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奈良印良品
オリジナル商品へのこだわり 「創造と開発」のオニが率いる産業機器メーカーに迫る

奈良県ビジネス大賞最優秀賞受賞おめでとうございます。マルチワイヤーソー(MWS)とはどのような機械ですか。
サファイヤ(LEDの素材)やシリコンカーバイト(パワー半導体の素材)などを切る機械です。薄く切った素材は、LED照明やハイブリッド自動車、携帯電話など、皆さんに身近な製品に使われます。
奈良県ビジネス大賞:新規性や地域への貢献などで優れた取り組みを行っている企業を表彰。平成19年度から実施。

受賞製品の特徴は何ですか。
ダイヤワイヤーを使っているので、硬いものを速く切ることができます。また、上から下に垂直に切るのではなく、ノコギリの原理を利用して、ワイヤーを往復走行させながら切る(左上図参照)ため、高精度での大量加工を実現しました。機械の大型化にも成功し、世界的な信頼を得ています。
ダイヤワイヤー:0.125mmのピアノ線にダイヤモンドの粒子を付着させたワイヤーで、硬度が高いものも切れる。

顧客のニーズや、時代の要請に臨機応変に対応されているようですね。
世界不況による景気悪化で受注が減少し、危機感をもちました。しかし、こういう時こそ面白いことができるのではないかと、不況をチャンスとも捉えています。リーマンショック後、時代の先を行く製品開発が求められていると感じます。

ノコギリをヒントにするなどのアイディアは、どのようにして生まれるのですか?
「こういうものを作りたい」といつも思っていたら、夢に出てくることがあるんです。アイディアがひらめいたら、現場にもちかけて技術者と相談します。
やはり、モノづくりはアイディア勝負。「普通では考えないことを考えて、他社が真似できないモノを作れ!」と、社員にはハッパをかけています。

開発への強い思いをお持ちですね。
技術者にアイディアを提案すると、「会長、そんなんできません」とつっぱねられることもあります。そんな時は「できやんと思うもんこそ、作らなあかん」と檄(げき)を飛ばしています。すぐに「できない」と決めてしまわず、怖がらずに挑戦してほしい。失敗しても、そこから何かを学べばいいと思うんです。

スライス加工機とプロジェクトチームのみなさん
マルチワイヤーソーの仕組

株式会社タカトリ


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