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ふるさと奈良への便り
 
   役者になりたくて奈良から東京に向かった。東京に行かなきゃと思ったからだ。そして同郷の友人、松村武と劇団カムカムミニキーナを東京で旗揚げて二十年が過ぎた。芝居は自分の中にないものはできない。“ゼロ“に何をかけても“ゼロ“だからだ。
 この十年くらい毎年、やまと郡山城ホールで劇団の公演を行っている。僕らの芝居はやはり奈良の風土から生まれている部分が多いと感じたから。だから老若男女関係なく僕らの感覚を共有してもらってる喜びがあるのだ。
 今、僕は東京に家族がいる。幸せだ。もう東京での時間の方が長くなってしまった。でも、奈良から芝居を発信している気持ちがある。僕の根っこが奈良にあるから。
 もう日本も世界も小さくなってしまった今、自分の故郷(ふるさと)という認識が大切なんだろう。
 謙虚(けんきょ)に揺るぎなく、奈良はいつも僕を迎えてくれる。奈良には底力があるのだ。歴史を積み重ねてきた底力が。
 今年も奈良に行かなきゃと思う。
 
 

 

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