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男女のプロポーズ歌垣うたがきよこい『古事記』には歌を詠む場面がたくさんあり、恋の歌もけっこんさがし多くあります。その歌には、若い男女が結婚相手を探うたがきた歌垣から生まれたものもあります。歌垣とは、男....

男女のプロポーズ歌垣うたがきよこい『古事記』には歌を詠む場面がたくさんあり、恋の歌もけっこんさがし多くあります。その歌には、若い男女が結婚相手を探うたがきた歌垣から生まれたものもあります。歌垣とは、男女がれんあい集まり、結婚や恋愛の相手を歌のやりとりで決める風習きがんしゅうかくです。時期としては春と秋に行われ、豊作祈願や収穫かいさいに感謝する一面もあったとされています。開催場所は、山の高みや野原、水辺、市場でした。いまでいうところの、お見合いパーティのようですね。1.明日香村の奈良県立万葉文化館では、市場で行われていた歌垣をジオラマで再現しています2.海柘榴市(つばいち)があったとされる桜井市金屋のあたりでは、春や秋になると歌垣が行われたのだそう2 1芸能天の石屋の戸開きあめのいわやのとびらきあまてらすおおみかみすさのおのみことおうぼうあめ天照大御神が、弟の須佐之男命の横暴におびえ、天のいわやとかくあめのうず石屋の戸の中に隠れてしまいます。戸の前で、天宇受めのみことふおけむねおど売命が伏せた桶の上で胸を出して踊ったところ、神々あまてらすおおみがどっと笑いました。その笑い声を聞いた天照大御かみ神が、戸をそっと開けたと『古事記』にはあります。こあめのうずめのみことうたまいかぐらの天宇受売命は、神をまつる歌舞「神楽」や、芸能のそじんげいのうでんとう祖神とされています。いまに続く、芸能や伝統の祭りの始まりといえるでしょう。「天照大御神」伊藤龍涯(いとうりゅうがい)画(神宮徴古館農業館蔵)。天宇受売命(あめのうずめのみこと)が踊って、天照大御神(あまてらすおおみかみ)の興味を誘(さそ)っている様子59