古事記ゆかり地マップ

大黒主神

根の国の素戔嗚尊を訪ねる

美しい八上比売(やかみひめ)の結婚相手に選ばれたため、兄弟に殺され二度も蘇生した大穴牟遅神(おおあなむじのかみ)は、根之堅洲国(ねのかたすのくに/根の国)にいる須佐之男を訪ねることを大屋毘古神(おおやびこのかみ)に勧められます。根之堅洲国で須佐之男から出されたいくつもの難題を、娘の須勢理毘売命(すせりびめのみこと)の助けで解決した大穴牟遅は、根之堅洲国の武器を奪って逃走し、その武器で兄弟たちを追い払い、大国主神(葦原中国(あしはらのなかつくに)の主人たる神)になりました。その葦原中国の支配権を、天照大御神が欲しがります。高天原(たかあまのはら)からの使者として最後に天鳥船(あめのとりふね)に乗った建御雷之男神(たけみかずちのおのかみ)が天から降りてきて、国を譲るように迫ると、大国主は自分の子が返事をすると答えます。事代主神(ことしろぬしのかみ)はすぐに承知し、建御名方神(たけみなかたのかみ)は力比べを挑んで敗れて、信濃(長野)の諏訪湖まで逃げてから、そこで命乞いをして承知します。そこで大国主は、自分の神殿を建てることと引き替えに、葦原中国を天照大御神に譲ることを認めました。

大国主神挿絵

大国主神に関するゆかり地

番号 府県 市町村名 名称 ゆかり地説明
45 鳥取 鳥取市 白兎[はくと]海岸と白兎[はくと]神社 稲羽[いなば]の素兎[しろうさぎ]神話の舞台とされる地
46 鳥取 鳥取市 売沼[めぬま]神社 八上比売を祀る
47 鳥取 米子市 阿陀萱[あだかや]神社 大国主神と八上比売の娘、多岐喜姫[たぎきひめ]を祀る
48 鳥取 南部町 赤猪岩[あかいいわ]神社 大国主神が兄弟神に殺され、復活蘇生した地に建つとされる
49 鳥取 日南町 大石見[おおいわみ]神社 大国主神が二度目の復活をしたとされる地
50 島根 松江市 加賀の潜戸[くけど] 大国主神を生き返らせたキサ貝姫が金の弓矢で射通したとされる海蝕洞穴
51 鳥取 大山町 唐王[とうのう]神社 須勢理毘売命が亡くなったとされる地
52 島根 雲南市 三屋[みとや]神社 大国主神が宮居を置いたと伝えられる
53 島根 出雲市 御井[みい]神社 大国主神の子神の産湯に使われたとされる三つの井戸がある
54 新潟 糸魚川市 奴奈川[ぬながわ]神社 沼河比売[ぬなかわひめ]と大国主神を祀る
55 新潟 上越市 居多[こた]神社 大国主神・沼河比売[ぬなかわひめ]・建御名方神を祀る
56 島根 松江市 玉造温泉 大国主神とともに国造りをした少名毘古那神[すくなびこなのかみ]が発見したといわれる
57 島根 松江市 神魂[かもす]神社 出雲国造の祖、天菩比命[あめのほひのみこと]が創建したとされる。本殿は最古の大社造
58 岐阜 美濃市 喪山[もやま] 天若日子[あめわかひこ]の喪屋[もや]が蹴飛ばされてできたとされる山のうちのひとつ
59 岐阜 垂井町 喪山[もやま] 天若日子[あめわかひこ]の喪屋[もや]が蹴飛ばされてできたとされる山のうちのひとつ
60 鳥取 大山町 壹宮[いちのみや]神社 天若日子[あめわかひこ]と下照比売[したでるひめ]が暮らした地とされている
61 島根 出雲市 稲佐[いなさ]の浜 天照大御神の使者である建御雷之男神が、大国主神に国を譲ることを交渉した地
62 島根 松江市 美保神社 祭神は、事代主神と三穂津姫命[みほつひめのみこと]
63 鳥取 倉吉市 波波伎[ははき]神社 事代主神が天逆手[あめのさかて]を打って槇垣[まきがき](青柴垣[あおふしかき])に籠ったとされる地
64 長野 上田市 生島足島[いくしまたるしま]神社 建御名方神が諏訪に向かわれる際に留まられたとされる
65 長野 諏訪市 諏訪大社 建御名方神が国譲りの際にこの地に鎮座することを約束した
66 島根 出雲市 出雲大社 大国主神が祀られ、国譲りの際に造営されたとされる
67 茨城 鹿嶋市 鹿島神宮 建御雷之男神を祀り、東国三社のひとつである