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万葉集を訪ねて

 大和三山といえば、香具山(東)、畝傍山(西)、耳成山(北)だが、平城京にも三山がある。通説では、春日山(東)、生駒山(西)、奈良山(北)である。これらの三山は、都を守る山であった。したがって、春日山は平城京東方を守る山ということができる。
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その春日山の前にある、あの左右対称のおにぎりのようなかたちの山がミカサヤマである。まさに、笠(カサ)型の山である。ただし、後世「若草山」の呼び方の一つとして「三笠山」の称を用いたため、現在では一般的に「御蓋山(みかさやま)」との書き分けが行われている。口頭で言った場合、この混乱を避けるために、春日山の前のミカサヤマを「御蓋(おんふた)山」とわざわざ呼んで、間違いのないようにする研究者も多い。「御蓋山」は春日の地にあるので、『万葉集』では、「春日なる御蓋山」と歌われている。これは、春日にある…御蓋山という意味である。
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 ①②⑤⑥は月の出を歌う歌であり、御蓋山は平城京に住む人びとにとって、月の出の山だったということができよう。そう考えると、⑦の有名な阿倍仲麻呂の歌も、遠く唐の明州の地にあって、故郷・平城京の御蓋山の月の出を思い出して歌った歌ということになろう。はて、今日の御蓋山の月は、どんな月だろうか。
万葉集の舞台へ
sp御蓋山
春日山の支峰。春日山の手前の笠型の山が御蓋山。左は一般開放している県庁舎屋上(※)からの風景で、若草山、御蓋山、春日山、高円山が一望できる。
※6月は平日8時30分〜17時30分まで開放しています。
御蓋山
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御蓋山
(行き方)
麓には世界遺産に登録されている春日大社がある。春日大社までは、JR・近鉄奈良駅から奈良交通市内循環バスで「春日大社表参道」下車、徒歩約750m。

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