【レポート:~9月23日】マンガで語る古代大和II 里中満智子『天上の虹』にみる持統天皇誕生の物語

里中満智子さんの『天上の虹』の原稿を多数展示

【ナラプラス現地リポート】(令和元年7月)

奈良県立万葉文化館で、特別展「マンガで語る古代大和II 里中満智子『天上の虹』にみる持統天皇誕生の物語」が開催中です(2019年7月13日~9月23日)。
『天上の虹』は、漫画家・里中満智子さんが鸕野讃良皇女(後の持統天皇)を主人公に描き、2015年についに完結(全23巻)した作品です。


昨年、同館で開催された特別展「マンガで語る古代大和―学術と創造の融合―『天上の虹』にみる創造の世界」では、大化の改新から壬申の乱まで(1~7巻)を中心とした原稿と、関連する歴史・考古学・文学資料が紹介されました。

今回はその第二弾として、『天上の虹』8~13巻を中心に取り上げています。病に倒れた讃良皇后のために執られた薬師寺建立計画、天武天皇の崩御、草壁皇子と大津皇子の跡継ぎ問題、そして讃良皇女が持統天皇として即位するまでを、表紙カラー原稿や本編モノクロ原稿の計160点に加え、さまざまな分野の解説・資料を添えて紹介しています。

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特別展の会場では、里中満智子さんの原稿を中心に『天上の虹』の美しい世界が広がります。この日は特別展の初日、里中さんの特別講演会&サイン会も行われたため、会場はたくさんの人で賑わいました。


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今回の特別展では、『天上の虹』8~13巻を中心に、表紙のカラー原稿や本編のモノクロ原稿などが展示されています。カラーページの美しさに驚いたり、原稿中の書き込みなどから創作現場の空気が感じられたりします!


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主人公である鸕野讃良皇女(後の持統天皇)の夫・天武天皇が崩御した場面。水墨画のようなタッチで沈痛なシーンを描いています。

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大津皇子が「天武天皇から後を託された」と名乗り出ますが、鸕野讃良皇女によって一喝されます。歴史書には描かれていない場面を、里中さんの創作で加えたもので、登場人物がよりリアルに感じられます。

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謀反の罪に問われた大津皇子は、わずか24歳の若さで死を賜ります。辞世の句を詠むシーンは、聡明だったとされる大津皇子の人柄を表すように、静謐に描かれています。

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天武天皇の後継者として期待した実子・草壁皇子も病で亡くなり、ついに鸕野讃良皇女は天皇位につきます。華やかな即位のシーンですが、その表情は切なげです。持統天皇は、我が子を天皇位につけるためにライバルを陥れた悪女のような描かれ方をすることも少なくありませんが、里中さんはそうした単純な決めつけをせず、人間として苦悩する姿を浮き彫りにしています。


関連する歴史・考古学・美術の資料展示も

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病に倒れた鸕野讃良皇后のために、薬師寺の建立が発願されました。今回の特別展では、そのシーンを描いた原稿とともに、その出来事が記された『日本書紀』の写真パネルなど、関連する資料が展示されており、より深く歴史に親しむきっかけになるでしょう。

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その当時の薬師寺が建っていた「本薬師寺跡」の出土品(奈良文化財研究所所蔵)なども展示されています。作品に登場する人物たちが、実際にその目で見ていたかもしれない遺物です。2次元を飛び越えて3次元へ来たような、不思議なリアルさが感じられます!


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また、日本画家・小倉遊亀さんの《おもいのたま(持統天皇)》《天武天皇》《大津皇子》(写真右から。いずれも法相宗大本山 薬師寺 所蔵)や、万葉文化館が所蔵する「万葉日本画」など、貴重な関連絵画も展示されており、美術ファンも必見です。


ミュージアムショップでは関連グッズを販売中

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万葉文化館の入口ロビー部分には、大きなパネルが展示してあり、記念撮影スポットになっています。


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ミュージアムショップでは、里中満智子さんの漫画作品やイラスト入りのグッズなど、特設コーナーが設けられています。特別展を観覧したあとにぜひ立ち寄ってみてください。


里中さん「特別講演会&サイン会」も大盛況!

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特別展が開幕したこの日は、里中満智子さんによる「特別講演会&サイン会」が行われました。定員200名のところ申込みが殺到し、抽選で当選した方だけの参加となりました。

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講演のテーマは「『天上の虹』にみる大津事件~揺れ動く皇子たちの想い~」でした。
草壁皇子との皇位継承の争いから「持統天皇が大津皇子をおとしめて処刑した」と言われがちですが、里中さんは決してそんな単純な話にはしたくなかったのだとか。「みなそれぞれ事情があったはずで、誰も悪くは描かない。この人は悪役などと決めれば創作は楽だが、決して流されない」という想いで描かれてきたのだそうです。
里中さんの作品からあふれる、登場人物への深い愛情が伝わってきました。

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会場の最前列には、天平衣装を身にまとった方々の姿も。講演会中にも里中さんから声をかけられ、「袖を振る」という愛情表現の実演に協力なさっていました。衣装や髪飾りの完成度には、里中さんも感心しきりでした!

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講演会のあとは、希望者を対象としたサイン会も行われました。ものすごい行列です!

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サイン会の様子。熱心なファンの方々が詰めかけ、楽しそうにお話しながら筆を走らせていらっしゃいました。

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サインのあとは固い握手も。ファンの皆さんも里中さんも、みな笑顔で楽しそうなのが印象的でした。


特別展「マンガで語る古代大和II 里中満智子『天上の虹』にみる持統天皇誕生の物語」

●会期:2019年7月13日(土曜日)~9月23日(月曜日・祝日)
●開館時間:10:00~17時30分(入館は17時00分まで)
●会場:奈良県立万葉文化館 日本画展示室
●休館日:毎週月曜日(※月曜日が祝日の場合は翌平日)
●観覧料:一般 1,000円、高校・大学生 500円、小・中学生 無料

会期中イベント

●特別講演会&サイン会(※すでに終了)
・開催日:7月13日(土曜日)13時00分~14時00分
・講師:里中満智子さん
・演題:『天上の虹』にみる大津事件~揺れ動く皇子たちの想い~
・定員:200名(要事前申込)
・参加費:無料
※講演会終了後、サイン会が行われます。

●関連講演会
・日時:8月4日(日曜日)14時00分~15時30分
・講師:松久保伽秀師(法相宗大本山薬師寺 執事)
・定員:先着150名
・参加費:無料

 交通案内

「奈良県立万葉文化館」(高市郡明日香村飛鳥10)は、近鉄橿原線「橿原神宮前駅」より、飛鳥駅行きバス(明日香周遊バス:赤かめ)に乗車(約20分)。「万葉文化館西口前」下車すぐです。

(リポート・写真 / ナラプラスライター N)

(記事投稿者)
奈良県庁広報広聴課 杉原・山田
電話番号 0742-27-8325

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