
![]() |
| 「東大台ハイキングコース」から見えるシオカラ谷源流。 遊歩道が整備され、年配の方にも歩きやすいコース。 |
![]() |
|
幻想的な原生林に包まれた「西大台ハイキングコース」。
霧が出やすく道に迷いやすいため、初めての方は一人で行くのは控えてください。 |
| 奈良県の南部、大台ヶ原山から北西に、経ヶ峰(きょうがみね)、伯母ヶ峰(おばがみね)と高く険しい山々が続き、やがて少し緩やかな伯母峰峠(おばみねとうげ)へ。 かつて、この峠を、吉野と熊野を結ぶ東熊野街道が通り、最大の難所と恐れられていた。急坂と冬の深雪、しかも、「一本足のたたら」と呼ばれる妖怪(ようかい)も出没したというのだ。 その昔、峠の南、天ヶ瀬に住む射場兵庫(いばひょうご)という鉄砲の名人が犬を連れ狩りに出た。と、山の中で何かが動いた。背中一面に熊笹(くまざさ)を茂らせた大猪(おおいのしし)だった。鉄砲を撃つ。確かに獲物を射止めた手応えはあったが、なぜか動物の姿はなく、血の跡だけが残っていた。 数日後、熊野の湯(ゆ)の峰(みね)に、足を傷(いた)めた一人の野武士が湯治(とうじ)に来た。彼は宿の主人に「部屋をのぞくな」と固く言ったが、不審に思った主人がそっと中を窺(うかが)うと、寝ていたのは、背に熊笹を生やした大猪だった。主人の驚きの声に目を覚ました大猪の亡霊は、姿を消した。 その後、伯母峰峠あたりで一本足の妖怪が村人や旅人を喰うという噂が広まった。目が一つで、大きな赤い口。丸太のような足が一本。やがて街道はさびれ、旅人は難儀した。そこで、丹誠(たんせい)という徳の高い僧が法力(ほうりき)で妖怪を封じ込めた。ただ、12月20日だけは妖怪の自由に任せるという約束で、今も「果ての20日は峠を通るな」と言い伝えられている。 かつての東熊野街道、今の国道169号を山を縫いながら走る。やがて東に折れ、原生林の秘境で知られる大台ヶ原へ。 ここは、日本有数の多雨地帯。そして濃い霧。昔は遭難する人も多くいた。そうした伯母峰峠からこのあたり一帯の大自然の恐怖が妖怪の話を生んだのか。 今、大台ヶ原のとくに東大台ハイキングコースは、遊歩道も整備され、家族連れで歩ける。夏、溢(あふ)れる新緑と爽快(そうかい)な風の中で、山の雄大な景観を堪能したい。 |
![]() |
|
上北山村地域振興課
|
|||
|
07468・2・0001
|