奈良県教育委員会

  教育長 矢和多 忠一 様


             
教育改革のための新たな提言


 奈良県教育懇談会(以下、「懇談会」という。)では、地方分権時代における奈良県にふさわしい

教育の在り方を求めて、平成12年9月1日以来、これまで14回の会議を開催し、建設的かつ率直

な討議を進めてきました。

 この度、第13回及び第14回懇談会の討議を踏まえて、次のとおり新たな提言をいたしますので、

施策化に向けた取組をお願いしたいと存じます。

                           平成15年10月7日

                               奈良県教育懇談会

                                会長  杉 村  健


〈提言:子どもの体力向上と健康増進〉

 体力及び健康は、人間の成長・発達を支え、生涯にわたって生活を充実したものとし、明るく活力

のある社会を形成していく基礎となるものである。しかし、社会環境や生活様式の変化などにより、

運動する機会の減少や生活習慣の乱れなどから、子どもの体力の低下や健康の減退が長期化している。

特に、運動をする子どもとしない子どもとの二極化が進んでおり、ほとんど運動をしない子どもへの

対応は急務である。

 体力と健康は、子どもの気力や生きる力の源である。今日の知識偏重の風潮や乱れがちな生活習慣

などを振り返りつつ、子どもの体力向上と健康増進の目標・方法等を明確にし、学校だけでなく、家

庭や地域との緊密な連携のもとに、早急な取組を行う必要がある。


 ○ 各学校において、子どもの体力テストを完全に実施するとともに、1校1運動に取り組むなど、

  子どもたちの身体活動を促すための施策を展開すること。


 ○ 家庭を中心に学校・地域が連携して、健康3原則(規則正しい食事、適度な運動、十分な睡眠)

  を子どもに習慣づけるための施策を展開すること。


 ○ 子どもの健康と体力に関わる情報を学校と家庭が共有し、活用できる「健康・運動手帳(仮称)」

  を作成すること。