天照大御神
高天の原を収める女神が姿を消すと世界は闇に包まれる
死者の国から帰還した伊耶那岐命(いざなきのみこと)が、禊(みそぎ)をすると、さまざまな神が生まれ、最後に、天照大御神、月読命(つくよみのみこと)、建速須佐之男命(たけはやすさのおのみこと)が生まれました。伊耶那岐は、三神にそれぞれ高天原(天上の国)、夜の国、海原を治めよと命じます。しかし、死んだ母に会いたい須佐之男は、泣くばかりで父の命令を聞かずに怒りを買い、葦原中国(あしはらのなかつくに/地上の国)を追放されてしまいました。姉の天照を訪ねた須佐之男は、うけいをして邪心のないことを述べますが、高天原でも悪行をはたらきます。それを恐れた天照は天の石屋(あめのいわや)に閉じこもり、世界は闇に閉ざされてしまいました。そこで天照を外に出すための方法を八百万(やおよろず)の神々は相談します。そして天宇受売命(あめのうずめのみこと)は激しく踊り、それを見た神々が大声で笑うと、騒ぎが気になった天照は顔をのぞかせます。そこで、怪力の天手力男神(あめのたぢからおのかみ)が天照の手を取って外へ引き出し、世界に光が戻りました。