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ふるさと奈良への便り
 
   奈良市の紀寺という場所で生まれ育ち、現在「ならまち」と呼ばれている場所が幼い頃からの生活圏であった。
 18歳の頃に映画を創り始め、地元奈良を見つめてみると、この場所にはとても深い歴史と文化があることに改めて感動した。都会に行かなくてもこの場所でオリジナルの映画を創り続けていれば必ず世界がこちらを向いてくれる。そう自分を信じ奮い立たせ現在までやってきた。
 正直最初は「奈良で映画なんか創られへん」と冷たい反応もあったが、地元を愛し協力してくれる方々の尽力を得て西吉野村(現五條市)で初監督をした作品「萌(もえ)の朱雀(すざく)」がカンヌで新人監督賞を受賞し、世界40か国以上で奈良の美しい山村の暮らしを紹介することができた。
 百聞は一見にしかずで、映像はとても影響力のあるメディアだ。世界最大のカンヌ国際映画祭では期間中五千を超える各国のメディアが集う。世界遺産にも登録されている春日山原始林を舞台に描いた「殯(もがり)の森」で、2007年カンヌのグランプリを受賞した際、これを機に奈良で国際映画祭を立ち上げた。「日本の原点でもある奈良」「真の国際文化観光都市としての奈良」、そんな奈良を誇りに想う次世代の育成も含めた文化祭典として、その役割の一端を担いたいと思った。
 「美しき日本―奈良県」は心の時代に必要な場所だ。固有の文化、歴史のある稀有(けう)な奈良を世界に紹介し続けたい。
 
 

 

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