深める 歴史文献で訪ねる奈良

大和名所図会で見る
今昔
松尾寺(大和郡山市)

松尾寺は、松尾丘陵の南端に位置する松尾山の中腹にある寺です。718年、当時42歳だった舎人親王(天武天皇の皇子)が、日本書紀の無事完成と、自身の厄除けを願って建立したと伝えられる、日本最古の厄除霊場です。図会からは、山岳寺院として急峻な斜面の上に建てられた様子が分かります。石段を登り詰めた所にある本堂は、1337年に再建されたものですが、希少な大型仏堂として重要文化財となっています。また、本堂の裏手にある神霊石の大岩は、図会に描かれた当時のまま残されています。

奈良県立図書情報館所蔵 大和名所圖會より
舎人親王坐像

ここが見所

厄除霊場として名高い松尾寺では、毎年2月から3月にかけて、厄除けまつりが開催されます。特に2月に行われる「はつうま・松尾寺厄除観音出現記念大祭」は、厄除観音御出現を祝うものであり、毎年多くの参詣者が訪れます。