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中国・韓国とのゆかり探訪
中国・韓国とのゆかり探訪 1300年前に海を渡ってきた文化は奈良から日本各地へと広まった 中国・韓国とのゆかり探訪
東大寺南大門の石造獅子像
−中国・寧波(にんぽう)産出の石で、南宋の石匠(せきしょう)が制作
 東大寺は、奈良時代に建てられた大寺院で、大仏殿(金堂)を中心に、南大門、法華堂などの多くの建物が並び立っています。本尊の盧遮那仏坐像(るしゃなぶつざぞう)(大仏)は、推定重量380t、高さ15mという世界最大の金銅仏で、大仏を安置する大仏殿も高さ48mの世界最大級の木造建築物です。この大仏鋳造の総指揮を執ったのは、百済(くだら)からの渡来人の孫・国中連公麻呂(くになかのむらじきみまろ)で、大仏殿の建立には新羅(しらぎ)出身の大工が総監督を務めるなど、大仏殿の建立や大仏の造立には多くの中国や韓国からの渡来人やその子孫が貢献しています。
 また鎌倉時代に行われた南大門などの再建では南宋から多くの技術が持ち込まれました。南大門は、僧・重源(ちょうげん)が南宋に渡って学んだ技術と、創建時の位置や規模を踏襲して再建されました。南大門に安置されている運慶、快慶が制作した仏様の守護神・金剛力士像が有名ですが、その北側に大きな石造の獅子が安置されているのはあまり知られていません。獅子像は東西一対で、座高は東方像1.8m、西方像1.6m、高さ1.4mの台座に置かれています。寺伝によると、この石造獅子は、南宋から訪れた4人の石匠によって1196年に制作されました。しかも最近の研究で、材料となった石も中国の寧波から運ばれてきたものであることがわかっています。
 当時の日本と南宋の間には政府間の使節の交換はありませんでしたが、僧侶や商人といった民間人の交流が盛んで、そのゆかりが今も奈良に残っています。
石造獅子像が鎮座する東大寺・南大門 石造獅子像が鎮座する東大寺・南大門
石造獅子像(東方) 石造獅子像(東方)
写真:中日石造物研究会
中国・韓国とのゆかり探訪 【東大寺】近鉄奈良駅から東へ約1,400m。近鉄・JR奈良駅から市内循環バス「大仏殿春日大社前」下車 北へ約250m。
問 県国際観光課
tel 0742・27・8553
fax 0742・23・0620



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