倭建命
西へ行って熊曾を征伐/東の地で死して白千鳥となる
景行天皇の御子(みこ)の小碓命(おうすのみこと)は、兄を簡単に殺してしまうほど気性が荒く、それを恐れた天皇は、西方の熊曾建(くまそたける)兄弟を討つよう命じます。小碓は少女の姿になって熊曾建兄弟を剣で刺し殺し、虫の息の熊曾建から名前を献上されて倭建命(やまとたけるのみこと)と名乗ることになりました。帰途に出雲建(いずもたける)をだまし討ちにし、倭(やまと)に戻りますが、すぐに父の天皇から東方の神や人々を平定するように命じられます。焼遣(やきつ/静岡)で火攻めにあったとき、伊勢神宮で叔母の倭比売命(やまとひめのみこと)からもらった草なぎの剣(くさなぎのつるぎ)でまわりの草をなぎ払い、火打ち石でこちらから火をつけて難を逃れます。また、后の弟橘比売命(おとたちばなひめのみこと)が身代わりになって入水することによって走水(はしりみず)の海(浦賀水道)を無事に通過することができました。最後に、草なぎの剣を尾張(愛知)の美夜受比売(みやずひめ)のもとに置いたまま伊吹山の神を倒しに行き、逆に大氷雨を降らせられて、能煩野(のぼの/三重)で亡くなります。そして倭建命は白千鳥となって西方に飛び立っていきました。
倭建命に関するゆかり地
番号 | 府県 | 市町村名 | 名称 | ゆかり地説明 | |
108 | 奈良 | 桜井市 | 景行天皇纒向[まきむく]日代宮[ひしろのみや]跡伝承地 | 「景行天皇纒向日代宮跡」の石碑があり、景行天皇の宮跡といわれる | 詳細ページへ |
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109 | 鹿児島 | 霧島市 | 熊襲[くまそ]の穴 | 倭建命が熊曾を討ち取った場所といわれる | 詳細ページへ |
110 | 静岡 | 焼津市 | 焼津[やいづ]神社 | 倭建命が敵を焼き滅ぼした地。境内に倭建命の石像が建つ | 詳細ページへ |
111 | 静岡 | 静岡市 | 草薙[くさなぎ]神社 | 倭建命が草なぎの剣で草をなぎはらい、難を逃れたとする | 詳細ページへ |
112 | 神奈川 | 葉山町 | 吾妻社(長柄) | 倭建命と弟橘比売命を祀る | 詳細ページへ |
113 | 神奈川 | 葉山町 | 吾妻社(不動堂) | 倭建命がこの地を通過したとされる | 詳細ページへ |
114 | 神奈川 | 横須賀市 | 走水[はしりみず]神社 | 倭建命と弟橘比売命を祀る。境内には弟橘比売命の歌碑がある | 詳細ページへ |
115 | 神奈川 | 川崎市 | 橘樹[たちばな]神社 | 流れ着いた弟橘比売命の着物を祀ったとされる | 詳細ページへ |
116 | 神奈川 | 小田原市 | 吾妻神社 | 流れ着いた弟橘比売命の袖の一部を祀るとされる | 詳細ページへ |
117 | 神奈川 | 二宮町 | 吾妻神社 | 流れ着いた弟橘比売命の袖の一部を祀るとされる | 詳細ページへ |
118 | 千葉 | 木更津市 | 袖ヶ浦 | 弟橘比売命の袖が流れついたというところからついた地名 | |
119 | 千葉 | 木更津市 | 吾妻神社 | 弟橘比売命の袖が流れ着いた地に建てられたとされる | 詳細ページへ |
120 | 愛知 | 東浦町 | 入海[いりみ]神社 | 東浦の海岸に流れついた弟橘比売命の櫛を祀って建てられたとされる | 詳細ページへ |
121 | 千葉 | 市川市 | 国府[こくふ]神社 | 倭建命を案内したとされるコウノトリの嘴[くちばし]を祀る | 詳細ページへ |
122 | 神奈川 | 秦野市 | 石座[せきざ]神社 | 倭建命が腰掛けたとされる自然石が御神体 | 詳細ページへ |
123 | 神奈川 | 南足柄市 | 足柄峠 | 倭建命が、東国を平定した帰路に「あずまはや」と妻を偲んだといわれる | |
124 | 神奈川 | 南足柄市 | 足柄神社 | 倭建命が、東国を平定した帰路に「あずまはや」と妻を偲んだといわれる | 詳細ページへ |
125 | 山梨 | 甲府市 | 酒折宮[さかおりのみや] | 倭建命に続けて歌を詠んだ焚き火番の老人をほめて東国造[あずまのくにのみやつこ]に任命した | 詳細ページへ |
126 | 長野 | 阿智村 | 神坂[みさか]峠 | 倭建命がここを越えて尾張国に入ったとされる | |
127 | 長野 | 駒ヶ根市 | 大御食[おおみけ]神社 | 倭建命が腰掛けたといわれる石がある | 詳細ページへ |
128 | 長野 | 阿智村 | 神坂[みさか]神社 | 倭建命が腰掛けたといわれる石がある | 詳細ページへ |
129 | 愛知 | 名古屋市 | 氷上姉子[ひかみあねご]神社 | 美夜受比売を祀る | 詳細ページへ |
130 | 愛知 | 名古屋市 | 熱田神宮 | 倭建命が美夜受比売のもとに置いていった草なぎの剣を祀る | 詳細ページへ |
131 | 滋賀 | 米原市 | 伊吹山 | 倭建命が山の神を退治しに行き、逆に大氷雨を降らせられて打ち惑わされた山 | |
132 | 滋賀 | 米原市 | 居醒[いさめ]の清水 | 倭建命がこの泉で正気を取り戻したとされる | 詳細ページへ |
133 | 岐阜 | 養老町 | 当芸野[たぎの] | 倭建命が「足がたぎたぎしく成りぬ」と言ったことからこの地名がついたとされる | 詳細ページへ |
134 | 三重 | 四日市市 | 杖衝坂[つえつきざか] | 瀕死の倭建命が、疲れ果てて杖をついて歩いた坂 | 詳細ページへ |
135 | 三重 | 桑名市 | 尾津神社(戸津) | 倭建命が剣を置き忘れたとされる地のひとつ | 詳細ページへ |
136 | 三重 | 桑名市 | 尾津神社(小山) | 倭建命が剣を置き忘れたとされる地のひとつ | 詳細ページへ |
137 | 三重 | 桑名市 | 草薙[くさなぎ]神社 | 倭建命が剣を置き忘れた尾津前だといわれている | 詳細ページへ |
138 | 三重 | 桑名市 | 平群[へぐり]神社・平群[へぐり]池 | 倭建命が思国歌[くにしのひうた]を詠んだといわれる。境内に歌碑がある | 詳細ページへ |
139 | 三重 | 亀山市 | 倭建命能褒野[のぼの]陵(能褒野王塚古墳) | 倭建命の陵墓といわれているうちのひとつ | 詳細ページへ |
140 | 三重 | 鈴鹿市 | 加佐登[かさど]神社 | 神社の裏に倭建命の陵墓といわれる白鳥塚がある | 詳細ページへ |
141 | 大阪 | 羽曳野市 | 日本武尊白鳥陵(軽里大塚古墳) | 倭建命の陵墓といわれているうちのひとつ | 詳細ページへ |
142 | 栃木 | 鹿沼市 | 古峯神社 | 倭建命を祭神として祀る | 詳細ページへ |
143 | 群馬 | 草津町 | 白根神社 | 倭建命を祭神として祀る | 詳細ページへ |