ブックタイトル祈りの回廊 2016年3月~9月 春夏版

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概要

祈りの回廊 2016年3月~9月 春夏版

?伝統技術を後世に伝える?宮大工の仕事121 初重の解体作業中の東塔。解体個所が下に行くに従い、支えてきた重さの桁外れさを示す傷み具合が明らかに。中央に見えるのが「心柱」。2 解体調査中に見つかった初重の天井に描かれた宝相華(ほうそうげ)。格子で隠れた部分に、創建当初の文様の色彩が退色することなく残っていました。薬師寺所奈良市西ノ京町457? 0742-33-6001行●近鉄西ノ京駅から徒歩すぐ●JR・近鉄奈良駅から六条山行きバス「薬師寺」下車、徒歩すぐhttp://www.nara-yakushiji.com/MAPP19a-2特別開帳P12((※※3)2)柱一下部部分腐の朽切部りの取切り断新交材換補修使いこなすことで生まれる技です。鉋では不可能で、昔ながらの台鉋を果。これは逆目ができてしまう電動ほどの平滑さで得られるのは撥水効ると風景を写し込んでいます。それキで、カンナ掛けされた面をよく見(※1)塔の最下部層のこと。初層。新しく用いられる材は吉野郡のヒノまっています。狂わない大工仕事が成せる業です。洞化している部分は、国産のヒノキを用いて補うことが決レないのです。緻密な計測と、寸分理されたのか、徐々にわかりつつあります。なお、心柱の空れ、柱を立てるとぴたりとはまり、ズ約1300年の間に、どの部分がいつ、どういう方針で修凸に沿うように柱材の木口は削らが確認されました。また、今回の解体による調査によって、かく複雑な凹凸があります。その凹はやはりシロアリなどが原因で大きく空洞化していることが施されます。また礎石の上面は細学的調査で推定されていたためです。解体をすると、「心柱」「矧はぎ木き」(※2)、「根ね継つぎ」(※3)などの技術うべき「心柱」の根元に空洞が生じていることが、以前の科しい部分は除去し、新しい木で補う体する大がかりなものとなっています。「塔」の象徴ともい立の本堂の解体修理では傷みの激な修理にして初めて、初しょ重じゅう(※1)の柱までの木部すべてを解したとも伝わる長福寺。鎌倉時代建薬師寺東塔の今回の修理は、明治以降では3回目の大き飛鳥時代または奈良時代に創建白1鳳3建0築0の年解前体の修仕理事を次世代へ添礎わ石せのる凹技凸術にに柱仰の天木口を1薬師寺東塔解体修理長福寺本堂解体修理の特集の中では、薬師寺東塔と長福寺本堂の解体修理を担っています。)大工の県職員」という制度は大変珍しく、長い歴史を持つ奈良県ならではの取り組みとなっています。(こらしい社寺建築技術が伝えられてきました。その一端を宮大工の技能を持つ県職員も担っています。この「宮築方法を子細に研究した成果を踏まえて建てるなど、さまざまな時代の職人たちの手により、奈良のすば状態に戻す」ことを前提に宮大工の技術が生かされます。またお堂などの新築の際には、彼らが古来の建「根本修理」、屋根の葺き替えや塗装修理などを行う「維持修理」の現場では、ともに「可能な限り、元の多くの社寺がある奈良県にとって宮大工の存在は必要不可欠です。建造物を全解体または半解体して行う宮大工の仕事2