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奈良印良品
メリヤス針で世界の衣料を支える

日本一のシェア(80%)を誇るメリヤス針とは、どのようなものですか。
セーターやカットソー、下着、靴下などのニット製品を機械で編むための針です。長さは5〜15cmくらいです。
厚さ0.4mmの鋼を型で打ち抜き、ラッチ(糸をかける部品)用の溝を削ります。この溝にラッチをはめ、左右から圧力をかけて固定します(左図参照)。高熱を加え急冷する過程を経て、硬くしなやかな針に整えたら、表面を磨き、ひずみを修正して仕上げます。

多くの工程があるのですね。
70工程を約50人で、4班に分けて行っています。針は、全て目で見て検品しています。編む時に糸がひっかからないよう、小さなキズやひずみも見逃せません。お客様に安心して商品を使ってもらうには、細部まできちんと作って、信頼性を高めることが大切ですね。

近年減少しているメリヤス針会社。生き残りの秘訣は?
大企業に対抗して「種類を少なく、大量生産」するのではなく、「お客様本位」に、「少量多品種」の商品開発をしてきたことでしょうか。
また、「他社と同じ設備では他社と同じものしか作れない」と気づき、針を作る機械も自社で工夫してきました。

海外のメーカーとも取引されていますね。
製品の7割は、海外へ出荷しています。インターネットを見て、中国やトルコ、北アフリカなどのニットメーカーから注文がくるんですよ。実は、海外で当社のニセブランドが出ています。複雑な気持ちですが、「シバタの針」が信頼のブランドとして世界で認知されているというのは、やはり嬉しいですね。

若者へのメッセージをお願いします。
「なぜ働くのか」ということを突きつめて、仕事をしてほしいですね。当社では、衣食住の"衣"を支えているという自負があります。これは、お金にはかえられない価値です。自分の仕事の中に、そういったエッセンスを見つけ出したら、仕事にやりがいが出てくるのではないでしょうか。

ラッチ部分の加工 社長常務
フォト

シバタ製針株式会社


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