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とっておきの奈良
 近鉄奈良駅から北側に広がる、古くからの市街地が「きたまち」です。天平文化の気風を伝える「転害門(てがいもん)」や戦国時代の絢爛(けんらん)たる城の城郭を残す「多聞城跡(たもんじょうせき)(現・若草中学)」、明治期の西洋建築が美しい「奈良女子大学記念館」など。古代から中世、そして近代から今に至る時代の足跡が、そこかしこに見てとれます。明治の女学生“ハイカラさん”が飛び出してきそうな西洋建築の角を曲がれば、江戸時代の佇(たたず)まいをとどめる町家や武家屋敷が並び建ち、古代の遺跡も点在。見どころは尽きません。
 「歴史好きの方、レトロな西洋建築が好きな方、町家の風情が好きな方、興味が異なるご夫婦や友人同士でもそれぞれに満足していただける。ここは“歴史のモザイク”のように時代が織り重なる町です」と語るのは、「“奈良きたまち”のまちづくりを考える会」会長の八木冨造(とみぞう)さん。ざっと数えただけで50以上もあるという名所には、高台のビュースポットも。「散策の休憩がてら、見晴らしのきく名所から眼下に広がる古都の町並みを楽しみ、遥かな時に思いを馳せてみては」。
 名所が多いだけに近場でいくつかポイントを決めて、散歩がてらに出かけるもよし。じっくり巡れば一日あっても足りないくらい。時代をたどるように「きたまち」の歴史散歩が楽しめます。
「旧・奈良警察署 鍋屋連絡所」
きたまちの玄関口に位置する明治期とされる交番。昭和3年、奈良女子大前の現地に移転されたとされる。移転時の姿に復元し、来年3月には観光情報・地域交流の拠点として再び活用される予定。
「奈良女子大学」
正面の記念館(明治42年竣工)は優美なグリーンの西洋建築。江戸時代に大和を統治した奈良奉行所の跡地に建つ。
   
「法蓮格子の町家」
中世の農家建築様式「法蓮造り」による町家型農家。大和棟の屋根と太い丸太の「法蓮格子」が素朴な風情を残す。
   
「聖武天皇陵」
意外と知られていない、聖武天皇の御陵。隣には光明皇后陵も。武家屋敷の先に、興福寺や若草山も見渡せるビューポイントでもある。
   
「なべかつ」
(鍋屋連絡所の保存・活用と“奈良きたまち”のまちづくりを考える会)
「鍋屋連絡所」をきたまちの観光や地域交流のスポットとして復元しようと地元住民や奈良女子大教員の方々で結成。見学イベントを催したり、散策地図を作成したり、きたまちの魅力を発信する活動にも取り組んできました。いよいよ連絡所の改修工事が始まります。来年3月の竣工をお楽しみに!
(談:八木冨造会長)


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