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ふるさと奈良への便り
 
   私が生まれ育ったのは、桜の名所吉野山に近い下市町です。
 夏には裏山でセミを捕ったり、川で雑魚(ざこ)すくいに夢中になり、日が暮れるまで外で遊んだものです。
 四歳の頃に、祖父に手作りの将棋盤で将棋を教えてもらい、小学生の頃には、近所の大人たちに交じって縁台将棋を指すのが何より楽しかった。
 そして運命の出会い…
 当時、名人・王将・九段のタイトルを独占していた升田幸三(ますだこうぞう)名人(実力制第四代名人)が、隣町へ避暑に来られた時のことです。近所の旅館のご主人が「大人たちと将棋を指す子がいる」と引き合わせてくれました。
 雲の上の大棋士に将棋を指してもらい、「プロを志すなら東京へ来ないか」という思いがけない言葉を頂きました。楽しい将棋が思いきり指せるならと上京、小学四年生の新学期から東京での内弟子生活がスタートしましたが、東京と奈良との言葉の違いに悩み、一学期だけで内弟子生活は終わりました。それでも将棋を指したい一心で、大阪の将棋連盟で塾生として修行を積み、十八歳でプロ棋士になることができました。
 私を育ててくれた豊かな自然や、人々、棋士になるきっかけを与えてくれたふるさとに感謝しています。
 
 

 

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