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とっておきの奈良
 日本神話の舞台として古い歴史を持つ村落とされるのが吐田郷(現在の御所市名柄地区)です。「戒那千坊(かいなせんぼう)」と呼ばれ、千を超えるとされる寺社に守られた神々の里♀居驍フ、かつての中心地ともいえる場所であり、江戸時代には宿場町として栄えた地。少し歩けば遥かな歴史の足跡に次々と行き当たります。
 天武天皇が「流鏑馬(やぶさめ)」の原形にあたるとされる行事を行ったと『日本書紀』に記される長柄(ながら)神社の近くには、樹齢約800年のケヤキやクスノキがそびえ立つ江戸中期の「末吉(すえよし)家」があります。さらに歩を進めれば約400年前、江戸幕府創設の頃に建てられた国の重要文化財「中村家」も。名柄小学校の校庭からは古墳時代の豪族居館が出土し、名柄池跡からは、銅鐸(どうたく)・銅鏡(どうきょう)がセットで出土するという全国でも2つしかない出土の仕方をするなど、全国の考古学ファン注目の地でもあります。
 また、清流と砂質の土に育まれた「はんだ米」は、炊きたてのもっちり感はもとより、冷めても美味と人気。伝統の味が今も人々の暮らしを支え続けています。
 集落は葛城古道に面しており、名所も古道周辺に集まります。古道散策を楽しむ人の助けにと、地元住民による「吐田郷地区の文化を守る会」では、まちづくりマップを作成。事前に申し込めば会員がボランティアガイドとなって、吐田郷の豊かな歴史ロマンの世界へ皆さんを誘ってくれます。
「中村家住宅」
慶長年間に建立された名柄を代表する旧家。かつての代官屋敷で、入り口には江戸時代の手押し消火ポンプが、今も残っている。
「長柄神社」
由緒ある古社の本殿ひさしには、泥絵具で描かれた「八方睨(にら)みの龍」が。境内には樹齢数百年の巨木が立ち並び、そこに目をつむってたたずむだけで、心が洗われます。
   
「末吉家と巨木」
長柄神社そば、大庄屋だった末吉家住宅。母屋は江戸中期に建てられたもの。一帯には伝統的な町家建築が随所に残る。
   
「旧名柄郵便局」
レトロな外観が目を引く明治期の郵便局。今も内部には電話交換台が残る。葛城古道沿いに立つ休憩所として保存計画が進行中。
   
「吐田郷地区の文化を守る会」
歴史の勉強会を開いたり、地元小学校で講話をして子どもたちと「はんだ米」を育てたり。次世代に吐田郷の歴史を伝え、名を残したいと地区住民76名で活動しています。(談:木村教隆会長・写真左、澤 房之介副会長 元国務大臣堺屋太一さんの実家である本池口家前にて)
問 ボランティアガイド問い合わせ
御所市企画観光課
tel 0745-62-3001


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