建設業を担う若年技術者の確保・育成を目指して
【ナラプラス現地リポート】(令和元年9月)

最先端の建設現場を体験してもらうことで、若者たちに建設業の魅力をアピールする『一日インターン ~建設現場視察・建設体験ツアー~』が開催されました(8月20日)。
建設業の担い手となる若年技術者の確保・育成を目指したもので、この日は、レーザースキャナーなどの最新機器を使った測量体験、「流域下水道佐保川幹線」と「なら歴史芸術文化村」の建設現場の視察などが行われ、参加した学生の皆さんには貴重な体験となりました。
より安全で高機能に。最新機器を使った「測量体験」

大和郡山市の奈良県浄化センターで、奈良県測量設計業協会の皆さんの指導のもと、最新の機器を用いた測量体験が行われました。この日は、高校生・専門学校生・大学生など19人が参加。各班にわかれて、4種類の機器に触れていきます。

「電子平板体験」では、地物を地形図にしていく地形測量を行いました。このデータはタブレット端末に転送・表示され、すぐに活用できるようになっています。

こちらは、1秒間に5万点のレーザーを発射する機器を使った「3次元スキャナー体験」です。対象に触れずに立体的に測量できるため、土砂崩れなどの災害現場などでも活躍しています。測量というと、現場によっては危険が伴うイメージもありましたが、こうした最新機器の登場によって格段に安全になっているのだそうです。

石像の前に人が立っているところを測量中。1人ずつ少し位置をずらしておきます。

そして、3回分の計測データを重ねて表示すると、ちゃんと3人分の姿が写ります。こうした機能を活用すると、ダムや道路などの経年劣化もわかるのだとか。車やドローンに積んで動かすことも可能というのですから、すごい進化です!

複数のGPS衛星、GNSS衛星からの電波を受信し、地球上の位置を特定する「GNSS測量機」の体験です。スマホ型の端末に詳細な位置データが表示されます。

こちらは、電子レベルとバーコード標尺を使用して、目標点間の高低差を測る「水準測量(レベル)体験」です。初体験の参加者さんが多く、みな真剣に説明を聞いていました。

機器を水平に設置し、データを読んでいきます。難しそうに見えますが、測量機器の進化によって、以前よりも格段に正確に、そして作業も楽になったそうです。

測量体験の最後に、ドローンからの記念撮影が行われました。現場でドローンが活躍する機会も増えていますが、難しい操縦技術が求められるのではなく、事前にプログラムを組んでおくことが主な仕事になるのだとか。最新技術を取り入れることで、作業内容もどんどん進化しています。
着々と工事が進む、大規模な建設現場の視察も

測量体験に先立って、「流域下水道 佐保川幹線」工事現場の視察も行われました。シールド機によって掘削・排土・管路の築造を同時に行う「シールド工法」を用いて、地下で工事が進んでいます。私たちの生活を支える設備が誕生する現場の、まさに最前線です。
午後からは、天理市に建設中の「なら歴史芸術文化村」の工事現場を視察しました。文化財の修復や展示、地元特産物や伝統工芸品の販売など、地域の魅力を高め、地域活性化を実現する複合施設で、スケールの大きさに圧倒されました。
参加者の皆さんは、普段は入ることのできない大規模な工事現場を間近で見て、多くの方々が事業に関わっておられることが体感できたようです。「私も建設業でみんなの生活を支える仕事がしたい!」と思うきっかけになるといいですね。
一日インターン~建設現場視察・建設体験ツアー~(※終了しました)
●日時:2019年8月20日(火曜日)9時00分~15時30分頃
●行程
・流域下水道佐保川幹線工事現場
・奈良県浄化センターにて測量体験
・なら歴史芸術文化村建設工事現場
●対象:高校生、専門学校生、大学
●定員:20名(※先着順)
●参加費:無料
(リポート・写真 / ナラプラスライター N)
(記事投稿者)
奈良県庁広報広聴課 杉原・山田
電話番号 0742-27-8325