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台風12号災害からの復旧・復興に向けて

台風12号がもたらした甚大な被害

死者   11名

行方不明者   13名

住家全壊   53棟

住家半壊   35棟

床上浸水   43棟

床下浸水   27棟

避難者数(ピーク時の9月5日時点)   938名

(10月16日現在)
台風12号災害からの復旧・復興に向けて
迫地区
山腹崩壊の現場
迫地区
 
坪内地区
河道閉塞により川の水位が上昇し、浸水した家屋(奈良県警察「あすか」撮影)
坪内地区
 
長殿地区
土石流が建物などを押し流していった
長殿地区
 
折立地区
河川の増水により橋の一部が流され落橋した折立橋
折立地区
 
北股地区
河道閉塞(かどうへいそく)(土砂ダム)※と山腹崩壊の現場

河道閉塞(土砂ダム)とは、地震・豪雨などによる大規模な崖崩れなどが川の流れをせき止め、上流側に大量の水が溜まった状態。崩壊すると下流域に甚大な災害を引き起こす。
北股地区
 
辻堂地区
土石流が車や建物をのみ込んでいった
辻堂地区
 
赤谷地区
五條市大塔町赤谷地区で発生した河道閉塞(土砂ダム)の現場
赤谷地区
 9月初旬、紀伊半島を襲った台風12号。奈良県においても甚大な被害を被りました。ここに掲載されている被害は、そのごく一部に過ぎません。亡くなられた皆さまのご冥福を心よりお祈り申し上げますとともに、被災された皆さまに心よりお見舞い申し上げます。
 県では、被災された皆さまの一日も早い生活再建と復旧・復興に向けて、国や市町村、関係機関と力を合わせて、全力で取り組んでまいります。
奈良県知事

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県等の対応状況
災害対策本部会議での荒井知事
深刻な被害の発生
 台風12号により、13市町村で土砂崩れや土石流などの土砂災害が発生するなど、県内では南部や東部を中心に深刻な被害に見舞われました。また、水道や電気、電話などのライフラインが途絶し、十津川村などへ通じる国道168号も通行不能となる中、警察・消防・自衛隊・地域住民等による救出・救助活動が行われました。とりわけ、県南部の五條市大塔町、天川村、十津川村では、死者11人、行方不明者13人(10月16日現在)の人的被害が発生しました。
災害対策本部の設置
 県では、9月4日に「台風12号奈良県災害対策本部」を設置。同日、荒井知事が被害の大きかった五條市大塔町を視察しました。このほか、県防災ヘリコプターによる救出活動を開始しました。
奈良県災害対策本部会議
奈良県災害対策本部会議
 9月5日には「災害救助法」の適用が決定されました。また、救援物資の輸送を開始しました。翌6日には、前田国土交通大臣が来県し、五條市大塔町辻堂(つじどう)地区や十津川村、川上村迫(さこ)地区などの被災状況を視察しました。同日、県内7消防本部が五條市大塔町宇井(うい)地区で捜索活動を開始しました。
現地災害対策本部の設置
 9月8日には、荒井知事が十津川村を視察しました。また、奈良県医療救護班などを派遣し、避難住民への巡回診療、健康チェック、診療所での診療支援、被災地の医療状況の情報収集などを開始しました。
医療救護班の活動(十津川村内での往診)
医療救護班の活動(十津川村内での往診)
 翌9日には、「奈良県十津川村現地災害対策本部」を設置し、県職員21人を派遣。現地で村職員と連携し、避難所や応急仮設住宅に関する業務、救援物資の搬出・仕分け作業など、さまざまな業務を行いました。
十津川村現地災害対策本部へ向かう県職員
十津川村現地災害対策本部へ向かう県職員
 同日、野田総理大臣が来県し、県から復旧・復興対策の推進を強くお願いしました。
 土砂災害によって県内で16か所の河道閉塞(かどうへいそく)(土砂ダム)が発生し、特に赤谷(あかたに)(五條市大塔町)、北股(きたまた)(野迫川村)では二次災害の危険性が特に高いため、9月16日に五條市大塔町、野迫川村、十津川村の一部で、各市村長により警戒区域が設定されました。この他にも、二次災害の恐れが残る地域も多く、県内で375人の方が避難生活を余儀なくされています(10月16日現在)。
復旧・復興に向けて
 9月20日、激甚災害の指定(※)が閣議決定され、9月26日に政令が公布されました。
災害復旧に関する国庫補助率が1〜2割かさ上げされるなど、早期復旧のための優遇措置が受けられる。
落橋した折立橋の国による復旧工事(10月12日)
落橋した折立橋の国による復旧工事(10月12日)
 県では、台風12号災害からの復旧・復興のため、9月13日に約69億円の補正予算を知事専決処分し、さらに、10月3日に約73億円の補正予算を9月定例県議会に追加提出しました。
 合計約142億円の補正予算の主な内容は、仮設住宅200戸等の建設費に14億円、医療救護班・保健師等の派遣に1960万円、国道168号・169号の迂回路設置などに7億9000万円、道路・河川等の応急対策に約59億7000万円等です。
 災害により住宅を失った方々や、警戒区域など避難が必要な区域に住居がある方々のため、五條市、野迫川村、十津川村で応急仮設住宅の建設を進めています。また、土砂災害などにより通行のできなくなった国道168号をはじめとする道路の復旧にも、関係機関と連携のうえ、全力で取り組んでいます。
応急仮設住宅の建設(五條市岡口 旧県立五條高校跡地 10月13日)
応急仮設住宅の建設(五條市岡口 旧県立五條高校跡地 10月13日)
奈良県台風12号災害 復旧・復興推進本部の設置
 早期の災害復旧と「災害に強く、希望の持てる地域づくり」を進めるため、奈良県台風12号災害復旧・復興推進本部を設置しました。
 10月7日には、第1回本部会議を開催。10月13日には、県地域振興部南部振興課内に「復旧・復興推進室」を新設し、平成23年度中に「復旧・復興計画(仮称)」の策定を目指しています。また、五條、吉野、宇陀の各土木事務所に「復旧復興課」、南部と東部の農林振興事務所に「治山・林道復旧チーム」を設置しました。
応急仮設住宅の建設(五條市岡口 旧県立五條高校跡地 10月13日)
奈良県台風12号災害復旧・復興推進本部の設置
 
 
 

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私たちは今後どうしていくべきか
 
 奈良県は地震や台風など自然災害が少ない県と言われてきました。台風などによる大雨についてみると、1897年から1995年までの期間で、総降水量が1000mmを超えたのは5回で、これまでの最高雨量は、1961年の上北山村日出岳(ひでがたけ)での1241mmでした(奈良地方気象台発行「奈良県の気象百年」より)。
 しかし、今回の台風12号は、その約2倍の2436mmもの雨が上北山村小橡(ことち)で降りました。このような想定外の自然災害はいつ起きてもおかしくありません。皆さんもそのことを忘れずに、日ごろの備えをしてください。
奈良県災害対策本部会議

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