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7月18日から8月6日までの20日間、日本・中国・韓国の地方政府職員と大学院生など38人を対象に、短期集中合宿型セミナー「東アジア・サマースクール」(『NARASIA(ナラジア)未来塾』)を開催しました。期間中、若い世代の人材育成のための講義や、日中韓の親睦を深めるための交流プログラムなどが行われました。これらを通じて、日中韓の交流を深めるとともに、将来を担う若い世代が今後の東アジア諸国のあり方について考えました。 |
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東アジア諸国間の交流の活発化と、若い世代の人材育成を目指した、今回の「NARASIA未来塾」。ホテル日航奈良で行われた開校式では、荒井正吾奈良県知事が「昔、遣唐使や留学生はここ奈良から出て、たくさんの知識や技術を大陸から学びました。その歴史に感謝し、これからの東アジアの発展のために何かお役に立てればと思い、このスクールを開催しました」と挨拶しました。
続いて行われた基調講演では、李 御寧(イ オリョン)さんが「アジアの共有文化とその力」というテーマで、「今後アジア諸国が発展していくためには、それぞれの国の枠にとらわれず、数千年もの間共有している、生活そのものに残っている文化を探り出す必要がある」と語られ、その一例として、西洋の鞄(かばん)とは違い、丸いものも角ばったものも1つに包むことができる「風呂敷(ふろしき)」の文化を挙げられました。そして「今日から始まるこのスクールの中で、儒・佛・神三教を習合した共存の伝統を、21世紀の文明に生かし、感じ取っていって欲しい」と述べられました。 |
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受講者を激励する知事 |
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韓国初代文化大臣、奈良県立大学名誉学長、
梨花女子大学名誉教授の李御寧さん |
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その翌日から、主に奈良県立大学において、各分野に精通した知識人による講義が行われました。各講義後にはグループに分かれて対話を行い、受講者同士で議論を深めました。
また、現場を体感する視察研修や実地研修も織り交ぜられており、受講生は理解とともに親睦も深めていきました。 |
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地球の基本構造は陸域と海域より成り立つ。これまで、それぞれは独立した系として別々に扱われてきた。しかし、この2大生態系は密接に関連していることが科学的に解明され、この本来のつながりを再生することにより、地球環境問題の解決を目指すべきである。 |
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シルクロードは異文化交流の象徴として世界的に愛用されており、奈良はその終着駅と称されるようになった。しかし、奈良時代の遣唐使は書籍購入のために大量のシルクを携えて入唐していた。始発駅としての奈良。そんな知られざる一面がある。 |
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グローバル化とともに世界は大きな転換期を迎えている。その一つに、世界の中心軸が東アジアに移動しつつあるということが挙げられる。しかし、新たな時代状況にふさわしい韓中日三国間の在り方はまだ成立していない。「文化」の観点から東アジア世界を理解し直さなければならない。 |
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日本は、隋・唐の文明を受容して国の基礎を築き、西欧文明を受容して近代国家を形成した。異なるものを「併存」させ、「受容→調整・融合→独自化」のプロセスが日本の流儀。しかし今後は、グローバル化の中で、全く新しい「東アジアモデル」の確立が求められている。今回のセミナーのような、東アジアの若者による知的交流から、創造的な発想が出てくることを期待している。 |
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「歌は心の架け橋」をテーマに、まつぼっくり少年少女合唱団23人(主宰:荒井敦子(あつこ)さん)とともに、西大寺興正殿(こうしょうでん)において、日中韓それぞれの歌を合唱しました。受講生は、歌を通して互いの親睦や理解も深めました。
また、奈良市国際交流ボランティア協会(会長:筒井寛昭(かんしょう)さん、事務局長:佐野純子(すみこ)さん)の協力によって、折り紙体験や県内家庭へのホームビジットを行いました。受講生は、これらを通じて日本の文化についての理解も深めました。 |
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十津川村役場での村政の説明や意見交換、かんのがわHBP(エイチビーピー)の活動紹介や農家民宿への宿泊などを行いました。受講生は、これらを通して地域活性化の取り組みについて理解を深めるとともに、自然豊かな十津川の魅力を体感しました。 |
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最終日は、新公会堂において、本スクールを通しての成果について発表会が行われました。その中で、受講生の一人が「東アジアがともに発展していくために必要なのは、語学力ではなく、自国の文化・歴史に対する尊敬心と、他国の文化・歴史に対する尊重心と、他国の人々と何かを取り組んでいこうとする国際心であると、この未来塾を通して実感できました」と発表しました。
その後、閉校式が行われ、荒井知事が「今回初めての試みではありましたが、皆さんの勤勉な姿勢に感謝するとともに、無事修了できたことを喜ばしく思います」と挨拶しました。そして、荒井知事から受講生一人一人に修了証と記念品が手渡され、20日間にわたる「NARASIA未来塾」が閉校しました。 |
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修了証と記念品の授与式のようす |
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県東アジア連携課 |
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0742-27-5821 |
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0742-22-1260 |
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