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ふるさと奈良への便り
 
   石舞台古墳より多武峰(とうのみね)へと続く古道を三十分ほど登った高台に「赫窯(かくよう)」という陶房がぽつりと佇(たたず)んでいる。そこからの眺めは、眼下に広がる飛鳥の史跡群に留まらず、晴れた日の夕暮れには二上山(にじょうざん)越しに遥か彼方にある神戸の街の煌(きら)めきまでが遠望できる。この地こそが、私の故郷だ。ちょうど四十年前に明日香村で生まれてから大学卒業まで、私は田園風景と古代史跡群に囲まれながらまさにカントリーボーイとして自由奔放に育った。
 一方、社会人になってからは打って変わって、商社時代の北京駐在、アメリカへのビジネス留学、趣味の海外バックパッカー旅行などで世界五十都市以上を訪れ、ついにカントリーボーイ改めグローバルシチズンの仲間入りを果たしたかと自惚(うぬぼ)れていたが、不思議なもので世界中を旅すればするほど、逆に故郷である奈良や飛鳥への郷愁の想いが強くなってきた。
 今、私は通販ビジネスで日本一を目指して日々精進している。子供の頃に父親から「カントリーボーイであることに誇りを持て!」と言われて育ったが、今後は、奈良県民、明日香村民というアイデンティティに誇りをもって、世界での事業拡大に果敢にチャレンジしていきたい。また、同郷人として奈良県生まれの若い世代の人達によるグローバルな活躍にも大いに期待している。
 若者よ、カントリーボーイであれ!
 
 

 

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