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人権コーナータイトル
認知症を知る
 私が中学生だった頃、一緒に住んでいた祖母が認知症になった。もう30年も前の話で当時は「認知症」という呼び方も、病気としての認識もなかった。
 祖母はお財布をどこに置いたのかも忘れ、「お金を盗った、隠した」と家族を泥棒呼ばわりした。また排便を失敗しては部屋を汚したり、「もう家へ帰る」と言っては外に出ていったりもした(ここは自分の家なのに)。
 私はそんな祖母が大嫌いで、何かと叱りつけ、辛く当たるようになっていった。
 あれから30年、認知症の原因や診断・治療の研究が進み、社会的にも病気として広く認知され、誰もがなり得る病気だと言われている。
 祖母はきっといろんなことを忘れ、思い出せずにいて、とても不安で辛かったのだろうな。叱ってばかりいてごめんね。もう時間は戻らないけれど、今では「認知症」を正しく知ることはとても大事なことだと実感している。
 
認知症とは、脳に何らかの原因で記憶・判断力などの障害が起き、日常生活がうまく行えなくなる病的な状態をいう。

今月のポスター
今月のポスター
御所市立掖上小 3年
川口 凛翔(かわぐち りんと)さん
今月のポスター
三郷町立三郷中 2年
竹田 瞳花(たけだ とうか)さん

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