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災害への備えで家族を守る

もしも、いつも穏やかな近所の川があふれて、あなたの家に水が迫ってきたら…
子どもや孫たちの通学路が、ごっそりと崩れ落ちたら…
そんな、まさかの事態が起こった、紀伊半島大水害から1年が経ちました。いつ来るか分からない災害の時に、どう情報を集めるか。いつ避難するか。準備はできていますか?
9月1日は防災の日。この機会に、改めて日ごろの備えについて考えてみましょう。
大和川大水害から30年
 皆さんは県の北部・中部は、災害が少ない安全な地域だと思っていませんか。昭和57年、広い範囲で大和川の水があふれ、大きな被害が出ました。
 7月31日〜8月3日、台風10号と引き続く低気圧の影響で大雨が降り、田原本町で大和川の堤防が決壊し、付近の家や田畑に大量の水が流れ込みました。
 王寺町では、増水した水が支流の葛下(かつげ)川に逆流してあふれ、国鉄(現在のJR)王寺駅に停車中の列車は客室床上まで水に浸かりました。
 今年は、その大和川大水害から、ちょうど30年の節目の年です。洪水の危険性について、改めて家族や近所で話し合って、水害に対する備えを再確認する年にしましょう。
天理市庵治(おうじ)町
   

王寺駅前商店街(奈良新聞社 提供)
大和川大水害の被害
死者
行方不明者
床上・床下浸水
14名
2名
1万2,398戸
増水した川に近づくことは危険
 いわゆるゲリラ豪雨と呼ばれる局地的集中豪雨により、川が急に増水することがあります。増水した川に近づくことは大変危険です。早めの避難を心がけてください。
 次のように身近な方法で川の水位を調べることができます。
携帯電話で川の水位が分かる
 県では、「奈良県 川の防災情報」を発信しています。県内の雨量・川の水位や気象情報などを知ることができます。また、アラームメールの登録をすることで、川の水位が設定した値を超えた時や気象注意報・警報が発表された時に、メールが届くようにすることができます。使い方は下のとおり。ぜひアラームメールを活用してください。
テレビで川の水位が分かる
 NHK奈良放送局のデータ放送では、次の手順で操作すると、近くの川の最新の水位を見ることができます。
問 水害について 県河川課
tel 0742-27-7504
fax 0742-22-1399

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紀伊半島大水害から1年
 昨年8月30日から降り続いた台風12号の雨によって、紀伊半島大水害が発生しました。
 動きの遅い台風の影響で、上北山村では5日間で2436oという、過去に例がない大雨が降りました。紀伊半島全体で崩れた土砂の量は、東京ドーム約80杯分にも及び、未だ傷跡は深く残っています。
 この災害では、崩れた土砂が川をせき止めたり、川の流れを変えたりして、付近の住宅が流されるという被害も起こりました。
 県では、昨年12月から着手した大規模土砂災害の監視・警戒・避難のシステムづくりや、山が深い部分から崩れる深層崩壊の研究などを行う、深層崩壊対策室を4月に設置しました。
五條市 辻堂地区  
野迫川村 北股地区
紀伊半島大水害の被害
死者
行方不明者
全半壊家屋
14名
10名
118戸
土砂災害の危険箇所を知る
 県内には、土砂災害の危険がある箇所が、約8200箇所存在しています。
 県では、これらの箇所について土砂災害防止法に基づく基礎調査を行い、土砂災害警戒区域・特別警戒区域の指定を進めています。この区域指定は各市町村のハザードマップに反映され、近隣の方に、そこが土砂災害の危険性が高い箇所であることを認識していただくこと、市町村において警戒避難体制の整備を行うことなどを目的とするものです。
土砂災害警戒情報って知ってますか?
 土砂災害の危険が高まった時、奈良地方気象台と県は、土砂災害警戒情報を市町村単位で発表しています。テレビやラジオ、インターネット、防災行政無線などで情報を得るようにしてください。
 土砂災害には、災害の種類別に次のような前ぶれがあります。

天川村 坪内(つぼのうち)地区
前ぶれにも注意しましょう
 下記のような前ぶれに気がついたら、すみやかに、市町村役場等へ連絡してください。
問 土砂災害について
県砂防課・深層崩壊対策室
tel 0742-27-7513
fax 0742-27-3911

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災害に備えて
 紀伊半島大水害で、大きな被害があった十津川村の重里(しげさと)地区で、7月29日、防災訓練が行われました。
 訓練には、約70人が参加。避難所の開設、非常食の炊き出し、負傷者の救護などの実践訓練が行われました。
 指導をした防災士の山口正春(まさはる)さんは、「見せる訓練よりも、今回のような体験する訓練が効果的。地域にとっては、このような訓練の経験者を増やしていくことが大切であり、貴重な財産となる」と挨拶しました。

今回の訓練に参加した重里地区総代・自主防災会長の
榊本 正文(さかきもと まさふみ)さん
 昨年の災害時は、地区の全戸が避難しましたが、電気や道路が途切れ、避難先で持病の薬を確保できるかが不安でした。
 その体験を生かして、住民アンケートをとり、各自が必要な薬や介護などの情報を準備して災害に備えようとしています。地域の全員の命の確保を目標に活動していきます。

今回の訓練に参加した十津川村消防団第9分団長の
榊本参(さかきもと まみゆ)さん
 昨年の災害では、地区の上流にある池から水が溢れました。消防団で監視活動をしましたが、自然の力は大きく、濁流の動きの予測は大変難しいものでした。
 避難時に持出品を選んでいては逃げ遅れる危険があります。日頃から準備をして、自分の身は自分で守るという意識を持つことが大切です。
 もしもの災害から身を守るには、日頃の準備と早めの避難が重要です。自分と家族を守るため、避難場所や、情報を集める方法、持出品等を再確認しましょう。
問 防災全般について
県防災統括室
tel 0742-27-7006
fax 0742-23-9244

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