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ふるさと奈良への便り
 
   私は今も月に一度くらい奈良に帰ります。いつの頃からそうなったのか定かではありませんが、もう随分前から、それが私の生活の一部となっているような気がします。
 私は奈良に生まれ、18歳で役者になるため東京に出ました。無我夢中の俳優修行の中、私の役者としての師となる森繁久彌(もりしげ ひさや)先生に出会い、芸名を付けて頂き、魚の名前となりました。関西では黒鯛のことを「ちぬ」と呼びます。昔、大阪湾では「ちぬ」がとっても釣れたらしく、大阪地方、つまり和泉地方で、和泉ちぬとなりました。
 魚の名前となった私は、少しずつお仕事にも恵まれ、と同時に日本各地に仕事で行く機会も増えました。「屋根の上のヴァイオリン弾き」では、沖縄から北海道まで巡業しました。いろんな観光地にも行きましたが、なぜかやっぱり奈良が一番いい・・・いつもそう感じていたように思います。
 仕事の合間に度々奈良に帰り、奈良公園を歩き、鹿に挨拶すると、なぜかホッと一息です。そして東京に戻る時、必ず今回は何を買って帰ろうかと楽しく考えます。柿の葉寿司、奈良漬け、そうめん、葛・・・そういえば森繁先生は西瓜(すいか)の奈良漬けが大好きで、よくお土産に買って帰りました。嬉しそうな先生の笑顔は今も忘れられません。そして、最近発見した事、西瓜の奈良漬けとクリームチーズを和(あ)えると、とてもおいしいお酒のおつまみの完成です。お試しあれ!
 これからも奈良にエネルギーを頂いて、愛される黒鯛でがんばりたいと思います。
 
 

 

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