県民だより奈良トップページへ

市町村財政の健全化に向けて

 市町村では、家庭ゴミの収集、下水道の整備、福祉・教育といった日常の生活に密着した行政サービスを行っています。
市町村の財政状況は、この行政サービスに大きく影響するため、お住まいの市町村の財政状況がどうなっているかを知ることは、とても大切なことです。今回の特集では、県内市町村の財政状況と県や市の財政健全化に向けた取り組みを紹介します。
県内市町村の財政状況
◆ 徐々に改善
 市町村の財政状況が良いか、悪いかを判断するには、①「実質赤字比率」、②「実質公債費比率」、③「将来負担比率」、④「経常収支比率」の4つの指標がポイントになります。奈良県の市町村では、これらの指標は全国と比べて非常に悪かったのですが、近年、行財政運営の効率化の努力等により、徐々に改善してきています。
◆ 全国ワースト3脱出
 平成22年度決算においては、経常収支比率(本県市町村の加重平均)が92.2%となり、全国8位の改善率で、7年ぶりに全国ワースト3を脱出しました。また、平成23年度決算においても、特に実質赤字比率が改善し、県内の全ての市町村が黒字となる見込みです。
◆ 引き続き厳しい財政状況
 その反面、景気の低迷などによる税収の減少、高齢化の進展に伴う社会保障関係経費の増加など、県内市町村の財政を取り巻く環境は引き続き厳しい状況にあり、今後も財政健全化に向けた取り組みを着実に続けていく必要があります。
(注)「標準財政規模」とは、地方公共団体の標準的な状態で通常収入されるであろう経常的一般財源の規模を示すもので、標準税収入額等に普通交付税を加算した額。

このページのトップへ

 

御所市における財政健全化への取り組み
 御所市は、長年厳しい財政状況が続き、平成21年度には借金返済額が大きいことなどにより、「財政健全化団体(注1)」となりました。
 市では、平成22年3月に財政健全化計画を策定し、徹底した行財政改革に取り組んできました。その結果、平成22年度決算で「早期健全化基準(注2)」を下回り、また、平成23年度決算では41年ぶりに赤字を解消し、財政健全化団体から脱却することとなりました。
 そこで、御所市にこれまでの取り組みと今後の展望について伺いました。
(注1)財政健全化団体
「地方公共団体の財政の健全化に関する法律」に定められた指標のいずれかが早期健全化基準以上である地方公共団体は、財政の早期の健全化のための計画を定めなければならず、その計画を定めている地方公共団体を財政健全化団体という。
(注2)早期健全化基準
財政収支が不均衡な状況その他の財政状況が悪化した状況において、地方公共団体が自主的かつ計画的にその財政の健全化を図るべき基準として、「実質赤字比率」、「連結実質赤字比率」、「実質公債費比率」および「将来負担比率」のそれぞれについて定められた数値をいう。
御所市(担当課:行革財政課)
 「財政健全化計画」3年目の平成23年度においては、歳入面では、市税・住宅使用料等の徴収強化や遊休地の売却など自主財源の確保、一方、歳出面では、職員数の削減や給与カット、県の財政健全化貸付金を活用した公債費の抑制など、経費の削減に取り組んできました。
 とりわけ、市税の徴収率は83.8%(平成20年度)から91.6%(平成23年度)に改善し、また、職員数は3年間で58人の削減を行いました。これらの結果、平成23年度決算は、41年ぶりに実質収支が約3億1千万円の黒字となり、累積赤字を解消することができました。
 平成23年度決算において財政健全化団体ではなくなりますが、計画終了の平成25年度まで、引き続き「財政健全化計画」を実施し、効率的な財政運営による歳出抑制に努めるとともに、企業誘致による雇用の確保や、人口の定住化などによる安定的な財源の確保を図ります。

自分たちの力で何かをやろう!(市民提案による「“葛城の峯”G(ごせ)級グルメコンテスト」)
県による市町村支援策「奈良モデル」
 厳しい財政状況の中にあって、財政健全化に向けて取り組み、行政サービスの維持・向上に努める市町村に対し、県では課題に応じた各種のサポートを行っています。

 平成21年度からは、県と市町村が一丸となって行政課題に取り組むという考えのもと、「奈良県・市町村長サミット」を定期的に開催するなど、県と市町村が情報共有し、共に考える場を設けています。
 その中で、県と市町村が持つ人的資源、財源等を県全体で有効活用しようと、「奈良モデル」においてそれぞれの役割分担を考え、業務の効率化と質の向上を図っています。

(成果例)
市町村間の連携による効率化(水平補完)への支援・調整
 
住民登録・国民年金などの管理をする住民情報系システムの共同化
複数市町村による消費生活相談窓口の設置・運営
市町村では実施が難しい行政を県が実施(垂直補完)
 
土木技術職員の少ない市町村から県への委託による、道路橋りょうの点検・橋りょう長寿命化修繕計画の策定
 さらに、今年度は次の7つの課題について検討を進めています。
市町村税の税収強化
水道運営の連携
図書館管理運営の連携
市町村国民健康保険のあり方
市町村公営住宅等の管理の共同化
南和地域における公共交通機能の検討
南和地域における一次救急医療体制の確保
問 県市町村振興課
tel 0742-27-8421
fax 0742-23-8439

このページのトップへ

 

奈良県の財政状況〜平成23年度決算〜
奈良県の歳入と歳出、借金、貯金の状況をお知らせします。

※四捨五入の関係で端数において一致しない場合があります。
問 県財政課
tel 0742-27-8360
fax 0742-23-6895

このページのトップへ