第1回臨時会議(平成30年4月13日開催)

開催概要

議決事項

1

 県立高等学校適正化推進方針について(pdf 4,509KB)  <教育振興大綱推進課>

平成30年度第1回(臨時)教育委員会議事録(テキスト版)

概要

<開会>
平成30年4月13日
16時00分

<閉会>
平成30年4月13日
17時15分

 
<会議場所>
教育委員室


<委員出欠>
花山院弘匡(出席)
佐藤進(出席)
森本哲次(出席)
高本恭子(出席)
上野周真(出席)

議案及び議事内容

議決事項1
 県立高等学校適正化推進方針について(可決)

<議事内容>

○吉田教育長 「ただ今から、平成30年度第1回臨時教育委員会を開催いたします。本日は委員全員出席で、委員会は成立しております。

○吉田教育長 「本日の案件は、議決事項1『県立高等学校適正化推進方針』についての1議案でございます。
 まず、3月9日から4月6日まで実施をいたしましたパブリックコメントの結果について、大西教育振興大綱推進課長、ご説明をお願いします。」

○大西教育振興大綱推進課長 「それでは、資料にそってご説明いたします。本日お配りさせていただいた資料ですが、厚い方が「『県立高等学校適正化推進方針~高等学校教育の質向上と再編成のために~(案)』に関するパブリックコメントで提出された意見の概要及び県教育委員会の考え方」という資料でございます。もう一つは「県立高等学校適正化推進方針~高等学校教育の質向上と再編成のために~(案)」という、赤字の見え消しの入ったものをお渡しさせていただいております。この2つをもとに、ご説明をさせていただきます。
 まず、この分厚い方の意見募集結果についてのご説明を申しあげますので、ご覧下さい。平成30年3月9日から4月6日までの約1ヶ月間方針案につきまして、パブリックコメントを実施しました。広く県民の皆様の御意見を頂戴いたしました結果、全部で92件、68団体・人から御意見をいただきました。
 そのパブリックコメントで提出されました意見の概要及び県教育委員会の考え方について整理をしたものがこの資料になっております。
  この資料は、いただいた92件の御意見を個別にお示ししております。前半は、方針案全体に対する御意見、No.50からは方針案の個別部分に関する御意見で、方針の概ねページ順に並ぶよう配列してまとめさせていただきました。細かい内容についてはご覧いただいているところですが、大枠で、5つのポイントについてご説明を申しあげます。
 まずは、No.5からNo.15まで、及びNo.22、86、87とナンバリングさせていただいた意見でございます。これが1つ目で、平城高等学校に関する御意見で、全部で14件いただいております。多くは、卒業生からの、平城高校の存続についての御意見でございました。この御意見に対しましては、No.5と示された頁をお開けいただいたらと思います。こちらに教育委員会からのお返事の考え方としまして、個別の学校のことについてのお問い合わせではございましたが、本推進方針案の内容において、少子高齢化やAI、IoTなどの進展、グローバル化の加速など、時代の変化に対応した、新しい高校づくりが必要であることを、この方針案ではお示しをさせておりますので、それをお読みいただくことと、そして今後学校の再編のうち、個別の学校に関する事項については6月に公表する予定の実施計画案においてお示しをするという形での案を考えさせていただきました。これがまず、一つ目でございます。
 続いて、学級の定員を例えば35人に削減すればよいのではないかといった、学級定員に関する御意見をいただいております。No.17をご覧ください。ここに1つ代表的なものがあります。意見の概要としては40人以上のクラスについてでございました。これらに関する御意見は全部で14件いただいておりまして、この御意見につきましては一番下段になりますが、法律で、
「公立高等学校の適正配置及び教職員定数の標準等に関する法律」というのがございまして、1学級の生徒の数は40人を標準とすると規定されております。その上で、生徒の定員に応じて標準となる教員定数が定められていることを踏まえており、それを基本として、適正な生徒の定員を検討することを示しております。なお、この御意見に関連しまして、公立高等学校の収容率を上げるべきだという御意見もいただいておりますが、これにつきましては同じくNo.26をご覧ください。」

○吉田教育長 「課長、全部説明してから意見を聞くのですか。」

○大西教育振興大綱推進課長 「5つありますので、2つほど、先に説明させていただいたら途中で切らせてもらいます。」

○吉田教育長 「そうですね。どこかで切ってください。」

○大西教育振興大綱推進課長 「わかりました。今、2点目が途中でございますので、最後まで説明いたします。私立学校との兼ね合いについても聞かれておりますけれども、全体の、奈良県内の学校の配置というものを考えながら全体の定数についても適正な数を考えてまいりたいということで、お返事をさせていただこうと思っております。ここまでで、まずお願いいたします。」

○吉田教育長 「それでは、パブリックコメントにおける、個別の学校についてなくさないで欲しいというような意見に対してですが、県教委の考え方としては、まずは、これからの時代の変化に対応していくためには、新しい高校を作っていく必要がある。その中で、今後、6月に計画案を実際に出して行くという回答をしたいという案でございます。これに関してどうですか。」

○花山院委員 「そうですね。個々の意見についてというわけではないのですが、ここに資料がありますので、ここから、当然今教育長がおっしゃったように、再編しなくてはいけない。またそれにあった教育をしていくということが目的であって、進めているというところです。ところが、例えばNo.4のご意見に対して、6月に出る計画案をこちらの方からおろして、それでも話はどんどん進んで行くというよりも、吸い上げる期間をもうけて、相互に理解していかないと、ちょっと行き違いが出てくる可能性を考えていく必要もあるのかなと思っております。どうでしょうか。」

○大西教育振興大綱推進課長 「基本的なパブリックコメントをいただきましたので、これをもとに、具体の案についての策定を進めてまいりたいと考えております。それを一応6月の時点では発表させていただこうとは思っております。その後、県議会への上程に向けて進めていく中で、県民の声ということであれば、お話を聞くことを少し検討させていただきたいと思います。」

○吉田教育長 「計画を出してから意見を述べる機会がないかもわからないので、なくさないで欲しいという意見が今パブリックコメントにおいて出ている。この計画をつくるときに計画案を6月に発表すると。これを議会へ上程するのかな。議会の議決になるのかな。今の予定ではそういうことも考えているので、議会に上程するまでの期間に、声として聞こえてきて、それに対して我々もその案の説明をする機会を持ったりとか、いろんな形で答えられるようにしていこうということでよろしいんですね。」

○大西教育振興大綱推進課長 「はい。」

○吉田教育長 「今の委員の質問に対してはどうですか。」

○花山院委員 「具体案が出てからしか、県民の皆さんは理解のしようがないので、それを聞いてから意見をくみ取るなり、説明する時間がないと、せっかくいいことで進めていても、行き違いというか、意見の違いは当然あるわけですから、それをしていかないと難しいんじゃないかなと思います。」

○吉田教育長 「前回の再編では、文教委員会に報告をして記者発表したのかな。そこは調べてないですか」。

○大西教育振興大綱推進課長 「前回のことはわかりません。申し訳ありません。」

○吉田教育長 「調べておいてください。」

○大西教育振興大綱推進課長 「はい、わかりました。」

○吉田教育長 「私の記憶ではそうだったと思います。要するに、計画に対して意見は文教委員会で報告して発表して、あまり聞く機会はなかったかもしれないが、そうじゃなくて文教くらし委員会に出す前に、ある一定の期間で計画案ができたら発表していこうということですね。今の計画は。そうとらえていると。」

○花山院委員 「そうでないと、と思います。」

○吉田教育長 「パブリックコメント、推進計画を記者に発表したときもそういう声が出ていたし、多分県民もそういう思いをもつから、そういう流れで公表していくと。」

○花山院委員 「是非よろしくお願いします。」

○吉田教育長 「それから、なぜ、新しい高校を作る必要があるのかと。ここへ書くかどうかは別として、なぜ新しい高校を作っていく必要があるのか。Adobeという会社が日本の12歳から18歳までの子どもたちにアンケートをした。日本以外にもイギリス、アメリカ、それからオーストラリア、何カ国かのアンケートをしたが、自分に高校生に創造力はあると思いますかという、アンケートです。日本の12歳から18歳で自分に創造力があると答えているのはたった8%。外国は44%。平均で。それくらい教育の中で創造力を高めるような教育ができていない可能性もある。国は新しい指導要領でアクティブラーニングを導入して、子どもたちに議論をさせて、創造性を豊かにしていこうというような方針の中で、これはちょっと大きな問題かなと私は思っています。8%、44%。これは教員に対するアンケートになると日本の教員は確か2%くらいだったかな。で、外国の教員は27%くらいだったかな。普通はそのようになりますね、先生の方は創造力を高めるような授業をしているから、あるだろうと思ったら、子どもの方は少ない。日本の場合は子どもが8%であって教員の方がもっと低い率しか、子どもたちに創造力がな
いとしか思えないと。創造力というのは私は大事かなと。」

○花山院委員 「今のアクティブラーニングでは、自主性の中の教育が、求められているのは確かです。やはりこれからの社会では大変必要になってくる。学校現場では、当然世の中よりちょっと後から追っかけていくと。先進的なことがはいるというのはなかなか難しいんで。そういう意味では、今の若者と、その世代が私たちの頃に比べると、考え方がやはり違っているところがあると。そういうふうなものの中で、じゃあ学校が先に子どもたちにどのような教育をするのかということでいうと、今教育長が言われているような創造性とか、発展性とか自分の中で先生から聞いたことを理解する以外にそれを発展させる力というのはこれから大いに求められていると思います。そういう観点は非常に必要だと思いますけどね。」

○吉田教育長 「このパブリックコメントに普通科が大事ではないかという主張もあります。けっこう多いですね。普通科は大事だと。生徒が急増する中で作ってきた学校は全部普通科だった。その普通科を作ってきて、子どもが減少する時代に入っていったときに、普通科を少なくして維持していったらいいではないかというのは定数のところでも2点目で説明してくれた、定数もそういう考え方ですね。30人学級を作って少なくしていって、学校はとにかく維持していって。収容定員をおとしていったらいいではないかということですよね。そこはどうですか。」

○森本委員 「今おっしゃったような話、この私どもがいまやっている教育委員会の見方としては、それを次のステップにかえようということで、実学教育も含めて出ています。実学教育はどうなのかという意見もあるだろうし、もっと普通科を残せという論法もありますね。その辺のところの意味合いに、これからの方向性を決めたいというところとマッチングしていくことが必要。そのところの発信力をおっしゃったようにもう一度、時間をおいてするとか。ワンクッション置くような手法を考えればちょっと変わるのではないかと思います。出してくる人は思いがあってやられていますからね。その辺のところがむずかしいと思うんですけれども、ずっと論議してきた結果でそのことが正しいとして進むならば、できるだけ今おっしゃったようなことをする必要性があると思います。」

○花山院委員 「今、本当に教育環境が変わっているというのが一番端的なのは、昔は大学を出たら企業が教育をしました。だから、大学を出て会社に入るという過程があれば、その企業が教育をし、自分ところで色をつける。今は能力を持っている人を会社は使いたいという時代に変わってきました。必ずしもではないですが、年功序列の体系というのは、特にIT企業などでは相当崩れていると思います。本当に昭和50年代60年代とでは今と全然違うので、いろいろな知識とかいろいろな自分たちの考え方、創造性も含めて技術を持って、それをどう活かして会社で仕事をするのか。ですから、会社が教育をしますよという時代は終わりました。子どもたちは将来10年後20年後にサラリーマンになったり、社会に出て行くときには、もっともっと変わっているので、新しい力をつけなければなりません。それを模索していかないと、子どもたちが一番しんどい思いをします。そのことをどう皆さんに理解してもらうのか、教育委員会が理解をしていただく努力、議会でも理解していただくというのが不足していると思います。今までのことが常だったことですから、そのことを変えるというのはしっかりと説明がないと難しいのではないかなと思います。」

○森本委員 「普通科高校のことがかなり多く出ていますね。出しているものと、これからの有り様、奈良県のあり方とマッチングが難しいですね。」

○吉田教育長 「ですから、普通科を定員を減らして維持するとか、そういったことに対する回答というのは、推進方針とは若干食い違いがあるわけですね。それに対してどうパブリックコメントに対して回答していくのかというときに、例えば『40人以上つめこんだりしません。考えなおしてください。結論は、学級定員を減らすこと、普通科にすること。』に対する答えは、『法により生徒の定員に応じて、標準となる教員数が定められています。このことを踏まえ、普通科設置校を郡市単位に1校は維持することとしながら、40人学級を基本として適正な生徒の定員を検討します。』っていうのは、どうでしょうか。」

○大西教育振興大綱推進課長 「今、普通科の定数のことが出ておりましたが、実は普通科に関わることについては、11件の御意見がございました。」

○吉田教育長 「他にも出ているのですね。どのような回答にしますか。」

○大西教育振興大綱推進課長 「はい。Noの39をご覧ください。その3つ目の論点になる思います。」

○吉田教育長 「ああ、3つ目の論点なのですね。」

○大西教育振興大綱推進課長 「はい。普通科の定数について、ちょっとおいといたほうがいいのではないかという御意見でございますが、学科に関する御意見に関しては、普通科、専門学科、新たな総合学科のそれぞれの良さを活かして、先ほど教育長の方からもございましたように、これからの時代を見据えていった場合に、それらの良さをそれぞれ活かした形で、配置していかなければいけないのではないかと考えております。そのためのことについては、普通科のみを重視するということを今回は考えてはおりません、という形で示させていただきました。先ほどご指摘がありましたように、なぜ普通科ではなくて、他のものが必要かということについては、もう少し説明がいるかとは思いますけれども、そういう方向性での回答をさせていただくのが案でございます。ご検討ください。」

○森本委員 「No38は、さきほどから話をしていた、前向きなことを御意見として書いてくれていますね」。

○大西教育振興大綱推進課長 「そうですね、こちらの方は肯定的な御意見をいただいています。」

○吉田教育長 「難しいですね。パブリックコメントに回答することは。」

○大西教育振興大綱推進課長 「はい。」

○花山院委員 「でも、まあ変な言い方ですけれども、声を上げない県民の中にこういう意見の人はいっぱいおられるし、今賛成しているような人もいっぱいおられるので、あくまでもこれは一部の人が書いているけれども、このような考えをもっている人が多数おられると思います。ですので、やはり説明というか、さっきから時間の取り方とか、説明を分かりやすくもう少ししていくということを求められているし、先ほど教育長がおっしゃったように、奈良県の子どもたちにどういう力をつけさせるんだという。例えば、今創造力という話をされましたけれども、そういうわかりやすい言葉、やっぱり、実際に私らはいろんなことでアクティブラーニングとか、こういうこととか知っていますけれども、一般の父兄の方がそんなに知っておられたり、卒業して何年もたっておられる方が知っておられるというのはなかなかないと思うので、やはりちゃんとした説明というものが、私たちが理解するだけではなくて、もっと多くの人が理解してもらうような場、説明が必要になってくるのではないでしょうか。こういう意見というのは、やっぱり理解してもらって、こちらはお願いしていくということが絶対に必要なことだと思う。」

○吉田教育長 「難しいなと申し上げたのは、例えば40人学級を30人学級にしたら良いではないかと。1クラスに30人入れたら良いではないかと。こういう意見がありますよね。それで、学校を維持したら良いのではないかという意見です。そうすると、現行の指導体制で言えば、3分の4倍の教員が必要になりますよね。」

○大西教育振興大綱推進課長 「単純計算でいえばそうなると思います。」

○吉田教育長 「標準法で国からは1学級40人で収容定員で教員数が配当されている中で、30人に下げていけと言われたときに、実際30人に下げると、4分の3倍しか定数がつかないということですよね。4分の3倍しか定数がつかない、その定数でもって指導体制を今のままでいこうと思ったら、差分の県単加配がそれだけ必要ということになりますね。現実には。あるいは、教員が授業時間をそれだけ多くもったら良いということにもつながるけれども。しかし、指導体制を今のままで維持すると言うことで30人に下げていくという行為をやれば、国からの定員、標準法で言う教職員は4分の3に落ちてしまうわけなので、4分の3に落ちた数で授業をもっていこうと思ったら、3分の4倍の授業をもたなければならないとか、あるいはその分を加配で入れなければならないとか、どこまで答えるのですか。」

○花山院委員 「いわゆる公教育というものを維持して、多くの人に数多くに知識を広めようとするときは、個人レッスンが最高だとしても、そういうわけにはなかなかいかないし、日本全体の教育水準をあげていくというのが、公立高校のある意味役割。私立も私学助成金が入っていますからね。ある意味同じところはあるでしょうけれども。そういう意味で言うと人数が少ない方が教育効果はいいであろうと。昔は今より10人多い50人クラスでやっている時代がもありました。人数が減れば、若干効果があがるというのは事実だと思いますが、子どもたちをどう育てるかというのはもっと大切で、数というのは整合性がある部分もありますが、そればかりとは違う論議でもあるんじゃないかな、というところも実際にはあります。」

○吉田教育長 「高校は義務とちょっと違いますよね。極端に言うと、20人学級をすると言ってて、高校にそれを、学校独自でやることは、許さないのかと言うと、やっても良いわけです。」

○花山院委員 「やってますよね。」

○吉田教育長 「やっても良いですが、やったら倍授業をもたなければならない、ということ。ホームルーム全体でそこまでやる必要があるのか。授業の中で少人数授業をやってるから、授業で選択制を入れてたら、それはそれで良いのではないかと。高校では40人というその学級をベースにして、選択授業をたくさん入れて、少人数の授業もできるようにしているのが実態ですよね。」

○大西教育振興大綱推進課長 「そうです。教科によってはすでにやっておられる教科がありますので。」

○吉田教育長 「はい、だから30人学級に対する答えはどういうふうにするのが良いのか。していただいて結構ですよ、できるんですよ、学校独自に。と言ってしまうのか、いやいや、制度として作ろうと思ったら1.3倍の教員が必要になってくるんですよということを主張するのか、などそのあたりをよく考えてみてください。」

○大西教育振興大綱推進課長 「はい。」

○吉田教育長 「では次にいきましょう。」

○大西教育振興大綱推進課長 「続いて、4つ目ですが、特徴的な内容につきまして、No.42を見ていただいたらと思います。
 実は、情報というある一定の分野の教育に関わることでございましたが、No.42におきまして、情報教育については、もっと積極的に進めてはどうか、そういうご意見をいただきました。あと、No.72から78も同じようなご意見で、合計8件そのようなご意見をいただきました。
 県教育委員会の考えとしては、事務局の案では、No.42に示させていただいたように、新学習指導要領を踏まえて、すべての高校の情報教育の充実を図ることを示した上で、情報に関する学科やコースも設置の検討を引き続き行うことを示したいと考えております。
 ご意見に対しましては、実は方針の案の方では、6ページのところで情報に関する学習については「将来的に」という文言を入れておりました。こういうご意見があるということで、当然もっと積極的に、取り組めということであろうということでごさいますので、この「将来的に」という文言を削除して案を変更した形で進めたいというのが原案でございます。
 最後になりますが、No.92でございます。高等学校の段階でも特別支援を要する生徒への特別支援学級の対策が全国的な課題になっております。これに関わって指針か何か、この方針の中ではあまり明確に示されていないのではないかというご意見でございました。
 それに対しましては、高等学校における通級の取組についての研究、検討を始めているところではあり、特に大和中央高等学校でそれを始めておりますので、今回の方針案の、こちらの薄い方の資料になります、そちらの7ページ、8ページのところを見ていただきたいのです。赤で入れさせていただいておりますが、定時制、通信制課程のところの今後のあり方で、文言をそれに関わって追加させていただいております。高等学校における特別支援教育の充実に向けた指導方針や指導内容等に関する研究を実施するという形で示させていただきました。
 情報に関することと、特別支援に関することの2点、案の修正という形での提案をさせていただきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。」

○吉田教育長 「それでは、情報に関する件と、特別支援教育に関する件で、推進方針を修正をするということかな。」

○大西教育振興大綱推進課長 「はい。」

○吉田教育長 「それに関していかがでございますか。」

○森本委員 「情報教育の関係は、前も論議したことがあると思うんですけども、ITの活用の部分について、ITの使用に伴う産業改革もあるし、それをどうかしていかないといけないことは十分認識しているが、そのITの中身のレベル、高校の教育の中でどこまでできるのかという話もあったと思うのです。その辺のところも、この質問されている人は、かなり高レベルのとこまで求められていますね。県教委として、出来るのか出来ないのかということは、言わなくてもいいんですか。」

○大西教育振興大綱推進課長 「ご意見の中では、高いレベルの情報についてのことをお示しされております。これにつきましては、今までの中でもご意見があったと言うことですが、例えば、そういう学科、コースを設置するかしないかについては、具体的な学校との関係性がありますので、コメントをいただいたことをもとにして、想定して進めて参りたいとは思っておりますが、実際に今、作る作らないということは、我々としてはまだお答え出来かねるかなと考えておりますので、検討してまいりますという表現で、お答えをしようと思っておりますがいかがでしょうか。」

○森本委員 「そこは将来的には、で良いのではないですか。」

○森本委員 「難しいなら。これは、かなり高度なことですよ。」

○佐藤委員 「今も情報教育をやっている。社会とか産業界とかこれから進んでいくと思うんですよ。今はまだ製造工場なんかはロボット化を進めようというのが今の段階なんですね。人工知能まではまだまだもう少し先だろうと言われています。そうすると、それよりちょっとだけ、早め早めに情報をつけてね、情報学科なるものの中身を高度化していく。そうすると限られた高校の中に、そういう学科を何校に持つか、そういうふうになるんじゃないかなと。一気に人工知能までいったって意味ないと思います。何年か先にはなってくると思いますけど。一気に人工知能をしたらコストが高くついて仕方がない。天文学的な数字になる。」

○吉田教育長 「まず高度な情報に関する学習を実施するために、普通科等設置校の中に情報に関する学習の拠点と位置づける高等学校を、と書いてありますね。情報教育をあらたに高度にということは、大学でも学ぶという意味でも言いたいのですね。それを、学習の拠点と位置づける高等学校を置き、それで、大学等と連携した専門的な学習が可能となる教育課程を編成、実施することとし、と。これは、学科やコースを作らずにそうしようと主張していた。しばらくの間は。大学等と連携した専門的な学習が、というのは、大学等というのは、要するに、大学の情報科学とか、数理情報とかと書いてあるから、極端に言えば、奈良先端科学技術大学院大学なのか、とか。想定しているのはそういうことですよね。それと、専門的な学習が可能となるような教育課程を編成、実施するのですね。」

○大西教育振興大綱推進課長 「案の中では、当初おっしゃったような、そのようなものを将来的には作ることを想定した内容になっていると思っています。それをご意見の中では、早めろ、というか、明確にという話でございますが、すぐに置く置かないと出すのは、とちょっと難しいと思いましたので。ただ読んでみると、それはまだ将来的というような形で、先送りのように見えるから、こういうご意見が出たのかな、というふうに受け取りましたので、形としては、我々も高度な、いわゆる拠点と位置づけるような学科、あるいは大学と連携した専門的な学習となるような教育課程を編成、実施すること、ということについては、前向きに検討していきたいと思っているので、修正として、将来的にと書いている部分をはずさせていただきました。」

○吉田教育長 「『実施することとし』、も『検討』、にかかるのですか。」

○大西教育振興大綱推進課長 「実施することとするのでございますので、それはそれで進めていきたいと考えております。ただ、学科やコースの設置を明確に、教育課程を編成することと、コースの設置というのは、直接リンクしないので、こういう形で書かせていたのですが、いかがでしょうか。」

○吉田教育長 「教育課程を編成することとし、と言っていることが、編成が大学との連携をして教育課程を作るときに、コースとか学科を作らずにできるっていうことならばそうなるし、この方の主張では、それではできないでしょう、と言ってるわけでしょう。」

○吉田教育長 「だから、『こととし』、というので、大学との連携した教育課程を作ろうと思った時に、普通科高校の全般的にその情報というものを大学と連携して入れるというのは、そんなのは無理でしょう、と。1クラスや2クラスでないと。大学と連携して、教育課程作れますかと、言うことに対してどう答えるか、ということなんですけどね。」

○花山院委員 「情報ってひとくくりにすると、今私たちは、そのいわゆる奈良情報商業高校がやってるような、一般的な生活の中で使うようなエクセルとかワードとかソフトを、自由に使いこなせて、業務でも使えるとか、という情報と、極端に言えば、3Dが出来る技術を持っているとか。私らの年代にはいないですけど、若い子は、普通に3Dとか、もっと高度な技術を持っている人もいる。研究を対象とした大学と連携を取ると、その情報という言葉の中でも、実は色合いが違うんだけども、それがやっぱり端的になってきたのは、ここ数年だと思うんですよね。それが少しごっちゃになってると。どこかもう少し情報というものにも、一般生活でのいわゆる経済活動で、事務的に必要な情報の力と、それからもう少し専門的なもの、それから研究的な対象の情報というのが、どういう部分で奈良県の子どもたちに必要で、リンクしてくるのか、という、将来的なことなので、当然どれにも対処していかなければならないんだけど、それを少し分かりやすくした方が良いのではないでしょうか。」

○吉田教育長 「今、プログラミング教育の流れが入ってきていますね。確実に。小学校で導入しましょうと。中学校では技術でやりましょうと。高等学校では、その情報の中でやりましょうと。これはどこまで入ってくるかは分かりませんが、おそらくみんなが学ぶということは、本当に簡単なコンピュータを動かす動作プログラミングかもしれないが、ご経験からの参与の意見を聞きたいです。高度情報というものというのは、やっぱり大学でするものなのでしょうか。」

○竹本参与 「適正化推進方針の文言については、『情報』には、さまざまな分野があることを念頭に書いているつもりですが、それらが一般的に明確には理解されていないということです。先ほどから奈良先端科学技術大学院大学の話もでてますけれども、やっぱりそこでの内容というのは、サイバーセキュリティーやAIの世界に入ってしまいますので、それこそ、ホワイトハッカーを育てないといけないとか、ウイルス対策をするとか、AIロボットを作るとか、そういう産業界等と直接結びついた研究が行われています。防衛省時代の経験から、その分野はある程度わかるのですが、校長として高校に赴任して、そこで「情報」と言われたときに、簡単なソフトを学ぶとか、「情報と社会」とか、いろいろな科目がありますが、基本的な考え方と普段使えるワードやエクセル等のツールを学ぶ、パワーポイントで何か作成する、というような、全生徒が共通に学ぶ「情報」と、高度な技術を要する「情報」とがあり、概念を明確に区分して話さないと、理解はなかなか得られないのかなという気はしています。
 高校での教育は、全員が幅広く、実用に供するものを学ぶことが適当だと思います。しかし、サイバーセキュリティーやAI等に特化したことを研究する人たちも必要で、興味をもっている人たちは、子どもたちの中にも少なからずいると思います。ですから、そういうコースを高校を作ることも大事だと考えます。そこをここには書かせていただいているわけですけども、区分し、両者の必要性を理解してもらうのは大事かなと思います。」

○吉田教育長 「区分してね。要は理数科と情報関係をどう整理するか。こういうことを将来的に検討するとはどういうことでしょうか。検討する。で、将来的に、と言うと、何年後に検討するみたいなイメージですか、この文言は。」

○大西教育振興大綱推進課長 「はい。将来的に設置を検討していこうと。」

○吉田教育長 「今、検討するわけではないですね。」

○大西教育振興大綱推進課長 「この文言ではそうです。」

○吉田教育長 「ある意味では文言がおかしいと思えばおかしいですね、パブリックコメントとして出てきたら、やはり前向きに検討する意味で、将来的にというのは取って、実施計画の中へ議論は、というのは入れていく、推進方針から実施計画の議論に入れていくということで、どうでしょうか。」

○花山院委員 「これは、消すということですね。」

○吉田教育長 「はい。」

○吉田教育長 「理数の在り方と、情報の在り方を検討して、結果的に理数が残るかどうかとかということを含めて、情報がその先になるという結論になっても、検討は、検討していくということは、今の実施計画の中で検討させていただくということでどうですかね。」

○森本委員 「入れていったときにね。そのことも含めてやらなければならないという話になったときには、高校では無理だなと、そこで高校から次に上級の学校に行って、次のステップというようなこともありましたね。」

○吉田教育長 「高校で全部できないです。」

○吉田教育長 「高校ではその素養をどこまで教育するのか。どこまでプログラミング教育をするのか。」

○森本委員 「今、分割して通常の情報と、新しく次の理数系のね、おっしゃった今のサーバ系の話とか、そのことについてのその仕分けをしてあげないと分からないようになりますね。」

○吉田教育長 「そうですね。そういう仕分けも出来るのでは。」

○森本委員 「何もかもできるように思ってしまう。」

○吉田教育長 「要検討ということで。」

○大西教育振興大綱推進課長 「はい、分かりました。」

○吉田教育長 「次は、特別支援の方はどうですか。ある意味では、一人一人の教育的ニーズに即した個別の指導方法の確立というのは、これはある程度特別支援教育を意識した書き方になっいるのですが、それを明確に、もうここへ通級の指導を大和中央高等学校で今からやるので、それをしっかり高等学校の中にどのように位置づけているかということを研究するということですか。」

○大西教育振興大綱推進課長 「はい。」

○吉田教育長 「それでどうでしょうか。」

○花山院委員 「良いのではないですか、ここは。」

○大西教育振興大綱推進課長 「こちらから提案させていただくことにつきましては、以上のことでございます。もし、これ以外のところでもありましたら、よろしくお願いいたします。」

○吉田教育長 「それでは、パブリックコメントによって、推進方針案を変更するのは2点ということですね。それ以外、この2点以外については、変更しないという前提で回答するということでよろしいですね。それでどうですか。」

○花山院委員  「良いのではないですか。それは話し合ってきたことですしね。最初の話の繰り返しのようですが、民意をくみ取る時間が少し必要なのではないかと思います。」

○吉田教育長 「なくなさいでとかいろいろ声が出てるけれども、6月に公表する実施計画案で示すというだけでいいのでしょうか。パブリックコメントに対する回答はこれで良いのでしょうか。」

○塩見次長 「そうですね、意見いろいろいただいた中で、この臨時教育委員会で修正ということで、決めていただいたら、示すのはそれでいいと思います。」

○花山院委員 「問題はその後ですね。」

○佐藤委員 「これら教育委員会の考え方をどこかで公表するのですか。」

○吉田教育長 「これは全部ホームページに掲載します。」

○佐藤委員 「これを基に、教育委員会として具体化していくのですか。」

○吉田教育長 「文教委員会への報告は、どうだったのですか。」

○大西教育振興大綱推進課長 「それは確認します。」

○吉田教育長 「お願いします。」

○大西教育振興大綱推進課長 「いわゆる行政説明を求めるような依頼があったときには、行って説明しておったのではないかと思うので、過去のことについては調べておきます。」

○吉田教育長 「調べておいてください。」

○大西教育振興大綱推進課長 「説明をする方でという形で、それをそのまま書く方が良いのかどうか、少し検討させていただきたいと思いますが、いかがでしょうか。」

○大西教育振興大綱推進課長 「はい。」

○吉田教育長 「もちろん、説明できる実施計画を作らなければなりませんね。」

○大西教育振興大綱推進課長 「はい。」

○塩見次長 「パブリックコメントは、6日まで意見募集をしました。これからその意見を踏まえて、この場で実施計画案を作るということになりますよね。」

○吉田教育長 「今、推進方針に変更する点は2点ですね。だから、平城高校をなくさないで、という答えに対しては、推進方針には何も変更するっていうことはないですっていうことですね。ただ、パブリックコメントに対してはこういう姿勢で県は、ということで言った時に、次、実施計画で説明するっていうことは書くんかどうかは、検討してくれたらよいと、それで良いですよね。」

○塩見次長 「はい。」

○吉田教育長 「推進方針案については、この2点の変更でよろしいですね。」

○花山院委員 「よろしいです。」

○吉田教育長 「それで決めさせていただいてよろしいですね。後の意見については、パブリックコメントに最後どう返すかということは、この意見を踏まえてください。よろしいですか。
 それでは、パブリックコメントの結果についても、今の意見を踏まえていただいて、そして最終案を決定して公表をさせていただくということにしまして、推進方針の案につきましては2点の変更を踏まえて、ここで議決をさせていただいてよろしいですか。」

○吉田教育長 「他にご意見は無いようですので、県立高等学校の適正配置に関する検討につきまして、議決をしていただけますか。」

(各委員一致で承認)

○吉田教育長 「それでは可決させていただきます。」

○吉田教育長 「それでは、これをもちまして、臨時教育委員会を終了します。」