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奈良印良品

シートベルト用部品をメインに作られていますが、どのような製品ですか?
シートベルトの収納部分の中にあるギア(歯車)です。衝突時に作動してベルトを巻き取り、体をギュッと締めて前に行くことを防ぐ重要な部分です(下写真の赤丸)。他にエアバッグ用の部品も作っていて、どちらも冷間鍛造技術を駆使しています。

冷間鍛造(れいかんたんぞう)技術とは?
日本刀を鍛えるのとは違い、材料となる鉄に熱を加えずに常温で、大きな圧力をかけて鍛える加工法です。下図のように金型に鉄をセットして(@)、上から圧力をかけて、金型の中で鉄を引き伸ばしながら成形します(A・B)。その後、底の打ち抜き工程を経てリング状の製品ができあがります。金型設計・製作から鍛造・機械加工までの一貫した取組で、低コスト・高品質・大量生産を可能にしました。

世界的な不景気にも関わらず、増収増益されていますね。成功の秘訣はなんでしょうか?
若手を育成することですね。うちは人が資本なんです。今は、世界中で一番安くて一番いいものしか使ってもらえませんから、開発には時間もお金もものすごくかけていますよ(笑)。
開発していると誰でも壁にあたって行き詰まる。そこから飛び出せる人が伸びていきます。人まねではだめ。自分で考えないと新しいモノは生まれない。そんな環境作りを徹底してやっていますね。

今後の目標を教えてください。
現在、輸出は北米が中心ですが、今後の需要・発展が期待される中国やインドへの市場拡大を考え、海外戦略室を設置しました。材料や金型が破損しやすいなど、冷間鍛造は難しい技術ですが、高度な技術は日本の役割です。

若者へのメッセージをお願いします。
うちはチャンスも評価も公正です。派遣社員から会社の心臓部である鍛造部のリーダーになった人もいます。「本人のやる気」が一番大切。就職活動の時は、県外や大手企業に目が行きがちですが、県内にもがんばる企業があることを知ってほしい。若い人に技術を引き継ぐことが使命だと思っています。

▲冷間鍛造プレス300トンと飯塚靖取締役、
 飯塚博代表取締役、飯塚智取締役(左から)

 


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