観賞したい場所に直接播く方法で、比較的大きめの種や、マメ科など移植を嫌う種類に向いています。小さい種を播くときは、育苗箱や平鉢等に播く箱播きが適しています。市販の種まき用土を使用し、種を播いたら薄く土を被せ、容器の下に受け皿を置いて水を張り底面から吸水させます。
最後に種播き後の管理方法です。発芽までは用土の表面がほんの少し湿る程度の状態を維持し、種を乾燥させないようにします。湿らせた新聞紙などを被せておく方法もあります。発芽後は日光に当て、混み合っているところは間引きをします(直播きも同様)。本葉が数枚出たものは、根が傷まないように注意しながら2~3号ポット等にひとつずつ移植し、しっかりとした苗に育てます。
ガーデニングには、日光浴や、体を動かすことなどによるリフレッシュ効果が期待できます。これから春に向けて、まずは、種が大きく播きやすいマリーゴールドから挑戦してみてはいかかでしょうか。

マリーゴールドの発芽の様子

【豆知識】市販の種袋には、播種適期や発芽適温のほかにも発芽率や有効期限といった事項が表示されています。発芽率は、種の何%が正常に発芽するかを示したもので、種を播く量を考える時の参考になります。また、有効期限は記載された発芽率が保証される期間を表したものです。発芽率は有効期限を過ぎると低下しますが、低下程度は保管方法によって大きく変わります。例えば、高温多湿の条件で保管すると著しく低下します。種の保管に適した条件は、低温(5℃以下)、低湿度(30%程度)です。一般家庭では、種を茶封筒などの紙袋に入れ、さらにチャック付きポリ袋等に入れて冷蔵庫で保管することで、有効期限が多少過ぎても発芽率を幾らかは高く保つことができます。袋に記載されている様々な情報を参考にして種を選んでください。

平成31年度 奈良新聞掲載「農を楽しむ」

平成30年度 奈良新聞掲載「農を楽しむ」



奈良新聞で第2日曜日に連載中の「農を楽しむ」に掲載されたものです。
(平成20年まで「みどりのミニ百科」)
※過去に掲載されたトピックスは時間が経過し、現下と異なる点もございますのでご了承下さい。