司会:
おはようございます。
それでは、ただいまより知事定例記者会見を始めさせていただきます。
県立高校の耐震化について
知事:
発表ということではないんだけども、県立高校の耐震化の話について、補正予算案の提出が迫っていますので、これまでの経過と今の対応の姿勢を少し申し述べてもいいですか。資料を用意していませんけれども。
昨日いろいろ報告を受けたものですから、経緯を含めてかいつまんでご報告いたします。
11月8日に定例教育委員会が開催されまして、耐震未了の県立高校の安全性の確認結果と、さらなる措置の検討結果が報告されて、承認されたと聞いております。明くる日の9日に、知事部局に正式な報告があったと聞いております。私は先週は予算の陳情と企業立地のプロモーションで東京に行っておりましたので、昨日13日にそのような内容の報告を受けました。
これまで耐震の必要性について検討して報告するようにということを、教育委員会に私から要請を行っておりましたので、そのような流れの中での教育委員会のご活動だと思います。耐震補強あるいは仮設校舎の必要があるとの教育委員会の内容でした。財政当局に補正予算の要求があったと聞いております。その内容は、まだ私は知りませんが、順次財政課から報告があると思います。
また、議会関係の動きです。報道されておりますが、自民党3会派及び国民民主党が昨日私の部屋へ来られました。また公明党からも電話がありまして、十分な予算確保をするようにという動きがありました。そのような経緯を踏まえ、教育委員会から補正予算の要求が出ていますので、11月議会での補正予算措置が必要かと思います。予算措置をしたいと思います。内容は具体的なものはありませんが、そのような流れになっていますので、ご報告をしたいと思います。
司会:
それでは、この案件に関しましてご質問ありましたらどうぞよろしくお願いいたします。
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質疑応答
県立高校の耐震化について
奈良テレビ:
補正予算をつける中での知事の思いを、改めて聞かせてください。なぜ必要かも含め。
知事:
思いといっても幅が広いから。最近いろいろ報道されていて、また教育委員会と保護者の方との折衝もあります。そのような中での思いといいますと、耐震化、耐震性向上は大変時間と予算のかかるものですから、なかなか措置できないところがあります。
耐震化については、教育委員会の要望を受けて、養護学校特別支援学校を中心に進めてきたように理解をしています。今度の再編の中で耐震不足が出てきて、焦点が当たったと思います。措置をしようと教育委員会が判断されたので、予算要求が出てきたと思います。
教育委員会は学校の管理、ハードの管理、ソフトの教員の生徒への管理について、全面的に責任を持っておられます。ですので、耐震については、幸い地震が起こらなかったおかげで事故にはつながらなくて幸いですが、やはり怖いのでできるだけ早くしたほうがいいかと思います。この機にできることはすべきだと、要求があることは歓迎いたします。
奈良テレビ:
知事として、その予算をつけることによって、生徒さんへの思いはありますか。
知事:
地震は、起こらないと何事もありませんが、起こったときは耐震のあるところと耐震のないところは、仮定・仮想の話ですがあります。例えば大川小学校の訴訟は最高裁までいき、管理責任を問われて厳しいと思いますが、あれは津波で、ソフトなんですね、生徒の管理だから。
基本的にはハードで安心してはいけませんよと、耐震性が向上されても地震が起こったら壊れるかもしれませんよと。逃げるときは逃げないといけませんよということ、避難のメンタリティーというのは、地震というのは、ある面一過性だから、とにかく助かってほしいと災害対応としては思います。
どちらかというと、災害をいつも心配するのは大変だから、ハードで安心だと「ここまでしたんだから」と人間はそのような気持ちになりがちなんですが、いつも危険がそばにある可能性がある。見えない危険がぼこっと出るかもしれません。そのときの対応というのは、その個人のメンタリティーが大きいんです。大川小学校の教訓は、学校にあっては先生が絶対ですから、先生がそこにいろと言ったら生徒はいるんだから、山へ逃げろと言えば逃げられたということが、あのときの教訓だと思います。これはすごく大きな責任と権限だと思います。それが一番だと思います。だから耐震の強化というのも、もちろんハードで大事だと思いますが、全面的に安全だというわけじゃないということをいつも思います。
保護者の方はご心配されているが、これで安心だと思ってもらうわけにいかないと私は思います。しかし、いざというときにリスクを下げる投資はしないといけないと思います。どんな地震が起こるかわかりません。地震ということに対してはですね。地震のときにでも生徒さんを、机があれば助かるわけなんだから、机の下に入れば助かるということを先生方がいつも指導して、耐震化したらそういうことをサボっていいよとは、万が一にも先生自身が思ってはいけません。それは管理については先生が全面的に権限を持っておられるんだから、右向け右なんだから、その管理について大川小学校の反省というのはすごく大きいと私は思っています。行政が学校の管理自身に介入するということは今許されてないんだからといつも思っていますので、先生方の自覚がすごく大事です。災害時の自覚というのは大事だと思います。
お答えになってないかもしれませんが、この災害に対応する感想としては、そのように思っています。
奈良テレビ:
予算的に実際幾らぐらい組まれていくご予定ですか。
知事:
どのぐらいかな、まだ聞いてないですね。
奈良テレビ:
発表される予定はありますか。
知事:
補正予算の提出権は知事部局にありますので、議会に説明しないといけないと思います。補正予算案の提出の内容、重要事項は何事も議会に説明してから、報道機関の皆さんにというのが奈良県政の順序です。
毎日新聞:
確かにソフトの管理は非常に大事なんですが、ハードの面という意味では、本来やらなきゃいけない耐震を10年以上放置していたという部分があって、そこら辺が明らかになっていない部分もあったから今回のように非常に問題になっているわけでして、9日に教育委員会から知事部局に正式報告があったとのことですが、県教委から長らく耐震化を放置していた経緯について知事部局に何らかの言及はありましたか。
知事:
やらなければいけない部分があった、明らかになっていない、放置していた、これは記者さんのご意見だと思います。それが客観的かどうかということは、またいろいろ議論してもらったら良いと思います。言及について、担当に対してあったかどうかは知りません。
毎日新聞:
特に聞かれてはいないということですね。
知事:
私のところには伝わってきてないということです。今の3つですね。やらなければいけない部分があった、明らかになっていない、放置していたという言及があったのか。放置という言葉ですけどね。そういう見方というのはあり得ると思いますが、それは一つの見方だと思います、私の立場からは。もう少し客観的に検証されなければいけないんじゃないでしょうか、歴史ですから。
毎日新聞:
こういう結果になったことについて、結果的に知事にも(責任が)多々あると思います。
知事:
それもあなたの意見だと思います。
毎日新聞:
意見かもしれないです。
知事:
それはまたいろいろ議論とか客観的に検証しなければいけないと思います。いつも私が言ってますのは、教育委員会の権限が強いですね。教育委員会の権限が国の法律で強い。私の感想ですけどね。全体を踏まえた記者さんの意見に対する私の立場からの意見ということになりますけども、何度も言うように日米知事会議で、アメリカの知事は教育の権限を全面的に持っているんです。
毎日新聞:
ちょっとその辺は…。
知事:
いやいや、ちょっと聞いてください。せっかく議論してるのだから。大事な議論です。
毎日新聞:
端的にお願いします。
知事:
お互いにレッテル張られたり押しつけられたりするの嫌だから言いますけど。
日本は国法があって教育委員会にあると。知事の立場からの、権限責任が違う。いつも思っていましたが、日米知事会議でさらに思いました。これは国の制度だから、その中で多少変わったのは、教育振興大綱を知事がつくれるようになった。これは法律があって初めてできた、公に知事が大綱という意見を策定できるようになった、これはつい最近ですが、進歩だと思います。知事が意見を大綱という形で表明できるようになった。大綱は、耐震性について強化しろというようなことを言えるのかどうか、これは曖昧だからね。曖昧だからそこまで言えるのかどうかというようなことを、しっかり予算を要求してもらう。大綱でつくれというのも、これ、生徒の管理についての責任が教育委員会にあるんだから、管理の権限ないところに基本的な責任はないものだから、逃げるわけではありませんが、介入のしようがないというのが今までの私の気持ちですね。もしその立場が正しければ、その上でまたご判断くださいということだけ言っておきます。
毎日新聞:
もちろんそうですね。一義的には教育委員会がされることなんですが、平成27年12月、最初はどうも平城と奈良との統合といった考えの部分があったと、教育長がおっしゃってたんですが、最初に知事に持っていった時に、統合で教育の質の向上につながるんですかという投げかけを受けて、教育長はそこで立ちどまられて、本来ならば耐震化を中止するんだったら、そこら辺を要は決断できなかったと……。
知事:
必要なことはぜひ検証してください。私の態度は今言ったことに尽きていますから。個別のいろいろのヒストリーは、ぜひまた取材で検証してください。
毎日新聞:
はい。あと、ファシリティーマネジメントもね、一昨年の3月に県の公共施設等総合管理計画ができてますが。
知事:
ファシリティーマネジメントに学校施設は入っていないです。
毎日新聞:
いや、入ってますよ。
知事:
入っていない。学校施設の管理は教育委員会だから。土地などはファシリティーマネジメントするけれど、現存の校舎は入っていません。また、それを検証して、いろいろ議論されればいいのではないですか。担当から返事もできます。時間が押しています。ほかの質問もあると思うので、時間が余ればまた言ってください。いくらでも答えますから。
毎日新聞:
ああ、そう。
知事:
うん。いくらでもいいですよ、どうぞ。
毎日新聞:
はい。
知事:
いくらでもいいです。全体の中のこちらの判断。
毎日新聞:
逃げないでください。
知事:
当然です。失礼じゃないか、何が逃げてるということなんですか。怒らすつもりなんだろうと思いますが、全く逃げないですよ。
毎日新聞:
はい、わかりました。
知事:
権限の範囲で全面、全力を尽くしています。それだけはメモしてください。何という言葉だ、大変失礼な言い方ですね、とだけ言っておきます。怒らないでおこう。怒らすつもりだ。
奈良新聞:
今回、代替案が出されて、例えば奈良高に関しては城内校舎に2学年分を移転、移動。1学年は残す、何かこういう手法になって、さらにまだ課題が山積みになるとは思うんですが、今回の代替案、感想も含めて、知事としてはどうしたらこの課題解決するのか、そういう思いがあるのか、所見も含めて教えてほしい。
知事:
今度の代替案といいますかね、仮設校舎も含めていろいろ練られて、その過程に私は入ってませんし、またそういう権限もないというのが先ほどから言っていること。逃げているわけじゃないということを繰り返し言っておきたいと思いますが、権限があれば、私の責任であれば、当然するのが私の流儀。今度の権限で教育長が、生徒にどういう扱いをすればいいのか随分練られた。それを練られたのは、まず尊重しないといけないと思います。
私は、こうだ、ああだとあまり言う立場にないように基本的に思うので、生徒の扱いだから責任を持ってやってくださいというのが今までの知事部局と教育委員会の関係だったと思っている。これは逃げることにはならないと思います。
今の感想と言われても、生徒の扱いだから責任を持ってやってくださいよということを期待するのみです。具体的にこれがいいのか、あれがいいのかということになかなかあまり発想が出ないし、調べて言えよといったら何でも言うのかと思うのだけど。やはり権限がないところにあまり言ってはいけないと思います。教育委員会と知事の責任の線引きということになると思います。ちょっといろいろ移ってくると思います。今までの教育委員会の立場は、生徒の管理は学校に行くと校長先生が全責任を持つ、施設は教育委員会が全責任を持つ、こちらは予算措置、要求あれば査定する、要求がないところに査定はないのが予算措置の基本的な考え方だからというのが、私の古いかもしれないけれど、役人の伝統的な考え方です。
奈良テレビ:
予算措置の思いがあるのではないかと思うのですけど、それは今回はどうでしょう。これから精査されるのかもしれないが。
知事:
これからの予算措置は、十分応えるようにしたいと思います。内容がいいのか悪いのかということを一から吟味する。またプロセスを一から、プロセスがあった上での最後の予算措置なんだから、プロセスの実質的なところは教育委員会がされてるんだからということですね。予算で、他の部局の権限が確立しているところの予算措置というのは、お金がないからとか、そういう先送りとかという予算の査定はあるが、基本的にはそれがいいとか悪いとかということはあまりないのではないかと、私の考え方では思っています。
奈良テレビ:
細かい確認ですけど、教育委員会からは一県立高校だけじゃなくて、ほかの校舎についても仮設するという案ですが、そこはそれこそ、これから吟味の対象になるかもしれないですけど、基本的には全部受けるということでいいですか。
知事:
それはそうだと思いますね、教育委員会が練った案だから。私の今の総括的な意見としては、最大限尊重しなければいけないプロセスではないかと思っています。予算措置という責任はあるので、提出権は私のほうにある。要求あっての提出だということに、このケースでは思っています。そのほかの部局は、そのファシリティーマネジメントと言われる廃校になったところはどうするかというのは練ったりします。現在の校舎の扱いについて、それは対象になってないと、先ほど申し上げたとおりです。
NHK:
今回、いろんな立場、見方があるというのはおっしゃるとおりで、ただ経緯についてよくわからないところがあって、特に安全性への考え方、耐震性への考え方。今やりとりの中で知事は、この経緯については客観的に検証されるべきとおっしゃった。
知事:
経緯のヒストリーはね。
NHK:
そうですね。そういうことを教育委員会に促すようなお考えというのはありますか。
知事:
そうですね、これは皆さんとの会話ということにもなる。どういう経緯だったのかというのを、次のこともあるから。教育委員会と知事部局の関係も、大綱ができて流動的になっている。先ほどアメリカの例も言ったが、文科省があまりかたくなに教育委員会の権限だ、侵すなと今まで言ってこられたように思うので。私の見方は、色々な面でそれが一つの壁になっていたと感じ、それはもっと流動的に交流、意見を言える立場になれば、色々なことを言えるのにという思いはある。むしろ積極的な気持ちがずっとあった。それには壁があって、そういうことは言ってはいけないのだというふうに、国の法律でそうなってるのだからというような。アメリカとは全然違う。アメリカは全面委任されているところと、委任という法律もない、というようなのが私の観念だから、それがこの歴史とともに変わってくるかもしれないという意味でも、広い意味でその歴史検証みたいなものはされたらどうかと思います。
それは、誰が悪かったからというふうに皆さんよく追及されるパターンがある。それもしてはいけないということではないが、歴史の検証は、次に活かすための検証であれば我々にとっていいのではないかと思う。事件、事故みんなそうです。幸い事故、事件は起こってないが、次の検証のためにいろいろどういう権限のあり方、介入の仕方、意見の言い方ということがあったのかというのは、これも一つの大きなストーリーになる可能性があると思います。大事なケースだとは思っています。
それは大きなところで、日本の国法のあり方にも関係すると先ほど言ったが、なかなか文科省の国法は変わらないが、文科省でもちょっとずつ変わりつつある。国の中で、地方分権の中で随分変わってきた中で、文科省の法律というのはなかなか変わらない分野だなという印象をずっと持っていたので、先ほどのような発言をした。それが変わる可能性もあるかもしれないというふうに思いますので、今度のケースを検証、再編と耐震の話もありますが、再編のプロセスの中で出てきた議論でもあろうかと思います。
再編というのは、一つの検証過程。再編自身は、それこそ知事部局、私なんかは介入の権限とか責任は全くないとずっと受けとめてきました。これは逃げているとかではなく、そのような役割だと思って、国法で再編について口を挟むのは許されないと思ってきた。もっと介入しろよという意見があるかもしれないけど、ではできるのかという検証をしていかないといけない。今まではそうだというふうになっていたと私は思います。
今までの奈良県での再編でもずっとそうだったと思いますが、他の県でもそうだったと思う。というのは、国の法律で教育委員会という制度が厳然としてあるというのは、私の見立てということを繰り返し言っておきますが、それを前提にいろいろ判断される。それは変わるかもしれない、教育振興大綱がつくれるようにもなり、これはすごく大きな進歩だと私は思っている。知事権限が初めて積極的に法律で定義されたというふうに思う。教育の国の法律はすごくたくさんあるので、アメリカと違うということは実感している。もっと緩めば、知事が教育の内容に介入できる余地が生じると私は思います。私も教育熱心な、好きなところがあるから。アメリカの知事は、障害者とか出所者の実学教育を自分がやったと言っている。ものすごく熱心にしたいと思う分野はあるんです。それが私の感じでは、教育委員会の壁、教育委員会制度の壁に阻まれているようにずっと感じてきました。それを言いわけとおっしゃるならば、何をということになるでしょうね。法律制度の見方がそうだったというだけの話と私は思っています。
NHK:
その大きな観点の知事と教育委員会の関係というのは一つ検証すべきかもしれませんが、今、私が申し上げたのは、教育委員会の中で当時どういう判断があって、どう決めていったのかを、それを検証せよと伝えないにしても、検証したほうがいいんではないかというお気持ちはあるんですか。
知事:
それは教育委員会の中でどういうふうに形成されてきたか。それと外への出し方、調整の仕方というのは今後のためにもなるから、よく教えてもらうとありがたい。それは検証という形でされて、振り返りという、知事部局ではいつもやってますけども、いろんなイベントがあったりするといつも振り返りをする。これはよかったのかどうだったのかというふうに振り返りをしてますけれども。教育委員会でもされたらいいかなと思います。促すことはできると思います。
司会:
この件で、ほかにご質問はどうでしょうか。
では、ほかの案件も含めましてご質問よろしくお願いします。
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来年度の当初予算編成について
時事通信:
今、まさに来年度当初予算の編成、まとめ中だと思いますが、骨格編成にはなると思いますが、知事としてのテーマというかございますか。
知事:
来年度、選挙があるから普通は骨格予算で、骨格予算ももちろん、当初予算の話は全然私のところに上がってきてないです。今は12月補正の段取り、日程等が上がってきて、補正の提出の中身が間もなく私のところへ上がってくると思いますが、当初予算はまだ全然上がってきておりません。想定されるのは、選挙があると骨格予算になると思いますので、その骨格性と、例年、各県ともそうですが、骨格性というのを維持するのと、それは選挙の結果の責任者の登場を待つということで、普通だと。どこまでその骨格性があるのか。継続的に事業が進んでいるものや、途中まで来ている予算、緊急的な予算は当初でも入れてもいいというように議会との折り合いで出ることが多いですから、その骨格の内容はどの程度になるかということにこれからなってくると思いますが、そのマターによると思います。骨格予算は基本的なことですが、骨格性がどの程度骨格なのか。骨に多少の肉がついてるかどうかというような程度だと思います。
時事通信:
必要不可欠な骨の部分の予算にしても、骨も削らなければいけない部分もあると思います。それは今年度、骨格の骨格としての方針というか、骨格だけでもここは削るとか、何かそういうものがありますでしょうか。
知事:
私は、あまり予算で査定したことないので、国でも県でもあまり査定したことがないので、骨を削るというもの、全体の考え方は、財政の構造、全体の財政の健康度を維持するということが最大の目標ですね、財政運営の。それは県債管理、今、金利は低いですが、県債を増やさない、財政に赤字を出さない、そういうようなのが大きいです。それから、BS関係では、無駄な資産をなるべく潰していくというようなことを心がけています。それはどのような首長でも心がけられるはずです。財政運営のそういうものを維持する。
それと、奈良県の特徴から見ると、今まで財政は大変小さくバランスとるということでしたが、税源涵養という立場からも税源に回ってくるように、市町村も含めて、税源涵養できる投資というのはしていかないと、これは経済ということになると思います。これは民生の分野では雇用発生ということになると思いますが、奈良県の実情はその面が大変弱いので、それには心がけてきましたので、それが大事だと思います。税源涵養につながる未来への投資、財政の規律、骨を削るのは財政規律ということをおっしゃっているのかもしれません。それは当然でありますので、骨を削るか、肉をそぐか、筋を除くのか、とにかく地方の予算は小まめに積み上げたり削ったりすることができますし、それが一番大事と思っております。国は大きな柱をばんと打ち上げて、それに資源を結集するという手法が日本の国は割と多いです。経済財政諮問会議でこれを何とかしないといけないということでされることが多いと思いますが、地方はもう日々いろんなことがあるので、小まめ、小まめに積み上げていって、将来のバランスが地域でとれるように、経済的にも、経済がよいと税源も財政もいいようにはね返るというように私は思っています。
時事通信:
来年度は消費税増税が迫っており、その反動減等の影響も懸念されると思いますが、奈良県独自で予算、当初の段階で云々かんぬんというお考えはありますでしょうか。
知事:
今のところ、まだ当初でそういう消費税増税対応というものは出てないです。国の消費税増税対応は、全体の経済のずっと安定している波を下げないということと、10月に変わるときの2%動くときの、かくっと下がる傾向が日本はある。ヨーロッパはそんなにない。ならすということと、全体の勢いを落とさないということ、2つ対応が違うと思います。ならすということに国は随分注力されているような気がいたしますけれども、その全体の勢いを下げないという、ならすというのに、国の予算に先駆けて地方はあまりアイデアがないです。全体の経済の勢いを落とさないということは、消費税でダメージがある時に、地域でやはり偏差があると思います。どこに偏差があるのか、そういう影響を受けないように経済の温度を上げるように、消費税のアップがあるからということではなく、税源涵養につながるように、雇用が維持できるようにということで、いつもやっていかないといけない。経済活性化は、やっていかないといけない奈良県の事情だと思っています。
だから消費増税の時にも同じようなことだと思っていますので、その消費増税の時に対応するのに、そういうことを心がけている地域とそうでない地域では多少差が出るような、例えばインバウンドの消費を取り入れるというような、消費税が2%上がった時に、国内消費は地域消費も含めて多少ダメージがあるかもしれない。それをインバウンドで取り戻せる地域とそうでない地域に差が出ると思います。すると、地域の知恵ですが、インバウンド消費をその穴埋めに使うというのは、手の内みたいですが、一つの知恵としてあるんじゃないかと私は思っています。
時事通信:
肝心のインバウンドの観光で落ちるお金が、奈良県は全国でも下位だったと思います。
知事:
それが課題ということで、努力して直そうと、こういう時にも役に立つように直そうということで、努力を継続しているつもりだから、それは多少効果はあるように思いますが、まだ実際にその消費のほうに効果が出るのはこれからだと思います。これから特に宿泊による消費の効果が出る。宿泊の施設があるところとないところで、インバウンドの受けるお皿が違う。お皿の大きさを大きくしたほうが、これは日本の消費税アップと関係ない消費、これは大きな意味になると思う。今までの5%から8%の時と違って、この2%はインバウンドでみんな各地域思っていると思いますが、インバウンドでうちは元気を維持するぞと思っている地域も多い。奈良県もそうだと思います。
それは落ち込まないようにするというのには多少あるので、先ほど構造的にあまり消費を、訪問客が多いのにもかかわらず消費が少ないという構造的ハンディはありますが、とにかくインバウンドで来られる地域は、それでもうらやましいと来ないところから言われますから、とても大きなポテンシャルがあるということです。それを取りに行くことが一つのアイデアだと思っていますが、あまり手のうちを・・・。隠すわけではないですが、一つのアイデアだと思っています。
時事通信:
奈良県としては、これまでもホテル誘致や、民泊条例制定等、いろいろ観光施策に取り組んでこられていますが、今後さらにもう一歩、消費税増税を穴埋めするぐらいというのであれば。
知事:
来年の10月に間に合うかどうかわからないですが、ホテルや施設的なものは時間がかかりますから。しかし、飲食等いろんなものが整備される。それと大事なのは、今までをずっと見ていると、例えばインバウンドの人はバスで大仏前駐車上へ行って、2時間、3時間止まってぱっと帰られる。消費がとても少ない。来年一つ変化があるのは、大仏前駐車場がなくなりますので、それがなくなります。全て(仮称)登大路バスターミナルになる。バスターミナルだと滞在時間が、強制的と言わないまでも、歩かないといけないし、大仏殿だけでなしに興福寺とかバスターミナル周辺もある。
それと、ぐるっとバスを、大宮通りぐるっとバスでやる、赤いバスでやるということは、少なくとも、奈良市は大きな消費地だから、平城宮跡とか西のほうへ拠点があれば行かれる。ならまちのほうに赤バスで行かれる、橙バスで若草山に行かれると、3本のバスで、なるべく大仏殿へ行って帰られるというパターンのインバウンドを抑制しようということが、来年の10月には実現していると思います。バスターミナルは来年の春までにはでき上がっていますし、ぐるっとバスも直通運転化の奈良交通との調整が進んでますので、それは当初予算になりますが、これは要求したいと思います。骨格でおろすよりも、もう要求しておきたいと思います。その消費税対応ということも、今みたいにストーリーを考えると、消費税にも効果があるから、消費税アップでもインバウンドを取り込むという、競争だからと議会にも説明したいです。これは誰になっても必要なことと説明したいです。
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外国人労働力受け入れについて
産経新聞:
国会で今、外国人労働力の受け入れを拡大するという出入国管理法改正案が議論されていますけれども、仮にもし本当に来年から始まるとなった時に、奈良の視点から知事はどのように捉えていらっしゃいますか。
知事:
入管法の改正ですが、こんな本格的な議論が始まるのは、私もずっと、外国人労働者をどうするかというのは参議院議員になってからの一つのテーマでありましたので、そういう動きがあることは基本的に歓迎の気持ちが強いです。多分、拙速じゃないか、という意見もあるということも踏まえておられると思いますが、それはそのとおりだと思いますが、外国人の扱いはずっと参議院議員時代からも問題提起しておりましたが、政治の場で正面切って議論することがなかった。この法案という形で多少拙速ぎみかもしれないが、議論されることは歓迎。この機会に本質的な議論をしてほしい。
本質的な議論というのは、グローバル化の中で外国人の人材をどのように日本は制度的にもメンタル的にも受け入れるか。特にメンタルということが、それこそ逃げてるんじゃないかと、政治が逃げてるんじゃないかと思ってきた点なので、今度も逃げないように議論してほしいというのが、技術的な話でなく基本的なところがありますが、これ大変なのでなかなか解決できないのですが、日本は政治的になし崩しじゃないかという意見もありますが、しかしどんどんなし崩し的に進む中でも、本質的な議論を忘れないようにしてほしいという気持ちでいっぱいです。
本質的な議論というのは何かというと、例えば大坂なおみさんが、全米オープンで優勝された。これはすごく大きなイベントですが、日本人かどうかというのは、ドイツでもありますが、そういう問題が起こった時にどのように考えるのかというようなこととも繋がっています。これは働く、ワーキングビザの話ですが、入管法のビザの話ですが、そのようなテクニカルな面と、メンタルの面と、それから基本的な面と、3つの議論の分野があると思います。これは3つ私がみんな仕切る立場にもないわけですが、私の立場としても、本格的な議論を国政で展開していただくことがうれしいなというふうに思います。多少総論ですが。
産経新聞:
今お話を聞いていると、知事はすごくポジティブに受けとめていらっしゃる、積極的に進めるべきだというお考えかと思うのですが。
知事:
ポジティブです。
産経新聞:
この間、東アジア政府会合の時も、お話の中で外国人は日本人よりも大企業重視でなかったり、社名等にとらわれないから、中小企業の労働力としてもすごく良いというお話があったと思いますが、奈良はまさに中小企業がたくさんあります。
知事:
そうですね、その現実的な話としても地方の関心事項です。東アジア地方政府会合にご参加いただいてありがとうございます。また記事も書いていただいてありがとうございます。すごく結びついています。ですから、テーマの一つは人材育成です。グローバル化における人材の位置づけというのは、アジアでもものすごく進んでおります。ヨーロッパももちろん進んでいます。
今度パリのおん祭に行った時に、フランスのマクロンの労働政策が、すごくグローバル化の中における労働、もうフランスは外国人がいて当たり前と、そのときの調整をどうしているのかということが、もう長年の積み重なった経験で、こうしながら進んでいる。向こうが高校、大学だと、日本は本当にまだ幼稚園に入るかどうかという、その外国人労働力政策という点で、議論の経験も少ないし、議論も含まれてないという感じがしますので、逃げられないテーマだから、とにかく議論をして、日本流の対応を、よく知恵を絞る必要があると思っています。
中央政府としては、地方のああいう地方政府会合でお互いの問題意識を聞き合おう、言い合おうということなんですが、東アジア地方政府会合を作った動機にもなりますが、知事になった時に、知事会から欧州議会に派遣されて、欧州議会でレクチャーしたことがあります。その欧州議会に地方政府会合があった。そこでの議論を聞きましたが、ドイツの田舎の女性の市長さん、移民問題をテーマに、イタリア、ドイツ、フランス、それからオランダとか、それぞれヨーロッパの中でも進んだ国がありますが、大きな問題はトルコ移民をどう扱うか、社会的にどう扱うかということを、けんけんがくがくと市長たちが議論している。
同じようなシチュエーションで、外国人労働者について日本の市長たちで議論が始まってないです。国法の様子を見よう、私の今の姿勢でもそうですが、欧州の市長たちが移民の実態が地方にあるから、いろいろ問題もあるし、しかしポジティブに考えないといけない面もあるからってものすごく熱心に議論する。とてもショック受けました。それも10年ほど前ですから。
それが今度のいろんな難民の受け入れでも、あんなに受け入れてもまだそんなに国が壊れないというバッファになっている面がある。それも相当の政治的な物議は醸していますが、社会的にはもうすごいことになっているというわけではなく、延々と移民を受け入れてきた歴史があるから。サッカーでも、いろんなところでも、全然人種が違う人が出てきているということでもあるし、ヨーロッパの中の人種問題とヨーロッパの外の人種問題は存在していますが、それを克服しようという強い意思がヨーロッパにある。それで戦争が起こったりしていましたから、強い意思がある。
東アジアはどうなるのかなと思って見ています。それを克服して平和な東アジアができたらということが、東アジア地方政府会合の気持ち、願いでありますので、人材育成問題をあんなに議論、地方政府は平和に議論できます。実務的な議論ができますよね。高齢化が進む、どんなふうに地域の活性化をしようか、どのように職を与えようか。韓国はなかなか経済が大変ですが、そんなふうな議論がこれから東アジアで出れば。日本の今の外国人って、教育も同じですが、国がやってくれるからといって、こうしてちゃんと議論してくださいってぐらい言っておくことが普通の対応ですが、それが地方に実態があれば、あるいは知事の権限、責任が発生すれば、どうなっているんだということを調べることから始まります。外国人労働者が奈良県内でどんな実態でいるんだ。それをちゃんと扱っているんだろうかと調べる責任が発生すると思いますけれども、まだそう直接的に発生していないように思っていますが、関心を持たなければいけない分野だと思います。
今度の入管法での知事の責任は、地域での受け入れが市長になるのか知事になるのかということは、法律で書いてあるかもしれないし、あまりはっきり書いてないような気もするんですが。受け入れの資格、入国ビザの解禁・オープン化が今度の入管法改正の大きなことですから、受け入れは大丈夫なのか、誰にやらせるのかという議論がその入管法の議論の一つの大きなテーマだと地方から見たら思いますが、そのようなことも議論を深めていただきたいと。それが足らなければ、法律を追加するとか、条文を改正するとかというところに行くかどうかわかりません、これは国法の話です。
ヨーロッパの事情を言えば、ドイツの田舎の女性の市長が、トルコ人をどのように扱うか、これで扱っている保育からも離れることを議論されてて。ドイツ語、EU内のあらゆる言語の通訳があるから、英語で聞いても、ああ、こういう議論をしてるんだなと思いました。日本にはない議論だと思います。今でもないですが。しかし、入管の議論だと思いますけれども、向こうはビザがないぐらいだから、来てどのように扱うかということで、差別をしないようにすることがまた大きな前提であるから、日本は非制度的差別があるというように言われてしまうと、グローバル化の中でなかなか生きていけないんじゃないかと私は思ったりします。差別でするんだったら、理由を立てて表に出さないといけないと思っていますので、そうでないと世の中、国際社会を渡れないんじゃないかというように思いますので、そういうことも含めて議論していただければと思います。
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大阪方面~奈良間の直通電車について
奈良新聞:
簡単に感想というか、知事の見立てだけお聞かせください。JRのおおさか東線が、来年の春に全面開業。それはJR西日本全体の交通ですが、ただ奈良にとってやっぱりちょっとおもしろいなと思ったのは、奈良から新大阪までの直通の快速の電車を来年の春から走らせるとのことです。こういうものの効果とか、そういうのは知事はどういうふうに見ておられますか。
知事:
効果はものすごく大きいと思います、新大阪直通というのは全然違いますから。一つは、貨物線を旅客線化するという構想は、塩川正十郎さんが熱心でした。直接関与したことはありませんが、同じ部局で、とにかく城東貨物線に熱心でした。割と投資が要るし、地元もJRもあんまり熱心ではありませんでした。すでに亡くなられましたが、塩川さん一人が引っ張ってきて、塩川さんの功績だということを思い出します。塩川さん一人が、関西空港とこの城東線の2つに物すごい熱心でした。
運輸大臣でも予算なんか本当にこれだと、それが物すごい印象的、それが実現したという、そういう仄聞(そくぶん)、そばで見てたから、すごくそういう面でもうれしいと感じております。
塩川さんのご功績でしたねということをここでお伝えできるのはとてもうれしいということで、それが一つと、奈良県にとってはすごく意味が大きいと思います。
もう一つの願いは、まだできていませんが、関西空港から奈良駅まで直通、快速があればと思っております。これは天王寺で折り返しする案ですが、あそこは煩雑だから拒否されています。そこで、もう一つの案は、余計時間がかかりますが、折り返しの余力がある湊町(現在のJR難波)まで伸ばす案で、天王寺から湊町まで行って、奈良へ折り返しという、その直通快速列車があればと、内々希望しています。これはまだJR西日本と折衝してませんが。新大阪に入ったんだから、関空にも入れてくれるんじゃないのと、今日はこうお願いをしたい気持ちでいっぱいです。
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パリでのおん祭開催状況について
知事:
パリに行った時のおん祭を行った公園で、これだけ人が来てたという写真を昨日もらったので、ちょっとご披露していいですか。おん祭が来たときこの公園に2万人来てたそうです。僕はこの明くる日に行きましたが、この半分ぐらいでした。それでも天気がよくて、こんな舞台でおん祭をやっていますが、これだけ人が来て、担当がすごかったと言って、その写真を昨日いただきました。
※写真を記者の方に回覧
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大阪方面~奈良間の直通電車について
NHK:
関空への直通列車というのは、JRに別途申し入れるおつもりなのですか。
知事:
これからね、機会があればと思っています。今まで天王寺折り返しは、天王寺駅が錯綜するから無理だと言われております。直接僕は言われておりませんが、僕の前の時代から言われております。湊町だったら折り返しできるんじゃないかということをアドバイスしてくれた人がいるので、一度聞いてみようかと思っています。それも手間がかかりますが、列車運行にとってみれば、お客さんがあるかどうかというのが大きいと思います。
新大阪からこちらというのは、西日本にとっても山陽新幹線から奈良というのを一つふやそうと、JR東海が奈良のほうへ東海道新幹線から横にして需要をふやそうというのと同じように、山陽新幹線からそのまま京都だけじゃなしに、南のほうへ、和歌山もそうですけど、奈良というのは大きな商品造成のきっかけになるし、さらに商品造成が随分違ってくると思っています。
それがJR西の一つの商品価値だと思います。関空から湊町折り返しで奈良まで来るというのも、インバウンドの奈良をどれだけ目指されるのかというのが定着してくると、それも意味があるなというものであります。そのためインバウンド、奈良の魅力をふやすのと、そういうアクセスをよくするというのが一緒に上がればいいなと思っています。
今は、直接アクセスがないのと、宿泊施設がないから大体大阪に行って泊まられて、大阪からバスで大仏殿へ行って帰ると、こういう旅行パターンになっています。それを改革・変更できないかというので、もがいているわけです。
奈良テレビ:
JRにもし言うとしたら、何年も先でなくて、数カ月とか1年とか機会を捉えてというお考えですか。
知事:
投資が少なくてすむ、ダイヤの編成でできないかということなんです。これまでは天王寺駅が難しいから、それで湊町へ行ってという案がなかった。経費がかかるしとおっしゃる可能性がありますが、まだ言っておりません。だから一度言えたらと思います。
もっと有効なのは、関西空港から奈良市付近まで直通新幹線をつくるというのがもっと効果的です。ですがそれにはインバウンドが、奈良はものすごく増えてくるよと将来の見通しが必要です。こういうのは意味があるよ、リニアの接続にも意味があるよというふうに、将来の見通しがなってくれば、これは私の夢ですが、実現可能性が高まると思っています。
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奈良市内の交通渋滞対策について
毎日新聞:
県警本部横の登大路北駐車場についてお伺いいたします。10月の後半ぐらいからもう慢性的に、渋滞になっております。私もそこの駐車場をふだん使わせていただいております。しかし入れなくて民間の駐車場を使ったり、初めからもう歩いてくることもあります。それはそれで仕方ないんですが、ちょっと1台出たら1台入るみたいな形で、並んでいると大体15分ぐらいかかってようやく入ったかなという感じです。
それは、単純に車の流入、つまり観光客がふえているのかどうかはわかりませんが、実態として渋滞が起きているので、パーク・アンド・ライドを一層進める必要があるかと思います。その点がどうかという点と、あとソフトのほうです。警備員さんが立っていて、「民間の駐車場をお探しください」っておっしゃっていて、それはそれで役目上そうだと思います。ただ、言われたほうはどこを探せばいいんだと感じます。例えば、地図を作って、ここへ行ったらあいてますよとか、行けますよというようなのがわかるようなことを係の人が渡されるとか、何かそういった、もうちょっと何か利用者あるいは県民の立場でね、なれば大分また県に対する印象というのも変わっていくんじゃないかと思います。
知事:
印象はいいけども、このあたりの駐車場政策、TDMと言われる交通需要政策というのは大事なポイントだと思います。東大寺上っていくからね、できるだけ奥へ駐車したいとみんな思うんだね。
それを許してきたから、駐車場政策がこの地域にありませんでした。これも逃げてるわけではないですが、普通は市がこうやるんだけど、見過ごせないから県が、また県庁もあるしということでああだこうだ言い出し始めているところです。
別にそれはいいんだけど、どこがやってもできればいい思います。そのポイントは、一つは奥へ駐車場をつくることは、道が混むだけであまりいい政策ではない、プライオリティー(優先順位)が低い政策になります。
もう一つは、なるべく離した場所へ、ここで言えば大宮通りに駐車場をつくってアクセスをよくすることです。これは地元にとって、そのアクセスの途中でいろんな消費をしてもらうとありがたいという魂胆もあってお勧めの政策になります。そういう駐車場政策を西のほうにつくるという政策をしていきませんでした。それとアクセスがなかったからです。
今つくろうとしているのは、西のほうに駐車場をつくって、ぐるっとバスの100円バスで動かしてもらおうという政策です。今度のパーク・アンド・バスライド、社会実験して間もなく結果報告があると思います。
ミ・ナーラも含めて、民間の駐車場も含めて西のほうに駐車してもらったら、来られたお客さんに乗り放題の500円の木簡パスを無料で配布するという実験をやり始めました。その日に一度青バス乗りましたが、木簡パスをぶら下げている人がいっぱいいました。
毎日新聞:
いましたね。
知事:
インバウンドの人でいっぱいでした。それは1回そこで乗っただけですが、その人たちはミ・ナーラから乗ってきたようです。インバウンドの人たちはミ・ナーラで、あと駐車でなく買い物されたのかもしれません。それも一つのポイントになります。
だから、この青バスの威力は発揮されるようにということと、駐車場はなるべく西のほうへ行くようにということが定着してバランスとれると、観光客対策としての駐車場政策はこれが一つのパターン、方向としてあると思います。
むしろ逆にここら辺の県庁なり税務署なりの施設に来られる駐車場というのは、施設に行くんだから、そこでの駐車、あそこの県営駐車場もその駐車場なので、観光駐車場ではないということを一応うたっております。
だから便利だから観光駐車場へ来られる傾向にあるわけです。その観光分野の駐車はなるべく西へ行ってもらってというのがどれほど成功するか、すると、ここに来られる本来の目的の人の駐車場として確保できるのかどうかということになります。
業務駐車は、日曜日はあまり来られません。だから混んでいるのが日曜日か平日かで随分目的が違うはずです。だから平日も混めば業務駐車、それと季節で波動が大きいという傾向があるので、ここは基本的に業務駐車中心だと考えられます。
観光もあったら、だから余っていれば駐めていいという扱いになってますが、ほかの民間は、とにかくこちらのほうへ空き地があるからいらっしゃいと言う扱いです。また民間の駐車場では夕方になると駐車料金を下げるとかされてるんだけど、違法ではないからそうされています。ただ、あんまりすると道が混みますよとなってきます。だから駐車場はその調整が難しいから、そういうゲームみたいなとこがあるんですが、県としては、あるいは県のこれこそ権限ではありませんが、しちゃいかんという話でもありません。だから、見過ごせないからというんで、西のほうへ持っていって観光の駐車場を確保したいという駐車場政策をしております。
もう一つは、それが基本的な構造の政策ですけども、来たときにどこに行っていいかわからないというのが、ソフト対策とおっしゃられた、紙を配るのもあるが、奥の駐車の今の状況はどうだという案内をうまく表示できたらという研究はずっとするように言ってます。
すると、今のずっと大宮通りだけじゃなしに、近鉄奈良駅前で駐車場の看板が出る、水谷とかなんとかって、どこかわからないんです。真っすぐとか右とか、あいているかどうかもわかりませんよね。
普通なら、理想的には、即応的にね、残何台とかね、空満情報がもっと出たらと思います。それぞれの混雑とかいうだけでなく、何台残っている、いうことが言えればね、今の西にとまって移動してもらうという政策からは、「ここら辺でもうとまらないかんな」という諦めを促すことになるなと考えております。
西のほうに十分な駐車容量が必要なわけですが、今いろいろ整備しているのをちょっと待たなきゃいけない状況です。
しかし大宮通りの新ホテルの地下駐車場に400台、大きなホテル駐車場としてだけでなく、奈良方面へ来る人の、西から来る人の駐車余地も確保する予定にしております。ホテルの地下駐車場、ほかと値段変わりませんけども、コンベンションホールの地下駐車にとめられて、木簡パスでも、100円バスでも乗って来られるというのが一つのパターンになります。それをお勧めしてうまく駐車場がおさまるかというところです。
あわせて業務駐車で、ここ(県庁周辺)に用事のある方は割と楽に来れるかどうかという方向としての考えです。考えとしては、そういう方向になります。
これも同じように、そうは言っても混雑・混乱するじゃないかというのの対処というのは一つ別様であると思います。それは案内ということです。
どのようにすればいいのかを、駐車場の案内板のあり方も含めて、あれはあんな駐車意味ないじゃないかといって、あれは市が今まで立てられた案内板ですからというような反応があったんですよね。知事になったすぐだったけど。水谷とか、いろいろ書いてあるのがね。だから市とまた駐車場の案内板協議しないとと思っているところです。
市のほうとの協議では、JRの地下に市の駐車場が500台あるとのことです。大体すいているそうです。あそこにとめられたら、木簡パスをタダということで提供して、割とふえてきているようです。市の駐車場の政策としてもいいし、こちらが混まないという政策としてもいいので、あそこから乗られるのが定着すると一つの容量確保ができます。
あんまり知られない方が真っすぐ行きたいのに、途中でおりて乗りかえというのは抵抗があるんだけど、そんなのはヨーロッパの狭いまちだと日常茶飯事ですね。
とにかくぱっと降りてぱっと見てぱっと帰りたいという旅行者の欲望があるから、いや、ちょっとここは我慢してくださいという調整になるかと思っています。それが奈良公園や、鎌倉でも、そういうようなことはどこでもある話ですが、奈良公園で達成できたらと思います。方向としてはそういうことになります。
毎日新聞:
来年の春に、登大路のバスターミナルも完成するわけですから、あそこに目がけていろいろ、バスは当然ですが、車も、そこら辺に行けば(駐車場が)あるんじゃないかということ、特に県外の方は思ってもおかしくない部分はあると思います。
知事:
あまりけしかけないでくださいよ。奥に来てはいけないと書いてほしいんだけど、駐車場ないんだから。
日経新聞:
来年の4月、大仏前駐車場と高畑駐車場はなくなるんですか。
知事:
大仏駐車場はなくなり、高畑は残ります。4月ぐらいになると思います。大仏前駐車場がぐるっとバスの乗りかえ場になります。3本バスの乗りかえ場だからという今の構想で、調整中の案です。割と出てるから、こうしゃべっていますが調整の段階です。
だから啓蒙してほしいのは、駐車場を目当てに中へ入っちゃいかんよということです。『こんなとこ当てにしちゃいかんよ、あれはバスターミナルだから』こう一度見出しでお願いします。
日経新聞:
あと、先日の社会実験は、一応感触としては効果があった、要はどんだけのインセンティブを与えるとね、人は乗りかえてくれるのかというところが一つの焦点だったと思うんですけど、いかがでしょうか。
知事:
そうですね。速報ベースでは大分効果があったというふうに、県土マネジメント部から聞いております。随分混んでた、直通の青バスが混んでたんです。
移動がね、もう車の渋滞緩和と、バスの中での快適性というのを確保できたらいいと思います。奈良は域内交通がちょっと弱いとこがあるから、これも改善の一つのポイントです。改善するところがたくさんあって大変です。
司会:
よろしいでしょうか。
ほかにご質問はございませんでしょうか。よろしいでしょうか。
それでは、これで知事定例記者会見を終わらせていただきます。
ありがとうございました。
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(発言内容については、読みやすくするために、広報広聴課で編集しています。)