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生まれ変わる南和の医療体制
〜よりよい医療を継続して提供できることを目指します〜
人口の減少やそれに伴う医師・看護師の減少による経営状況の悪化などが原因で再生が待ったなしの南和の医療体制。
今回の特集では、着々と進む南和地域の医療再生の主な取り組みについて紹介します。

 面積は県全体の6割強を占めるが、人口は6%弱の南和地域。
 南和公立3病院(県立五條病院、町立大淀病院、国保吉野病院)では、地域の人口減少により患者数が減少し、患者数の減少に伴う医師・看護師の減少によって、さらに患者数が減少するという悪循環が生じています。
 県民だより奈良では、これまで、南和公立3病院がいずれも急性期機能を担っていること、患者数の減少などにより経営状況がひっ迫していることや、それらの問題に取り組む「南和の医療等に関する協議会」の様子を取り上げてきました。

 県では、平成21年度に奈良県地域医療再生計画を作り、救急医療などを中心とした課題の解決に取り組んでいます。ただ、取り組みを進めていく上で、南和医療圏が上記の理由により、危機的状況にあることが改めて浮き彫りになりました。そこで、南和医療を再生することが、ひいては県全体の医療再生につながるものと考え、県は、昨年11月、新たに奈良県地域医療再生計画(平成23年度版)を作りました。

 この計画では、役割を分担して機能を再編するために、現在の3つの公立の救急病院を「南和地域公立病院新体制」として、1つの救急病院(急性期)と2つの地域医療センター(療養期)に役割分担します。
こちらに救急病院と地域医療センターの概要を表記しています)

南和地域公立病院新体制の基本理念は、
「南和の医療は南和で守る」

そのための方針を
①地域の市町村が、主体的に医療提供体制を支えていく。
②医療機関は、地域住民が必要な医療を適切に受けられる体制をつくる。
③地域住民は、医療を受ける側として地域の医療への理解を深め、協力する。

としています。
 この体制にして、病気になっても療養やリハビリまで切れ目のない医療を地域の皆さんが受けられることを目指します。

地域医療再生の取り組みのポイント
① 地域の救急を断りません
救急病院に医師・看護師を重点配置し、24時間365日、救急車を受け入れることができる体制をつくり、搬送受入を断らない救急医療を目指します。
② 災害時医療を充実・強化します
地震、洪水、その他各種事故などに対応できるよう、平常時から災害派遣医療チームを編成し、災害時に備えます。
ヘリポートを設置しヘリコプターによる患者搬送を可能にすることで、より迅速な災害対応により災害拠点病院としての機能を果たします。
③ 高齢者のニーズにあった必要な入院医療を充実します
患者さんが安心して療養のために入院できる体制を整備し、地域で急性期から療養期、そして在宅まで切れ目のない医療の提供を目指します。
④ へき地医療を支援します
医師・看護師の養成・派遣や巡回診療を行います。
公立へき地診療所と3病院を情報ネットワークで連携し、病院の予約、レントゲン結果の相互利用などを目指します。
ヘリポートを設置しヘリコプターによる患者搬送を可能にします。
⑤ 在宅医療を充実します
地域の医師会と連携し、訪問診療を支援する在宅医療支援センターを設置します。
入院患者さんの退院に向けて在宅医療や転院に関する相談に積極的に対応します。
⑥ 看護専門学校を設置します
県立五條病院でのノウハウ(技術や知識)を継承・発展させた看護専門学校を設置し、地域医療を支えるため必要な看護師を養成、確保します。
学校規模(定員40人×3学年)
⑦ 県立医科大学附属病院と連携します
救急病院では対応できない脳卒中・急性心筋梗塞の超急性期対応や三次救急対応、高度専門医療、分娩対応などについて連携することにより、切れ目のない医療を提供します。
新南和公立3病院の整備の概要
●救急病院(急性期)

救急病院イメージ図(大淀町福神地区に新設)
病気やケガで入院が必要な患者さんに、専門的な治療を行います。
病床規模は、需要面や供給面を勘案して、250床程度(一般病床)とします。
新南和公立3病院の整備の概要
●地域医療センター(療養期)

国保吉野病院を改修
 
県立五條病院を改修
症状の比較的安定した患者さんに、必要な入院医療を提供します。
病床規模は、2施設各90床程度(療養病床)で合計180床程度とします。
●地域ニーズの高い療養のための入院
●在宅への連携を見据えた高齢者医療
●地域の身近な外来機能 (内科・整形外科)
 眼科などは、今後検討
 なお、今後の業務を進めるにあたり、1月23日に国の設立許可を受け、同日に県、五條市および吉野郡各町村で組織する「南和広域医療組合」を設置しました。
 この組合は、県と南和地域の市町村が一体となって公立病院を効率的に経営することで、地域住民に最適な医療を継続的に提供でき、地域住民の健康な生活を将来にわたり確保することを目的としています。
南和広域医療組合 事務局
五條市本町3-1-13(内吉野保健所2階)
tel 0747-22-1283
fax 0747-22-1284
URL nanwairyou.jp/
※現在の南和公立3病院は、救急病院開院まで医療機能を継続していきます。

南和広域医療組合設立
問 県地域医療連携課
tel 0742-27-8935
fax 0742-22-2725

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