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とっておきの奈良
 小初瀬山(おはつせやま)の山腹に広がる大伽藍(だいがらん)からなる長谷寺は、四季折々に牡丹(ぼたん)や桜、紅葉などで彩られる名高き花の御寺=B『万葉集』から『枕草子』、『源氏物語』にも登場する美しき名刹(めいさつ)です。寺へは近鉄長谷寺駅から歩いて1.5qほど。この道は長谷寺詣(もう)での参道であり、伊勢参りの道ともなる初瀬街道と呼ばれる古道。寺の門前に広がる泊瀬門前町地区は、古来より門前町や宿場町として多くの参拝客でにぎわいました。参道周辺には名所旧跡が点在し、参拝がてらの歴史散策にももってこい。名物の草餅を並べた土産物店、老舗旅館なども立ち並び、昔ながらの情緒で参拝客を迎えます。
 この参道半ばに昨秋、「泊瀬長者亭(はつせちょうじゃてい)」がオープンしました。観光案内所であり無料休憩所、カフェもあるスポットで、地元NPO関係団体が参拝客のくつろぎの場にと運営。店名の由来は、この参道が舞台となる有名な昔話「わらしべ長者」から。長谷寺詣でをした貧しい若者が、観音さまの夢のお告げで藁(わら)をみかん、反物(たんもの)、馬へと次々に交換。やがては長者になるという物語です。
 ほっこり安らぐスペースで、地元のボランティアたちが温かくお迎え。わらしべ長者にあやかって「良いことが起きますように」と願いを込めてもてなします。
「泊瀬長者亭」
その昔、僧侶も裏口から食べに来たという老舗食堂を改装した。どっしりした古材が癒しの空間をつくる。
営業時間:10時〜17時
定休日:水曜日(祝日は営業)
問   0744-57-9280
「長谷寺の寒牡丹」
冬の長谷寺の風物詩は寒牡丹。蓑(みの)の傘をまとい、この時期ならではの趣きで咲き誇る姿を目当てに、多くの人が訪れる。
   
「眺望」
天満神社としては日本最古ともいわれる与喜(よき)天満神社参道からの眺望。山に囲まれ「隠口(こもりく)の里」とも呼ばれた、深い歴史を持つ緑の里が見渡せる。
   
「廊坊家(ろうのぼうけ)」
参道に立つ古民家が往時の繁栄を伝える。ここは長谷寺の寺務を統括する俗別当(ぞくべっとう)を務めた廊坊家。イベント時には古民家の一部が見学できる。
   
一般社団法人 泊瀬の森 わらしべ長者の里
コミュニティ町家「泊瀬長者亭」

1人のじいさんと3人のばあさんが手弁当で頑張っています。観音さまの御心(みこころ)に沿うようにおもてなしができたらいいですね。ここは参拝者の皆さんの休憩所であるとともに、地元住民の憩(いこい)の場、集会所としても活用する予定。今後は楽しいイベントを催すなど、笑顔があふれる場所にしたいですね。
(談:小西 宗日出(むねひで)支配人)


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