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中国・韓国とのゆかり探訪
中国・韓国とのゆかり探訪
七支刀は百済からの贈り物
 古代の豪族、物部氏(もののべし)の武器庫だったとされる石上神宮に伝えられてきた 「七支刀(ななつさやのたち/しちしとう)」 は、全長74.8cmの刀剣で、百済(ペクチェ※)で製造されたと考えられています。刀身の両側からは枝が3本ずつ互い違いに出ており、実用的な武器ではなく、祭祀(さいし)的なシンボルとして用いられたと考えられています。
 刀身の表と裏には、60余文字ある銘文(めいぶん)が金象嵌(きんぞうがん)で施されています。解釈には諸説あり、鉄剣のため腐食した部分があって読み取れない部分もありますが、「百済王が倭国(わこく)に献上した」あるいは「百済王が臣下たる倭国に渡した」と解釈されています。また、銘文の冒頭には「泰□四年」と象嵌されていることが確認でき、これを東晋の元号「太和四年」(「太」と同じ発音である「泰」の字を使用)のこととして、369年に鋳造されたと解釈するのが一般です。
 また、日本書紀には「百済と倭国の同盟を記念して倭国に「七枝刀」と「七子鏡」が献上された」との記述があります。これが372年にあたるため、「七支刀」と「七枝刀」は同一のものと考えられています。
 七支刀に象嵌された文字は、朝鮮半島と日本との関係を記載した現存最古の文字史料で、古代の両国の関係を知る上で貴重な史料で国宝に指定されています。
※固有名詞はその国の言葉でルビをふっています。日本語読みは「くだら」です。なお、読み方には諸説あります。
七支刀 七支刀
 
境内 境内
【石上神宮】
近鉄・JR天理駅から、奈良交通バス苣原(ちしゃはら)行き・六郷小学校前行き乗車「石上神宮前」下車。徒歩では天理駅から東へ約2km。
問 県国際観光課
tel 0742-27-8553
fax 0742-23-0620



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