須佐之男命
凶悪な八岐のおろちを退治し、妻をめとる
天にある高天原(たかあまのはら)を追放された須佐之男は、出雲国(いずものくに/島根)に降りていきます。そこで泣いている老夫婦足名椎(あしなづち)と手名椎(てなづち)、その娘櫛名田比売(くしなだひめ)に出会います。わけを聞くと「もとは多くの娘がいましたが、八俣のおろち(八つの頭と八つの尾をもつ大蛇)が毎年娘を食べてしまうので、もうこの娘しか残っていません。そのおろちが今また来るのです」というのです。話を聞いた須佐之男は、強い酒を八つの容器に入れて用意させ、おろちが来るのを待ちました。やって来たおろちは酒を飲み、眠ってしまいました。そこで、須佐之男が剣でおろちをずたずたに切り刻むと、尻尾から一振りの剣が出てきました。須佐之男はその剣を姉天照大御神(あまてらすおおみかみ)に献上し、それが天皇家に伝わる三種の神器のひとつ草なぎの剣(くさなぎのつるぎ)になりました。その後、須佐之男と櫛名田比売はめでたく夫婦になりました。その須佐之男の六代目の子孫が大国主神(おおくにぬしのかみ)という神です。
須佐之男命に関するゆかり地
番号 | 府県 | 市町村名 | 名称 | ゆかり地説明 | |
23 | 島根 | 奥出雲町 | 船通山[せんつうざん] | 須佐之男命が高天原から降りてきた地といわれる | |
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24 | 島根 | 出雲市 | 須佐神社 | 須佐之男命と櫛名田比売とその両親を祀る | 詳細ページへ |
25 | 島根 | 雲南市 | 温泉神社 | 櫛名田比売の両親を祀る神岩が安置されている | 詳細ページへ |
26 | 島根 | 奥出雲町 | 稲田神社 | 櫛名田比売の誕生の地で近くに産湯に使われたという池がある | 詳細ページへ |
27 | 島根 | 出雲市ほか | 斐伊[ひい]川 | 八俣のおろちの正体という説もある川 | |
28 | 島根 | 雲南市 | 天ヶ淵 | 八俣のおろちは、この淵にすんでいたとされる | 詳細ページへ |
29 | 島根 | 奥出雲町 | 鳥上[とりかみ]滝 | 八俣のおろちがすんでいたところと伝わる | |
30 | 島根 | 雲南市 | 印瀬[いんぜ]の壷神 | 境内にある壷は八塩折[やしおおり]の酒を入れた壷のうちのひとつといわれる | 詳細ページへ |
31 | 島根 | 奥出雲町 | 鏡ヶ池 | 八塩折[やしおおり]の酒はこの池の水を使用したといわれる | 詳細ページへ |
32 | 島根 | 雲南市 | 草枕 | 八塩折[やしおおり]の酒を飲んだ八俣のおろちが苦しんで枕にして寝た山であるといわれる | 詳細ページへ |
33 | 島根 | 雲南市 | 八俣大蛇[やまたのおろち]公園 | 須佐之男命と八俣のおろちの対決の場面の石像と、「箸拾いの碑」が建立されている | 詳細ページへ |
34 | 島根 | 雲南市 | 八口[やぐち]神社 | 須佐之男命がこの地から矢で八俣のおろちを仕留めたとされる | 詳細ページへ |
35 | 島根 | 雲南市 | 尾呂地[おろち]神社 | 八俣のおろちの尾が祀られている | 詳細ページへ |
36 | 島根 | 雲南市 | 尾留[おどめ]大明神 | 須佐之男命が八俣のおろちから、草なぎの剣を手に入れた地とされる | 詳細ページへ |
37 | 島根 | 雲南市 | 斐伊[ひい]神社 | 八俣のおろちの首が眠るという「八本杉」がそばにある | 詳細ページへ |
38 | 島根 | 邑南町 | 龍岩[たついわ]神社 | 八俣のおろちの首が飛んできて御神体になったといわれる巨岩がある | 詳細ページへ |
39 | 島根 | 雲南市 | 須我神社 | 須佐之男命が八俣のおろち退治の後に建てた宮殿の跡といわれる | 詳細ページへ |
40 | 島根 | 雲南市 | 大森神社 | 須佐之男命と櫛名田比売が婚儀の準備をしたとされる | 詳細ページへ |
41 | 島根 | 松江市 | 八重垣[やえがき]神社 | 須佐之男命と櫛名田比売が新居を構えたとされる | 詳細ページへ |
42 | 島根 | 雲南市 | 河辺神社 | 産湯に使う水を探していた櫛名田比売が御産所に定めたとされる | 詳細ページへ |
43 | 島根 | 奥出雲町 | 元結掛[もとゆいかけ]の松 | 櫛名田比売が髪を束ねるときに用いる元結を枝に掛けたといわれる | 詳細ページへ |
44 | 島根 | 松江市 | 熊野大社 | 祭神は須佐之男命で出雲の国一の宮として崇拝されている | 詳細ページへ |