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奈良養生訓

 女性の体は、妊娠、出産という、身体的特徴があり、年齢とともに体の状態が変化し、女性ホルモン(エストロゲン)が大きく影響します。今回は、45〜55歳ぐらいの間に、卵巣の働きが低下し、エストロゲンが減少する「更年期」を取り上げます。
★女性のライフサイクルとエストロゲンの量の変化
更年期障害の出現率
  この期間に、更年期の症状が現れる人は7割程度、その中で3割の人が重い更年期障害で治療が必要になります。
エストロゲンの働き
★更年期にみられるおもな症状
主な対処方法
リラックス入浴法
   37〜39度のぬるま湯にゆっくりと。好きな香りの入浴剤を入れたり、お気に入りの音楽を流してみたりするのもお薦めです。
食事では特にビタミンEを摂取する
   ぜひ摂ってもらいたいのが、ビタミンE。ホルモン分泌のコントロールを手助けし、全身に血液を送り込むために大切なものです。うなぎ、かぼちゃ、ほうれん草などに多く含まれています。
健康診断は、必ず受けましょう
   エストロゲンの分泌がなくなると骨粗しょう症、高血圧、肥満などの病気にかかりやすくなります。
症状を我慢しないで、病院の婦人科の医師に相談しましょう
  (主な診察メニュー)
問診(簡略更年期指数検査という更年期症状のチェックを受けます)
内診(子宮内の診察)
血液検査(エストロゲンの減少をみます)
(50歳代 女性)
 私は、40代後半から、全身のだるさ、肩こりや不眠が続きました。何をしても症状がとれないので、これは、更年期の症状なのかな?と思い、女性専門外来を受診しました。そこで、簡略更年期指数検査を受けると70点もあり、治療が必要と言われ、漢方薬で治療がはじまり、症状が改善されました。きちんと原因を探り治療することが大切だと思います。更年期の症状は、他の人には理解しづらいです。私は、夫には、この症状を理解してもらいたいので病院受診の送迎をしてもらったり、症状を伝えたりしました。夫も少しずつですが理解してくれています。そのつらさを身近な家族が一緒に理解し、支えてくれることが一番の薬だと思います。
一言アドバイス

奈良県立医科大学臨床教授
女性専門外来担当(産婦人科医)の
島本郁子(いくこ)さんにお話を伺いました。
 更年期の症状は、1人1人違います。この症状が、更年期障害によるものなのか、それとも、それ以外の疾病によるものなのか、きちんと区別してから更年期の治療をはじめることをお薦めします。治療は、漢方治療、ホルモン補充療法、カウンセリングなどがあります。
 また、男性にも、女性と同じような更年期障害が60歳以降に見られることがあります。症状もほぼ女性と同じで、活動の低下、筋肉の老化、動脈硬化などがあります。男性は、内科、心療内科、泌尿器科等での受診をお薦めします。
 もし、悩まれていることがありましたら、ぜひ受診をお薦めします。
問 県健康づくり推進課
tel 0742-27-8682
fax 0742-22-5510



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