邇々芸命
天つ神御子として降臨する
天照大御神(あまてらすおおみかみ)の孫で、生まれたばかりの邇々芸は、天照の命令で葦原中国(あしはらのなかつくに)に降りていきます。すると天の八衢(あめのやちまた/交差点)にぴかぴか光る神がいます。天宇受売命(あめのうずめのみこと)を派遣して問いただすと、それは道案内をしようと待っていた国つ神の猿田毘古神(さるたびこのかみ)でした。そして邇々芸一行は、日向(ひむか/宮崎)の高千穂(たかちほ)の霊峰に降り立ちました。天宇受売命は伊勢に猿田毘古を送り届け、名をもらって、これ以降その子孫は猿女君(さるめのきみ)を名乗るようになります。成人した邇々芸が、笠沙(かささ)の岬で出会った美しい木花之佐久夜毘売(このはなのさくやびめ)に求婚すると、その父大山津見神(おおやまつみのかみ)は姉の石長比売(いわながひめ)もそえて差し出しました。しかし邇々芸が、美しくないことを理由に姉の石長比売だけを送り返すと、姉妹の父は「姉は岩のごとく天つ神御子の命が永遠に続くように、妹は花のごとく栄えるようにと差し出しましたが、姉が帰されたので、あなたの命はもろくてはかないままになるでしょう」と答えました。
邇々芸命に関するゆかり地
番号 | 府県 | 市町村名 | 名称 | ゆかり地説明 | |
68 | 三重 | 伊勢市 | 猿田彦神社 | 天宇受売命と伊勢に戻った猿田毘古神が鎮座した地(猿田彦神社の説明による) | 詳細ページへ |
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69 | 三重 | 松阪市 | 阿射加[あざか]神社 | 猿田毘古神はこの地で貝に手を挟まれ海に沈んで溺れたという | 詳細ページへ |
70 | 宮崎 | 高原町 | 高千穂峰 | 天孫降臨の地のひとつとされている | |
71 | 宮崎 | 高千穂町 | 槵觸[くしふる]神社 | 天孫降臨の地のひとつとされている | 詳細ページへ |
72 | 宮崎 | 高千穂町 | 高千穂神社 | 祭神を邇々芸命とし、高千穂八十八社の総社である | 詳細ページへ |
73 | 鹿児島 | 南さつま市 | 笠沙[かささ]の岬 | 邇々芸命と木花之佐久夜毘売が出会った場所と伝わる | |
74 | 宮崎 | 西都市 | 西都原[さいとばる]古墳群 | 邇々芸命と木花之佐久夜毘売の陵墓が比定されている | 詳細ページへ |
75 | 宮崎 | 高原町 | 霧島東神社 | 邇々芸命が初めて祖先の神々を祀ったといわれる | 詳細ページへ |
76 | 鹿児島 | 霧島市 | 霧島神宮 | 邇々芸命を主祭神として祀る | 詳細ページへ |
77 | 静岡 | 富士宮市 | 富士山本宮浅間[せんげん]大社 | 木花之佐久夜毘売を祀る、浅間神社の総本宮 | 詳細ページへ |
78 | 宮崎 | 宮崎市 | 木花[きばな]神社 | 邇々芸命と木花之佐久夜毘売を祀る | 詳細ページへ |
79 | 宮崎 | 西都市 | 都萬[つま]神社 | 木花之佐久夜毘売を祀る | 詳細ページへ |
80 | 奈良 | 五條市 | 阿陀比売[あだひめ]神社 | 木花之佐久夜毘売を祀る | 詳細ページへ |
81 | 宮崎 | 小林市 | 霧島岑[きりしまみね]神社 | 天孫三代の夫婦六座を祀る | 詳細ページへ |